高齢親の囲い込みで、よく使われる言葉があります。

 

「親が会いたくないと言っている」
「親が嫌がっている」
「会うと混乱する」
「親のために会わせない」

 

 

この言葉を言われると、他の家族は非常に苦しくなります。

 

本当に親がそう思っているのか。
それとも、誰かがそう言っているだけなのか。
 

確認したくても、そもそも会わせてもらえない。

この状態が続くと、親本人の意思はどんどん見えなくなっていきます。

 

親の意思は大切である

 

まず大前提として、親本人の意思は大切です。

 

親が本当に会いたくないと言っているなら、その気持ちは尊重されるべきです。
無理やり面会させることが、親の負担になる場合もあります。

 

しかし問題は、親本人の意思が本当に確認されているのか、という点です。

 

誰が聞いたのか。
いつ聞いたのか。
どのような状況で聞いたのか。
他の家族がいない場所で聞いたのか。
誘導的な聞き方ではなかったのか。
認知症や体調不良の影響はなかったのか。

 

こうした点を確認しないまま、「親が会いたくないと言っている」という一言だけで面会が止められてしまうのは、とても危ういことです。

 

 

「代弁」と「支配」は紙一重

 

高齢の親が弱っていると、家族の誰かが代わりに説明する場面はあります。

 

病状を説明する。
施設との連絡をする。
本人の希望を伝える。

 

それ自体は必要なことです。

しかし、代弁者を自称する人が、常に親の言葉を独占し、他の家族に直接確認させない場合、代弁は支配に変わることがあります。

 

「親がそう言っている」
「親はあなたに会いたくない」
「親に聞いたら嫌だと言った」

 

そう言われても、他の家族は確認できません。

 

親の言葉が、本人の意思なのか。
代弁者の解釈なのか。
あるいは、都合よく切り取られたものなのか。

そこが見えなくなります。

 

親本人の意思を守るためには、むしろ複数の目が必要です。
家族、施設、医療・介護関係者、場合によっては成年後見人や第三者が関与し、できるだけ透明な形で確認する必要があります。

 

 

会わせない理由が変わっていく場合

 

囲い込みが疑われるケースでは、面会を断る理由が少しずつ変わっていくことがあります。

 

最初は「体調が悪い」。
次に「混乱する」。
その次に「親が嫌がっている」。
さらに「施設にもそう言われている」。

しかし、具体的な説明はない。
診断書や施設の正式な見解もない。
面会方法の調整案も出てこない。

 

このような場合、問題は「面会できないこと」だけではありません。

問題は、説明が不透明なまま、他の家族が親から遠ざけられていることです。

 

面会が難しいなら、短時間でもよいはずです。
直接面会が難しいなら、電話や手紙、オンライン面会という方法もあります。
体調に配慮するなら、医師や施設と相談しながら条件を整えることもできます。

 

 

それでも一切の接点が遮断されるなら、そこには別の意図があるのではないかと考えざるを得ません。

 

 

「親のため」という言葉を検証する

 

「親のため」という言葉は、とても強い言葉です。

それを言われると、他の家族は反論しにくくなります。

 

「親のためなら仕方ない」
「自分が悪者なのかもしれない」
「無理に会いたいと言うのは自己中心的なのかもしれない」

 

そう思わされてしまうこともあります。

しかし、本当に親のためなら、説明責任があってよいはずです。
 

本当に親のためなら、他の家族を一方的に悪者にする必要はないはずです。
本当に親のためなら、親本人の意思を透明に確認する努力があってよいはずです。

 

親のためという言葉は、検証されるべき言葉です。

 

 

記録するべきこと

 

「親が会いたくないと言っている」と言われた場合、感情的に反論する前に、記録することが大切です。

 

いつ、誰が、そう言ったのか。
親本人から直接聞いたのか。
その場に誰がいたのか。
面会を断る具体的理由は何か。
代替案は提示されたのか。
施設や医師の判断なのか、家族の判断なのか。

 

こうした記録が、後で大きな意味を持つことがあります。

高齢親の囲い込みでは、親の意思が見えなくなることが最大の問題です。

 

だからこそ、私たちは問い続ける必要があります。

それは本当に親本人の自由な意思なのか。
それとも、誰かが親の言葉を使って、家族関係を管理しているのか。

 

この問いを持つことが、囲い込みを見抜く第一歩になります。

 

 

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

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