ヤシカのハーフ14です。

 

 

前回の無限遠調整から10日近くたってしまいしたが何もしていなかった訳ではありません。

実は3回もテスト撮影をしていまして全て失敗しているのです。

無駄にしたフィルム&現像の費用を悔いて絶望に打ちひしがれていました。

一たび自分には理解し難い想定外のトラブルが発生してしい失敗のスパイラルに陥り絶望の沼にはまり込んでいく姿をこの記事で読んでいただいて笑ってやってください。

さぁ、絶望のデスマーチが始まります。

 

 

まず2回目のテスト撮影のネガです。

まともに写っているコマが殆どありません。

露出計は動いているので私はこの時点でフィルムの巻上げ不良と判断しました。

 

 

フィルム巻上げの動作確認をするために期限切れフィルムを使います。

これからは修理が完成した後の動作確認にこの工程を追加します。

結果巻上げの異常はありませんでした。

 

ということで3回目のテスト撮影を行ったのですが、今度はフィルムの装填に気を遣い過ぎて装填に失敗してしまい撮影後の巻取り時にフィルムが切れてしまいました。

またもや失敗です。

なんか露出計の針の動きが怪しいのですが、光の明暗には反応しているので動いているとは思うのですが…。

 

 

今までのフィルム&現像代の金額を計算してガッカリしながら

4回目のテスト撮影にトライです。

しかし結果は2回目とほぼ同じでした。

 

 

ただ上から5段目のこの位置にこのコマがあることから

フィルムの巻上げがキチンと動作していることが確認できました。

それでは数少ないまともに写っているコマはどんな状態なのでしょうか。

 

 

ウォッ!

なんだこれ、素晴らしい映りをしています。

無限遠の調整をした成果が現れています。

 

 

こちらはピントが少し甘いですが暗い場所での撮影だったのでこの写りなら充分合格です。

特に右はへの中なのでシャッタースピード1/30秒以下で絞りは開放状態ですから立派なもんです。

 

 

なかなかシャープに写っています。

でも黒くなっているのは何故でしょう?

 

 

近接して撮影すると開放値F1.4らしくピントの合っていない周囲がボケます。

しかしこの黒くなるのは何故なんでしょう?

 

 

黒くなった原因を究明するために失敗して視るに堪えないネガフィルムを撮影した順番通りに並べ直してから凝視します。

ネガは反転してるので左右が逆になっています。

そしてどうやら光が少ないとフィルムは白く(色が薄く)なって

光が多くなるとフィルムは黒く(色が濃く)なるようです。

ここまでで私の頭はかなり混乱しているのですが、プリントアウト(画像に)すると光の量も反転します。つまり白黒が反転します(自分で書いていて非常に解りずらいというか混乱します。)

つまりフィルムの映像が明るい時は露出がアンダーで暗い時はオーバー気味になるという事です。

 

 

ですので件の黒い画像の意味は露出がアンダーだということが判りました。

さらに真っ黒けで映像が取り込まれていないということは『そもそもシャッターが開いていない!』という事になるはずです。

 

 

ということで電池を挿入してAUTOの位置に設定して露出計が動作しているのを確認してからシャッターを切ってみるとやはりシャッターが『全く開いていません!』

なんじゃコリャァ?

ワケガワカラン…。

そういえばシャッターの音が「カシャッ!」とか「パシャッ!」ではなくて

「ポシュン⤵」といった情けない音でした。

露出計も常時1/250秒を指しておりたまに/125秒になりますがレンズを太陽に向けても露出計は高速側へ変化しません。

ただ暗くすると低速側に変化します。

マスマスワケガワカラナイ…。

更にはたまに露出計が動かなくなります。

電池室の蓋を少し緩めると復活します。

やっぱり何かが変です。

イッタイナニガワルイノダロウ…。

 
 
