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両親の老いについて 
また私が面した老いについて綴っています。



過去記事はこちらからどうぞ


老いを生きる 目次






2021年1月3日  納棺式

翌4日に葬儀



母が亡くなったのが12月26日で
納棺や葬儀が随分先になってしまったのだけれど
この期間  家族は何度も母に会いに行けて
特に父にとって良かった。


葬儀は近親者での家族葬としたので
お呼び出来なかった母の親友のおば様方など
ゆかりの近しい方々も
最後のお別れに来てくださいました。




納棺式は父  兄  私  妹  義姉  夫  義弟  孫8人

総勢15名で。

 

それぞれが湯灌の後
父が母の組んだ手の上にお数珠を乗せ
数名で母が横たわっているシーツ周りを持ち
静かに ゆっくり 棺に納めました。



守り刀は母の胸の上に。


杖は手の横に。


旅立ちは母自作のスーツとしたので
白装束は足元に。


六文銭は兄私妹と
それぞれの長子  孫3人が
1人1枚ずつ6枚を頭陀袋に入れ
母が着ている上着ポケットの中に。


前の記事で書いた3品
庭のバラの花 と大好物の大判焼は顔の両脇に。


もう一着
母お気に入りだった自作スーツは
身体全体を覆うように
納棺担当者の方が綺麗に整えてくださいました。





葬儀の日

檀家になっている住職さんにいただいた戒名




認知症になっても最後まで
縫い物の仕事をしているつもりでいた母




「苑」はお花のお免状からでしょう

お花  大好きだったもんね



 


父がお寺の世話役をしていたことがあり
母もお手伝いに行ったり
旅行でご一緒したこともあったようで
両親と住職さんは顔見知り。



事前に改めて母の人となりを話していたらしく

「ふさわしい戒名をつけてくださった」

と父は喜んでいました。




葬儀の最中  
私はお経を聞いている時

(母の身体は目の前で横たわっているけれど
    今  上の方から見ているんじゃないかな)

なんて思って
天井の辺りを見回したりしてね。





最後に  
祭壇の花をスタッフの方々に摘んでいただき
母が好きだった黄色と 
オレンジ  白の花を棺の中へ




母への言葉を書いた折り鶴も
各々  母の周りに





陽気な母らしく
色とりどりに飾ることが出来ました。




特に良かったと思ったのは
納棺式でも 葬儀でも
全員が母に寄り添えたこと。



「火葬場では時間をとってのお別れが出来ない」

とのことで
棺の蓋を閉める前に
家族1人ずつが充分に時間をかけて
母の顔や手に触ったり 髪をなでたりして
ゆっくりお別れが出来ました。





棺の蓋は父の意向で
クギ打ちのマネだけして  実際には打たず
蓋を置くだけにしました。




私が嬉しかったのは
火葬場での待ち時間に
母に大判焼とジュースが供えられたこと。





これ サービスだと思うのだけど
事前に母の好きな食べ物を
担当者の方に聞かれたのね。



「自宅近くの大判焼が大好物で
   とにかく甘い物が好きだった」

とお伝えしておいたら
わざわざそのお店まで買いに行ってくださったそう。


細やかなお心遣いがとても嬉しかった!




この大判焼は持ち帰ったのだけど

「なんだか ばぁばから返ってきたみたいだね」

と。


母は自分だけが食べるのではなくて

「みんなと一緒に」

食べるのが好きだったので
家族と食べたかったんだろうな。








最後の最後  これまた母らしく
甘〜く締め括られたのでした。







以下 ちょっと生々しい収骨の話です。

苦手な方はご注意を。






収骨はコロナ対策で近しい5人しか部屋に入れず。

他の家族は少し離れた所から様子を見てました。



私は母の骨の山を見た時  正直

(え? これだけ!?)

と思った。



父も同じように(骨の量が少ない)と感じたよう。



担当の方曰く

「女性で小柄な方はこのくらいなんですよ」

と。




「これはアゴですね」

などと骨の部位を説明していただきながら
1つずつ骨壷に納めました。



母はわりとしっかり骨が残った方だそうで
印象的だったのは耳。


耳の穴がはっきりわかった。



母は耳たぶが大きくて福耳だったのだけど
最後まで  耳は遠くならず
よく聞こえていたのよね。



母が入院していた時
同室の患者さんで声を出してしまう方がいて
その状況さえ  母は

「はーい!」
「〜〜してるわよー」

なんて返事しながら楽しんでいたっけ。



 
そんな思い出   福耳   耳の骨 


これからも思い出しながら
ふふっと笑ってしまうでしょう。