葛西橋の事故に思う事 | 風雨輪記 -ふうりんき-      ロードバイク中心にゆるゆると。

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40超えてからロードバイクを始めた永遠の中級者の自転車ブログ@京都。スポーツ観戦諸々、たまにゴルフやほかの趣味も。

どうも、ルネです。

 

新車(ミニベロ)の納車記事や、

サイクルモードや、ブルベ参加の記事などなど、

書かなきゃいけないものが溜まって来ていて、

早く出したいと思っているのですが、

小忙しいのと、

今回記事にする内容が頭をちらついてしまい…

 

実際あまり、というかとても良くない内容なので、

ブログにするかどうかとても迷いました。

 

というのもSNSや他の方のブログを含め、

この件については人が亡くなっているのに、

憶測で書かれた内容が多すぎ、

亡くなった方の尊厳を傷つけてはいないかと

思われるものが目につきました。

 

自分もその一つになってはいけない、

という思いがあり、

それでも同じような事故を防ぐのに

自分がどう考えているか整理したくもあり…

どんな内容になるか分からないまま書き出しています。

 

 

 

そもそもの「葛西橋の事故」ですが、

3月16日の早朝、江戸川区の西葛西で

自転車を運転中の30代の女性が

逆車線に飛び出してトラックに轢かれて死亡したというニュースが

報じられました。

(既に日が経っているため、

当該のニュース記事は各サイト削除されているようです)

 

まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 

当時報じられた内容としては

集団の最後尾を走っていたライダーが

「ふらっと」(後述のドライバー談)

逆車線に飛び出してきたためトラックと接触、

救急搬送されるもライダーの死亡が確認され、

トラックのドライバーが逮捕、

当日の葛西橋付近では交通規制が敷かれたという内容でした。

 

当初は亡くなった方の素性や状況が分からなかったため

(また、一定数いる自転車に敵意を常に持っている投稿者がいるため)

ヤフーニュースのコメントには

マナーの悪い逆走自転車が多いとか、

お決まりのように免許制にすべきとか、

スポーツ自転車の車道走行自体が無謀だとか、

的外れな意見が飛び交いました。

 

状況が変わってきたのが翌日、

遺族の方がSNSアカウントを立ち上げ、

同じ趣味ではなかったので本人が自転車に乗っている時の

写真を持っている方がいたらDMして欲しいという投稿をしてから

亡くなったのがSRも取得するような熟練のライダーであったこと、

当日BRM(ブルベ)が行われ、

それに参加していたらしいことなどが分かってきました。

 

前述のヤフーニュースのコメントにも

(リアクション数で自転車批判に敵わないので下位に沈むものの)

事故の目撃者やドライブレコーダーが確認できたとする

投稿があり、

その中で橋の終盤の下りで

先行車への接触があったか、突然ふらついて逆車線に転倒した

というような内容が記載されていました。

 

今回の事故は国内のブルベ中における2例目の死亡事故となったこともあり、

(1例目はトンネル走行中に不注意ドライバーによる後方からの追突でした。)

憶測による事故検証がはじまってしまいます。

周辺の防犯カメラの映像や

事故当時の映像の拡大からサイコンのナビを検証するもの、などなど

その中で

先行車への近寄りすぎが原因であるとするものや、

そもそもBRMのコース走行指示は橋の歩道を走行するものだったとするもの、

などが主流となり、

結果的にブルベの参加者が

ブリーフィングなどで示されたコース指示に従わず、

仲間同士の集団で走行中に先行車とタイヤ同士の接触(所謂ハスり)があり、

転倒して逆車線に転倒したために起こった事故である、

と断定するものが出ていました。

 

しかし、

真相については正直分からない、というのが私自身の見解です。

確かに、当日事故地点を通るBRMがあった、

亡くなった方がその参加者であったことだけは確かです。

(主催団体のHPに記載あり。)

しかし、歩道走行の指示があったかどうか、

仲間同士の集団走行であったかどうか、

また、

先行車との接触があったかどうか、

というのは

明らかではありません。

 

歩道走行については主催のページに記載の

GPSデータからそうであったとするものがありますが、

そもそも掲載されているGPSデータは参考であり、

キューシートが正当です。

そしてキューシートはこの主催団体は公開していません。

(以前正式な参加者外の同時走行があり、

 参加者リストとともに参加者以外には非公開となっています)

歩道を通るように見えるGPSデータも

それが正式かどうかというのは参加者以外には分からないのです。

また、当時の状況が分からない限り、

その時点で歩道走行が適切であったかどうか、

(万一歩道が工事中や通れない状況があった可能性はないか)

言い切れる人はいないと思います。

 

仲間内とする集団走行ですが

ブルベに限らずロングライドイベントの序盤において、

知り合いでないもの同士が連なって走行することは良くあることです。

 

ドラフティングを得ようと前車に近寄りすぎて接触、

というのも

実際にカメラ映像を見たわけではないので分かりませんし、

そもそも下りでドラフティングしようとするかどうか、

道路にギャップなどがあってそれにタイヤを取られた可能性だって

否定しきれるものではないと思います。

 

何が言いたいかというと、

当事者以外が状況で語るには情報が少なすぎる、

そうである以上、

事故の状況がこうであったと断定することや

いくつかのSNSで語られた、

亡くなった方の運転の良し悪し、

加えて

亡くなった方の尊厳を損なうような発言は控えるべき、

と思います。

 

SNSで語られたように

キューシートの指示に従うこと、ブリーフィングを聞くこと、

トレインを組んでの高速走行を行わないこと、

などは

今回の事故に関係があるかどうかに関わらず、

ブルベや一般道走行においては必要な注意事項であることは確かです。

 

しかし、

それを当該のランドヌーズが欠いていたかどうかというのは

別の話だと私は思います。

 

以前参加したブルベで

数台前を行く単独走行の参加者が

道路わきから飛び出してきた猫と接触転倒、

救急搬送までを前後の参加者数人とサポートしたことがありました。

事故の瞬間を遠目に見る限り、

接触したと言ってもかすった程度、

猫も一瞬足を引きずっていましたがそのまま走り去りました。

しかし、

転倒した方は立つことができず、

骨折も疑われるような状況でした。

今回の事故地点よりも長い下り坂でスピードが出やすい所とはいえ、

自転車に全く非がない状況でも

ほんの一瞬の接触で危険な状況というのは起こりうるのです。

 

今回の事故については

自転車走行に潜む危険とともに

SNSやネットの怖さも感じるような事態だったと思います。

 

最後に改めて亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

 

みなさま、安全で楽しいライドを。