念のために電池を外してAUTOの位置に設定したままで露出計が動作しない状態でシャッターを切るとなんと!1/30秒で絞り開放状態で『シャッターは正しく開きました!』
ナニソレ?
モウイヤニナッチャウ⤵⤵⤵
マニュアル状態ではB(開放)からF16まで全て正しく動作します。
以上の事から『露出計に通電されると異常が発生する』と考えられます。
露出計に通電されると書いたのは露出計本体だけではなく電池からの配線系統に問題がある可能性があるからです。
また、露出計とEE機構をリンクする部分の機械的なトラブルであればマニュアル状態での操作にも影響が出るはずです。
それにしても『電池を入れてAUTOにするとシャッターが開かなくなる』という現象は初めてのことです。
実に摩訶不思議です。
 
 

正直3回目のテスト撮影の失敗で今までかかった費用を考えるとこれ以上修理しても黒字にはならなさそうなので諦めてもうジャンクにしてしまおうかとも思ったのですが写りも良好だしマニュアルでB(開放)でもしっかりと動作しているのでもう一度分解してみることにしました。

おそらく今回もシャッターユニット辺りまで分解する事になるだろうと考えるととても気が重たくなりますが⤵⤵⤵

幸いにも部品取りが一台格安で入手できたこともありますのでダメな部品を交換する事が可能になりましたので、まぁいいでしょう。

 

 

まずは軍艦を外します。

そして電池を装填して通電させてから露出計の動きを確認してみましょう。

 

 

ン?露出計本体の針の動きがなんか変だぞ。

 

 
光を当てたら針が左に振れてくれたのだけど、光を遮っても針が右の定位置に戻りません。
 
 
どうやらシャッターボタンを押し込んだ時に針を挟み込むレバーの位置が低いようで針がレバーに引っ掛かってしまって右に戻れないのですね。
本来なら針を挟み込むレバーは矢印の方向にもっと上がっていなければなりません。
だから露出計を太陽に向けても1/250秒を示していたんです。
もっと針が左に動きたくてもレバーに邪魔されて動けなかったようです。
そして光を遮ってから何度かシャッターボタンを押してガシャガシャすると針が低速側に動く(戻る)。だから露出計がまともに動作していると思い込んでしまっていたわけです。
 
 
そこで露出計本体を固定している二本のネジを緩めて露出計を左にズラしてみました。
このネジの穴がバカ穴になっていて露出計本体が左右にズラせるようになっているのですが、一度取り外してしまうと「合わせマーク」を付けておかないと正規の位置がわからなくなります。
ですが…。
そもそも他のメーカーならこんな重要な場所をバカ穴なんかにしませんよ!
そんなことをしたら個体ごとのEE機構の露出値がズレてしまう可能性が出てきてしまいます。
おそらく細かい個々の部品の精度が悪いために露出計本体の歩留まりが悪くなってしまいその制度の差を修正するためにここをバカ穴にして左右に微調整できるようにしてたのではないかと推測するのですが、そんなことをしてしまったら誤差の範囲内で組み立てる工場の作業員さんの加減で数値が変動してしまいます!
そんな人手の手間をかけるのなら個々の部品の精度を上げて歩留まりを良くした方が製造工程での生産性が上がるような気がするのですが…。それよりも当時の人件費の方が安かったんでしょうかねぇ。なんにせよコレがヤシカのクオリティなんでしょうねぇ。
やっぱりこのバカ穴は私にとって鬼門になりました。
 
 
 
精算時にネジの緩み止めに塗布された接着剤の痕を「合わせマーク」にして露出計本体を左にズラしたらなんと針を挟み込むレバーが上がりました。
下の画像と比較してみてください。
 
 
インジケーターの針も光を当てればちゃんと高速(1/500秒以上)で止まります。
 
 
光を遮ればインジケーターの針はしっかりFlush(アンダー)の位置まで動きます。
 
そしてシャッターもキチンと開くようになってしまいました!
しかもインジケーターの針=光の量に連動してシャッター羽根の開度=絞りも変動します。
つまりたったこれだけの事で摩訶不思議な問題は解決してしまった!というわけです。
 
