このブログについて

 高齢親の囲い込みとは、認知症や要介護状態にある親について、一部の家族が「親を守る」という名目で、面会、連絡、医療・介護情報、財産管理、施設との連絡窓口を独占し、他の家族を遠ざけていく状態をいいます。

 

 親を守ることは大切です。
 しかし、その言葉が、親本人の意思を見えにくくし、家族を排除し、情報や財産の出入口を一人が握るために使われるなら、それは保護ではなく支配に近づきます。

 

 このブログでは、高齢親の囲い込みを、個人批判ではなく家族内支配の構造として考え、親の尊厳と家族関係を守るために何が必要かを考えていきます。

 

 

高齢親の囲い込みは、最初から財産問題として表に出るとは限りません。

 

最初は、面会の問題かもしれません。
電話の問題かもしれません。
施設との連絡の問題かもしれません。

 

しかし、時間が経つにつれて、通帳、印鑑、不動産、保険、遺言といった財産の問題に結びついていくことがあります。

 

ここで家族関係は、一気に深刻になります。

 

 

財産情報が見えない不安

 

親が元気なうちは、財産管理について家族が細かく関与する必要はないかもしれません。

 

しかし、親が認知症になったり、施設に入ったり、判断力が低下したりすると、状況は変わります。

 

誰が通帳を持っているのか。
印鑑はどこにあるのか。
年金はどの口座に入っているのか。
施設費用はどこから支払われているのか。
不動産はどうなっているのか。
保険契約は変更されていないか。
遺言は作成されているのか。

 

こうした情報が一人の家族だけに集中し、他の家族には一切知らされない場合、不信感が生まれます。

もちろん、財産情報はプライバシーに関わるものです。
すべてを全員に公開すればよい、という単純な話ではありません。

 

しかし、親本人の判断力が低下している状況で、財産管理が完全に密室化することは、やはり危ういと言わざるを得ません。

 

 

「自分が管理しているから大丈夫」は説明にならない

 

囲い込みをする人は、しばしばこう言います。

 

「自分が全部やっている」
「自分が面倒を見ている」
「他の家族は何もしていない」
「だから自分が管理して当然だ」

 

たしかに、実際に介護や手続を多く担っている家族がいることはあります。
その負担は軽くありません。

 

しかし、負担していることと、説明しなくてよいことは別です。

 

介護をしているから、財産情報を独占してよい。
窓口をしているから、他の家族を排除してよい。
自分が大変だから、親の意思確認を省略してよい。

 

そうはなりません。

 

親の財産は、親本人のものです。
家族の誰かのものではありません。

 

だからこそ、親本人の利益のために使われているのか、透明性が求められます。

 

 

遺言が出てきたときの衝撃

 

囲い込みの問題で特に大きいのが、遺言です。

 

長い間、親に会えなかった。
親の状態を知らされなかった。
施設や病院との連絡も遮断されていた。
財産情報も開示されなかった。

 

そのような状態の後で、突然、特定の家族に有利な遺言が出てくる。

このとき、他の家族は強い疑問を抱きます。

 

本当に親本人の自由な意思だったのか。
誰が準備したのか。
誰が説明したのか。
親の判断力はどうだったのか。
他の選択肢は伝えられていたのか。
親は他の家族との関係をどう理解していたのか。

 

遺言は、親本人の最終意思として尊重されるべきものです。
しかし、その形成過程が不透明であれば、検証が必要になる場合があります。

 

 

財産問題の核心は「お金」だけではない

 

通帳や遺言の問題になると、外からは「結局、お金の争いでしょう」と見られることがあります。

しかし、当事者にとっての苦しみは、お金だけではありません。

 

親に会えなかったこと。
親の本当の気持ちを確認できなかったこと。
自分だけが悪者にされたこと。
親との関係を一方的に断たれたこと。
その状態で財産や遺言だけが進んでいたこと。

 

この理不尽さが、人を深く傷つけます。

財産問題は、家族関係の最終局面として現れることがあります。
 

しかし、その前には、面会遮断、情報遮断、孤立化、説明責任の欠如が積み重なっているのです。


必要なのは透明性である

 

高齢親の財産管理で大切なのは、誰が得をするかではありません。

 

親本人のために使われているか。
親本人の意思が尊重されているか。
判断能力に応じた適切な手続が取られているか。
記録が残っているか。
第三者の関与があるか。

 

これらが重要です。

財産や遺言の問題は、感情的にぶつかるだけでは解決しません。

 

通帳の所在。
支出の記録。
契約書。
領収書。
介護記録。
医療記録。
遺言作成時の資料。
関係者とのやり取り。

 

こうしたものを冷静に確認していく必要があります。

高齢親の囲い込みは、親の人間関係を遮断するだけではありません。
やがて、親の財産や最終意思の問題にまでつながることがあります。

だからこそ、早い段階で記録し、透明性を求め、必要に応じて第三者の関与を考えることが大切です。

 

親の財産は、親の人生そのものと結びついています。

それを密室で扱わせないこと。
親本人の尊厳を中心に置くこと。
 

それが、家族に求められる責任ではないでしょうか。

 

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

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