乗客「転覆かと思った」、励まし合い1時間
体が壁に向かって滑っていった――。13日早朝、三重県尾鷲市の沖合を航行中に突然、船体が傾いたフェリー「ありあけ」(7910トン)。乗員乗客計28人のうち、乗客7人と乗員の大半は海上保安庁のヘリコプターなどで救助され、乗員の一部は救命いかだで自力で脱出した。
救助された乗客たちは「沈没すると思った」と表情をこわばらせた。
尾鷲海上保安部(三重県尾鷲市)によると、「ありあけ」には男性6人、女性1人の乗客がいた。
乗客の1人、沖縄県の無職天願栄順(てんがんえいじゅん)さん(51)は寝ていたところ、突然、体が滑っていった。何がなんだかわからず、「船が転覆したのか」と思った。床をはい上がるようにして廊下に出て、ほかの乗客と合流。「客室の窓から外を見ると海面や波がすぐ近くに見えたので、ぞっとした」と声を震わせた。
別の客室で寝ていた鹿児島県湧水町、無職重信全宏(まさひろ)さん(74)も、船が急に傾き、右舷側の壁に転げるように滑り落ちた。部屋の出口は反対側にあり、はい上がろうと蛇のように体をくねらせ、なんとかたどり着いた。「周囲に乗員はいなかった。他の乗客と励まし合いながら約1時間以上待ったが、救助が始まると安心した」と振り返った。
海上保安庁によると、救助のヘリコプターが現場に到着したのは午前7時4分。「ありあけ」の118番通報から、約1時間半が経過していた。フェリーは既に35度にまで傾き、赤く塗装された船底を見せながら、海上を移動していた。
つり上げ救助を行う2人の「機動救難士」が船上に降り立ち、客室から避難してきた乗客たちを屋上デッキに誘導。黄色い救命胴衣を身につけた乗客は寒さを避けるように2人、3人と固まって座って救助を待った。頭からフードをかぶった女性とジーンズ姿の男性2人が同時にワイヤでつり上げられるなどして、午前7時40分ごろまでには、乗客全員が救出された。
フェリーは沿岸近くで大きく傾き、座礁を避け、沖合に船を動かす作業のため、7人の乗員を残して、他の乗員を救出した。しかし、傾きは次第に大きくなり、さらに、船体が海岸付近で座礁。3人が船に搭載されていた救難ボートで脱出し、4人は一時、海に投げ出されたが、海保の救難ボートが救助した。乗船名簿によると、「ありあけ」には、天願さんと重信さんのほかに、軽い打撲で病院に搬送された東京都調布市の松本浩一さん(70)、品川区の男性(30)、宮崎県の男性(25)、川崎市多摩区の男性(40)、神奈川県相模原市の女性(41)が乗っていたという。
(2009年11月13日15時00分 読売新聞)
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大惨事にならなくて本当に良かったです![]()
事件発生が13日早朝ということですが、寝ている間の事件発生ほど怖いものはありませんね![]()
そのような場合は避難が遅れてしまうものですから![]()
それに特にこのような時期の早朝は一日で一番寒くなる時間帯ですから、救助を待つ間、相当に寒かったことでしょう![]()
救助のヘリコプターが事件発生から1時間半後に到着した、というのはこの記事だけでは、果たして迅速であったのか、それとも避難されてしかるべきものなのか、判断しにくいですが、やはり今回の事件に関しても、徹底的に事故原因の追究をしてもらいたいものです![]()
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