 
次に電池室の蓋を強く締め込むと露出計が動作しなくなる件なのですが、
ハーフ14は電池のプラス・マイナス他のカメラとは逆でマイナスアースになっています。
それが原因となっておそらく電池室の矢印の部分が破損しているため蓋を強く締め込むと電池のプラス側の電極が電池室の蓋に触れてしまい短絡(ショート)していたのではないかと思われます。
これが普通通りプラスアースになっていたら電池の構造上マイナス側の電極が電池室の蓋に触れる事はないんですけどねぇ。
 
 
左は部品取りから拝借した電池室です。
これに対して現在付いている電池室はかなりボロボロになっています。
 
 
ということで部品取りの電池室と現在付いている電池室のプラス側電極を使って程度の良い電池室を組上げます。
 
 
電池室に電線をハンダ付けします。
 
 
電池室を組付けます。
 
 
底蓋を付けて完成です。
案の定、今度は電池室の蓋を強く締め込んでも露出計は通常運転をするようになりました。
露出計本体の取付ネジの緩み止めに接着剤を使ってしまったので軍艦は明日組付けます。
 
既に3回もテスト撮影に失敗している中AUTO時だけシャッターが開かないという摩訶不思議な症状に、過去にオリンパスTRIP35であった『マニュアル時なのに赤ベロが出る』というこれまた摩訶不思議な症状に酷似していたので相当てこずるかもしくは修理不可能なのではないかとビビりまくっていたのですが、いざ蓋を開けてみれば原因は故障というよりも私自身のケアレスミスでした。
なんとも冴えないオチです。
2度目のテスト撮影の時に現像したネガフィルムと真摯に向き合って凝視してネガフィルムが白くなったり黒くなったりした原因を究明していればこれほどの大金を無駄にしなくて済んだのにと悔やまれます。
 
ということで近日中に5回目のテスト撮影をおこないますが、現在もよりもリーズナブルなお値段で現像を承ってくれる業者さんに依頼する予定なので結果は1週間以上先となります。
 
 
 
 
 

 

ヤシカのハーフ14です。

 

 

『特殊な治具でも自作しないかぎり無限遠の調整はできない』と判断して前回の分解修理では手付けずとしましたが、それが仇となりテスト撮影は失敗に終わりました。

こうなってしまっては『治具が…。』なんて言い訳なんて言っていられません、何が何でも無限遠の調整をしなければなりません。

ということで『我ニ策アリ!』とばかりに再度分解をいたします。

 

 

まず、フォーカスリングを外さなければならないのですが構造上前板を外してシャッターユニットまで分解しなければならず、ほぼほぼ全バラです。

えらい面倒くさいです。

 

 

不運な事に何故か前玉が固着していて緩みません。

仕方なく破壊して外します。

とても残念です⤵⤵⤵

 

 

この状態でフォーカスリングの側面にある三本のイモネジを緩めてフォーカスリングを外します。

 

 

すると前板がこのような状態になり金色の真鍮製のヘリコイドリングが見えるようになります。

 

 

フォーカスリングを外せたらシャッターユニットを組付けて再び組上げていきます。

本当に面倒くさくて手間がかかります。

 

 

ピンセットで押さえている真鍮のリングがフォーカスリングと直結する部分なので

このリングを左右に回転させたいのですが、この状態ではプライヤー等で咥えて動かすことはできません。

画像のようにピンセットで押してみても力が足りず全く動かないのです。

ですから何か特殊な治具を作るしかないと考えました。

しかしどんな治具を作ればよいのか見当も付きません。

 

 

そこで禁断の方法に手を出すことにします。

直径0.6mmのドリルを使ってピンバイスでリングに穴を開けます。

私はカメラも時計もバイクも自動車も当時からのままの「オリジナルコンディション」を維持するという事をモットーにしています。

ですからカメラの革も新しい物に貼り替えずオリジナルの革を丁寧に剥がして再使用します。

この私自身のモットーからするとドリルで穴を開けるという行為はオリジナル性を損ねる行為となるため本来なら受け入れられないのですが、事ここに至っては致し方ありません。

やはりカメラは写って映ってなんぼなんですから。

 

ピンバイスはかなり精密な作業に使う工具になります。

ですからアマゾンで売っているような中華製の安物は絶対ダメです!

