このブログについて

 高齢親の囲い込みとは、認知症や要介護状態にある親について、一部の家族が「親を守る」という名目で、面会、連絡、医療・介護情報、財産管理、施設との連絡窓口を独占し、他の家族を遠ざけていく状態をいいます。

 

 親を守ることは大切です。
 しかし、その言葉が、親本人の意思を見えにくくし、家族を排除し、情報や財産の出入口を一人が握るために使われるなら、それは保護ではなく支配に近づきます。

 

 このブログでは、高齢親の囲い込みを、個人批判ではなく家族内支配の構造として考え、親の尊厳と家族関係を守るために何が必要かを考えていきます。

 

 

高齢の親が施設に入ったり、病院に通ったり、介護サービスを利用したりすると、家族と専門職との連絡が増えていきます。

 

施設職員。
病院。
ケアマネジャー。
地域包括支援センター。
訪問介護事業所。
成年後見人。

 

 

こうした人たちは、親の生活を支える重要な存在です。

ところが、その連絡窓口を一人の家族だけが握ると、家族内の力関係が大きく偏ることがあります。

 

 

窓口を持つ人は、情報を持つ人になる

 

施設や病院との連絡窓口になると、親の情報が自然と集まります。

 

体調。
認知機能。
服薬。
転倒や入院。
介護サービスの内容。
面会の可否。
今後の生活方針。

 

これらの情報は、本来、親本人の利益のために共有されるべきものです。

しかし、窓口を一人が独占し、他の家族に情報を渡さない場合、その人は親の生活全体をコントロールできる立場になります。

 

何を伝えるか。
何を伝えないか。
誰に会わせるか。
 

誰を「問題のある家族」として説明するか。

窓口を握る人は、親の情報だけでなく、親をめぐる物語まで握ってしまうのです。

 

 

専門職も一人の家族の説明に影響される

 

介護・医療・福祉の専門職は、親本人の生活を支えるために努力しています。

しかし、家族関係の全体像までは見えないことがあります。

特に、連絡窓口が一人だけの場合、専門職はその人の説明を前提に判断せざるを得ません。

 

「あの家族に会わせると本人が混乱する」
「あの家族は親に悪影響を与える」
「あの家族とは関わらせない方がいい」

 

そのように説明されれば、専門職側も慎重になります。

しかし、それが本当に親本人の利益に基づく説明なのか、家族内の対立による一方的な説明なのかは、外からは簡単に判断できません。

だからこそ、専門職に対しても、複数の家族から情報が届くことが重要です。

 

施設名や病院名を教えないという問題

 

囲い込みが強くなると、親がどこにいるのかすら教えられないことがあります。

 

施設名を教えない。
病院名を教えない。
担当者を教えない。
ケアマネの名前を教えない。

 

これでは、他の家族は親の状態を直接確認できません。

もちろん、親本人の安全やプライバシーへの配慮は必要です。
しかし、正当な理由なく情報を遮断し、他の家族を完全に排除することは、親本人の利益にかなっているのか慎重に考える必要があります。

 

親の生活場所を知らされない。
親の病状を知らされない。
親の介護方針を知らされない。

 

この状態は、家族間の不信を深めるだけでなく、親本人の意思が見えなくなる原因にもなります。

 

連絡窓口は「権力」になる

介護の世界では、連絡窓口という言葉は事務的に聞こえます。

しかし、家族内の対立がある場合、連絡窓口は大きな権力になります。

 

情報を握る。
説明を握る。
専門職との関係を握る。
他の家族の印象を握る。
親本人へのアクセスを握る。

 

この状態が長く続くと、他の家族は親との関係を断たれ、親の人生から押し出されていきます。

そして、後になって相続や遺言、財産管理の問題が出たとき、情報を握っていた人だけが有利な立場に立つことがあります。

だからこそ、施設・病院・ケアマネとの連絡は、できるだけ透明であるべきです。

家族ができること

もし連絡窓口を一人の家族が独占していると感じたら、まずは冷静に記録を残すことです。

 

いつから情報が共有されなくなったのか。
誰に問い合わせたのか。
どのような返事だったのか。
施設や病院に直接連絡できたのか。
断られた場合、その理由は何だったのか。

 

また、専門職に連絡する場合は、感情的な非難ではなく、親本人の利益を中心に伝えることが大切です。

 

「相手が悪い」と言うより、
「親本人の状態を正確に把握したい」
「親本人の意思を尊重した形で関わりたい」
「家族間の情報共有が不十分で困っている」
 

と伝える方が、第三者には届きやすくなります。

 

高齢親の囲い込みは、密室で進みます。

だからこそ、施設・病院・ケアマネとの関係を一人に独占させないこと。
 

親本人の情報が、できるだけ透明に扱われること。
複数の目で親の生活を見守ること。

 

それが、親の尊厳を守るために必要なのです。

 

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

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