品質が悪くて精度がゆるいしガタも多くて使い物になりません。

私はタミヤから販売されているピンバイスを買い直しました。

 

 

オリジナル性を極力損ねないように浅く浅く掘ります。

穴というよりも溝や段を付ける感じです。

およそ0.5mmほど掘りました。

 

 

やはり!

これで動画のようにヘリコイドリングをピンセットで動かせるようになりました!

発想の転換、アイデアの勝利、まさに『我ニ策アリ!』です。

 

 

B(開放)で固定するために軍艦を仮組してレリーズを装着します。

あとはいつもの手順で無限遠を確認して調整します。

 

 

と思ったらピントスクリーンが見当たりません!

数時間前にリコーオート35Vの無限遠再調整で使ったばかりなのに⤵⤵⤵

机の上があまりにも散らかっているため短時間での発掘は難しそうです。

だったら仕方がないので再び自作します。

今回は最初にアクリル板を黒く塗ってカッターで線引いた格子が目視できるようにしてから作業をしました。

 

 

 

線を引き終わったら黒い塗装をラッカーシンナーで全部剥がします。

その後黒い塗料で墨入れを行います。

 

 

出来上がりました。

ピントスクリーンMkIIの完成です。

製作にまたもや数時間かかりましたが、紛失や行方不明時に予備があった方がいいと思っていたので納得です。

不毛な捜索活動をするよりもましです。

 

 
ピントスクリーンを養生テープでカメラのフィルム室に貼り付けるのですが、隙間の発生しないようにピッタリと貼り付けなければなりません。
以前ここに隙間が発生してしまい無限遠のピントがズレてしまいました。
ですから動画のようにピントスクリーンを貼り付けた後にプリントスクリーンを指で叩いてみます。
「コンコン」という音がすればO.K.です。
「パコパコ」といった音がしたら隙間があります。

 

 
いつものように無限遠の調整をします。
 
 
いい感じでピントが合いました。
 
 
「合わせマーク」を付けておきます。
これからフォーカスリングを取り付けなければならないのでその間にズレる可能性があります。
 
 
この状態から再びシャッターユニットを取り外すまで分解します。
やれやれです⤵⤵⤵
つまり今回の無限遠の調整の作業工程は
 
① シャッターユニットが外せるまで分解してフォーカスリングを取り外す。
② フォーカスリングを外したら前玉まで仮の状態で組み戻す。
③ 無限遠の調整。
④ 再びシャッターユニットを外すまで分解してフォーカスリングを取り付ける。
⑤ 本組み立てを行う。
 
となりまして途方もなく手間と時間のかかる無限遠の調整作業となります。
「手間のかかる子ほど可愛い」とはいえ、いくらなんでも手間にも限度があると思いますが…。
 
しかし、このカメラは以前に誰かが分解したような跡はない感じがします。
仮に過去に分解されていたとしてもこんな手間のかかる無限遠の調整には手を出さなはずです。
だとすると製造工場出荷時からこのような状態だったような気が…。
 
 
フォーカスリングを取り付けてみたらやはり位置が変わりましたね。
黒い色の中にある線が調整前でピンクの中にある線が調整後です。
 
これ以降の作業は以前投稿した記事で紹介した内容と重複するので割愛いたします。
 
 
何回も何回もバラして組んでの繰り返しにウンザリしてしまい集中力が低下してしまったので本日はもう組立を止めようと思っていたのですが、もう指がこのカメラの構造を憶えてしまったかのように動きサクサクと組み上がって完成してしまいました。
各部を調整しながら動作チックをして問題無ければ再びテスト撮影を行います。
 
当初は『特殊な治具でも自作しないかぎり無限遠の調整はできない』と判断し治具の製作方法などを真剣に考えていたのですが、そういう時に限って全くアイデアは浮かばないものです。
それなのに全く別の作業している最中なのに突然「あっ、そうだ!治具なんかじゃなくてピンセットが引っ掛かる穴をヘリコイドに掘ればイイんじゃね?」と全く違う方向から発想のアイデアが浮かんだりするのですから不思議なものです。
結果につながるアイデアの種となるヒントを頭の引き出しの中にどれだけ持っているかが肝心なのかと思います。

 

リコーのオート35Vです。

 

 

ようやくテスト撮影の続きができました。

今回はヤシカハーフ14とキャノンデミEE17そしてペンタックスSP(測距離用)が同伴しました。

 

フィルムはKodak ColorPlus ASA200

露出計がセレン式なので電池は使いません。

 

前述のように無限遠が若干ズレていますのでご了承ください。

 

 

あら、思ったよりしっかり写っていますね。

最近ハーフサイズカメラの画像ばかり見ていたのでそう感じるのでしょうか。

 

 

 

日陰の部分も黒く潰れずに表現されています。

 

 

こんな細かい植物もそれなりに写っていますね。

 

 

この画像で特筆すべきは車が流れてしまってブレて写っているということです。

この道路を走る車は時速30kmくらいで走るので、その車がブレるという事は

かなりシャッタスピードが遅いのではないでしょうか。

 

 

良い感じで写っていますね。

なんだか他のカメラとは違う表現性を感じます。

 

 

キレキレの解像力

カリカリの描写力

ではないけども良い感じで映っています。

 

 

発色も悪くありません。

 

 

このカメラは日陰に強いのでしょうか。

デミEE17と較べるとかなり違います。

露出計の受光部の違いからきているのかな。

 

 

左側が巣こそボケています。

被写界深度が理解できるかと思います。

 

 

なんか緩いというか、温かい感じがします。

看板のデザインと相まって昭和感が醸し出されています。

 

 

無限遠で撮影しました。

デミEE17ほどのキレはありませんが充分合格点です。

 

 

 

 

文字もそれなりに読めますね。

 

 

 

 

本当になんともいえない良い感じです。

昭和の感じがする映りです。

 

 

コレはちょっと露出がオーバーな感があります。

 

 

 

まぁまぁですね。

 

 

これ、電車の撮影で見事に失敗してしまいました。

それには理由がありまして、走行してくる電車を撮影する時はこのようにシャッタータイミングが遅れて前面が切れないようにハーフシャッター(シャッタボタンを切れる直前まで押しておく)状態にして撮影するのですが、オート35Vの「招き猫型シャッター」ではハーフシャッターの加減が難しくてこのような結果になりました。

招き猫型シャッターはストロークが長いため手ブレを起こす一因になりそうです。

 

 

こちらはシャッターのタイミングはまぁまぁだったのですが、今度はシャッタースピードが遅かったようですね。

最大で1/250秒なのでこうなることは最初から判っていたので無問題です。

 

 

 

 

 

 

影の部分に強いというよりもコントラストが弱いということでしょうか。

 

 

距離1mだったのでフォーカスリングを右に止まるまで回して撮影したのですが

ボケましたね。

やはり無限遠が若干ズレているせいでしょうか。

 

 

これ実際は日陰でかなり暗いんですよ。

ですから絞りが開放に近くなってしまってこのようになってしまったと思います。

取説にあった『大まかなピント調整で大丈夫です。』

というのも状況によると思うのですが。

 

 

 

 

これらは大変良く写っていますがやはりコントラストが少し弱いような感じがします。

 

 

この画像だけコントラストが強いですね露出計が明るい方に向いたんでしょうね。

上手な人こういったことも考えて撮影をされるのでしょうね。

 

 

無限遠の調整が合っていないせいもありますが、お山の絵印がまさか14mとは思っていなかったので全身の絵印が3mですからお山の絵印はいいところ7~10mだろうと想定していたので3m以遠はピントがズレたと思います。

あとコントラストが弱い傾向にあるみたいですね。

それは差し置いてもなかなかの映りであり描写力です。

トリガー式の巻上げレバーにはちょっと癖を感じました。

フィルムを巻き上げる時にいちいちトリガー部を90度回転させて飛び出させなければならず、それが非常に面倒くさいです。なのでトリガーが飛び出した状態にしておくと今度は持ち運びが不便になってしまいます。

後にこのシステムが全く見られなくなったのも頷けます。

 

あとこの年代のカメラは部品数が少なく構造が単純すぎるので格下に見る傾向をたまに散見しますが私はそうは思いません。

構造が単純で部品数が少なくてもしっかりと映るのならば私は万々歳です。

なぜならば構造が単純で部品数が少ない程に故障する確率が下がるからです。

故障の原因が減るのだから当然のことです。

その代表格がオリンパスTRIP35ではないでしょうか。

このリコーオート35Vも見た目だけの張りぼて美人さんではなく映りや描写力といった実力をしっかり持った麗人でした。

 

 

 

 

 

 

 

リコーのオート35Vです。

 

 

何とも言えない独特のフォルムです。

1961年の日本製とは思えない美しいデザインです。

ただ、1961年製となると大分古いのでレンズの性能にいささか疑問があり

写り(映り)の描写力が心配なところです。

 

 

テスト撮影の結果に行く前に一点補足したい事項があります。

それはピントの合わせ方についてです。

画像のようにゾーンフォーカスなのでフォーカスリングに絵印で右から半身(以降Aと表記)、全身(同B)、お山(同C)の三点で距離が表示されているのですが正確な距離が判りません。

ネットである方が実際に撮影して検証した結果ではAは1~1.5mm、Bは3m、

Cは無限遠ということでした。

 

 

私はその方の検証結果に倣ってテスト撮影をしていたのですが、途中雨/曇りの天気が続いてテスト撮影を中断していた時にノートPCの下からなんとオート35Vの取扱説明書が出て来たのです。

 

 

早速ABCの正確な距離が知りたくて調べてみました。

 

 

取説によると

A=1.5m

B=3.2m

C=14m

となっています。何気に中途半端感が出ていますね。

ネットで検証した方は殆ど合っていましたね。凄いですね。

ただ…。

C=14mですか? んんん..., ふつうそこは無限遠になるんじゃないですか?

ですから検証された方もCについては当然のように無限遠と判断されてなにもコメントしていないのでしょう。そりゃそうでしょう!私もそう思います。

それじゃぁ無限遠はどこにあるのさ?

ということで取説を更に読み込んでいくと以下のように書かれていました。

『1.5mよりも近い距離で写す時は焦点調節リングを右へ止まるまでまわしてください。これと逆に、リングを左へ止まるまでまわせば無限遠にピントが合いますから、非常に遠くの被写体にのみに撮影を限定するとき使います。

と書いてありました。

エェ~ッ!絵印のクリックを飛び越えた位置までフォーカスリングを回して撮影するの?

そこが最短距離(おそらく1.0m)と無限遠だって?

そんな使い方ありますか?

いやいやいや、オリンパスペンシリーズやコニカアイシリーズはお山の絵印が無限遠だぞ!

こんな超マイナーな機種でそんな独自のシステムを構築されたら殆どの人がC=無限遠と勘違いするだろうがぁ!

と思わず心の中で突っ込みを入れてしまいました。

しかも取説には更に続きがありまして

『しかし実際の撮影では、絞りは適当にしぼられますからピントの合っている被写体の前後もはっきり写り、大まかなピント調節で大丈夫です。

と書かれています。

そりゃぁ正論だけどもなんだか言い訳のような臭いを感じます。

 

私は先日の無限調整の際にお山の絵印=無限遠と判断して設定してしまっているのでピントがズレることになりますね。

でもその方が使いやすい様な気がするんですが…。

一応オリジナルに倣って無限遠を修正します。

 

もう、時代が時代だからコンナモンって言ってしまえばそうなんでしょうけど…。

このカメラを販売する時にはこの辺りのピント合わせに関する特殊な部分を説明した書類を同封して販売する必要がありますね。

 

 

キャノンのデミEE17です。

 

 

ようやく天気が晴れたので本日テスト撮影を行いました。

同伴したヤシカのハーフ14のテスト撮影結果が散々なものとなってしまい再分解による修理を余儀なくさせられてしまいました。

 

果たしてこちらはどうなるでしょうか。

使用したフイルムはKodak UltraMax ASA400

電池の電圧は挿入時1.562Vでした。

 

 

ウォッ!

初っ端から映えてる!

 

 

無限遠を調整した結果が左の画像にでています。

右側は光と影が混在する状況で撮影してみたのですが暗い部分が黒く潰れている感じはしますが光と影のコントラストはとても良く表現されています。

 

 

露出も合っているようですね。

ただ日陰での撮影になるとこの個体は暗めに表現されるようです。

 

 

コントラストも良いです。

直線的に角ばった物体の写りも良いですね。

 

 

左の針葉樹の葉の写り方が素晴らしいです。

 

 

日陰の部分がかなり暗い様な気がするのですが、奥の日当たりの部分に露出が合っているようなので実際もこんなもんなのでしょうね。

 

 

右の画像はピントを無限遠にして撮影したのですがどうですかこの映り!

私が今までに修理したデミEE17の中で一番シャープな写りです。

無限遠を調整した結果がまさかこんなことになるとは思いませんでした。

 

 

天気が雨の連続でテスト撮影の続きに行けない期間にカメラを机から落としてしまいそのショックで裏蓋が開いてしまいました。

そのためこの後の何枚かの写りに影響が出てしまいました。

 

 

左側ですが文字がクッキリと写っています。

 

 

良いですねぇ~。

 

 

 

飛びました。

 

 

復活です。

 

 

やっぱりコントラストが強すぎるような気が。

 

 

まぁ個体の癖が解れば日陰での撮影の時にASA感度を1~2段階下げればよいだけですから。

 

 

左側の画像に驚かされました!

こんな細かい文字でも拡大すれば読めるほどの解像度です。

今迄これを超える解像度を叩き出したのはオリンパスTRIP35とペンEES-2だけです。

(ペンD3は撮影していませんでした)

デミEE17で両者に肉薄できるようになると思いもしませんでした。

 

 

 

もうこれ以上の説明は不要かと思います。

 

 

大量生産品にとってコストの削減は大変重要な課題だと思います。

コストは販売価格に直結していますから少しでも安く販売するためにはコストの削減しなくてはなりません。

そのような状況下で非常に限られた少ない作業時間でしかも流れ作業で組み立てているのですから『針の穴に糸を通すような』精密さで無限遠の調整なんてやっていられないでしょう。

ですからおそらく『ヘリコイドを締め込んだ状態から約○回転戻し』といったような感じで作業マニュアルには記載されていたのではないでしょうか。

ある程度の許容範囲を持たせていたと思います。

それを今回文明の利器とも云えるデジタルカメラを使いながらかなりの時間をかけてギチギチまでピントを追い込んだわけです。

ひょっとすると本来の性能より向上できたのかもしれません。

 

今回のヤシカハーフ14とキャノンデミE17のテスト撮影では当に『無限遠の調整』の有無で明暗がはっきりとわかれてしまいました。

 

註;以上はあくまで私個人の一方的な考えであり解釈であります。事実とは違ってい

  る可能性があります。

  また一眼レフカメラ用のレンズ等は非常に精緻に作り上げられているため自分で

  無限遠の調整をしてしまうと逆に性能を下げてしまう可能性もあります。