前回の露出計に続き、今回は別の個体のオリンパスPEN-Dです。

 

 

コチラは露出計はとても元気に動いてくれているのですが、シャッターのチャージが出来ません。

フィルム巻上げダイアルを回すと回転が止まる事は無く何回でも回転してしまう状態です。

定点でロックが掛からずに滑っているような感じです。

それ以外は概ね良好のようです。

ファインダーを軽くクリーニングして

レンズの前玉を外して中にある塵ゴミをエアブローするくらいです。

 

 

ここで話題を変えさせていただきます。

工具の話題です。 毛抜きです。

どちらもヤフオクで購入したのですが、左の物が2個で100円で右が1個で500円でした。

カメラの革を貼り付ける作業をすると接着剤が端部からはみ出す事が良くあります。

今までそのはみ出た接着剤をピンセットで除去していたのですが、摘まむ(咥え込む)力が弱くてきれいに完全に除去する事が出来ませんでした。

ですからピンセットのように先細でピンセットより咥え込む力が強大な工具は無いかと探していたらこの先細タイプの毛抜きを見つけました。

ですが…。

最初に左を購入したのですが、う~ん⤵⤵⤵と思う事があって更に右を購入しました。

 

 

う~ん⤵⤵⤵と思ったのが先端部の形状です。

左の安い方は先端部が丸まっています。

しかし右の高い方は先端部が一直線になっています。

 

 

左右の咬み合わせが一致していないし先端が丸くなっているために狙った対象物でピンポイントで摘まむのに問題が起きそうです。

また左右がピンセットのように全体がベタッと全面的に合わさってしまっています。

これだと咬み込む力きちっと先端に伝わるかどうか心配な部分でもあります。

グラインダーで先端部と左右端をグラインダーで削って一直線に面一になるように改造すれば良くなるかもしれませんが…。

 

 

一方右の高い方は先端が面一にスパッと一直線になっています。

左右の咬み合わせも一致しています。

この形状だと左右が先端部のみのピンポイントで咬み合うので非常に細かい作業でもこなしてくれそうです。

パッケージに『先端は手作りで入念に仕上げました』という台詞に非常に魅力を感じて購入したわけです。

と、まぁこの様に『安い物(工具)にはそれなりの理由がある』というわけです。

今回の毛抜きの件で例えると、おそらく安い方でもそれなりに使えるとは思います。

ですが作業効率やパフォーマンスはおそらく高い方より劣るでしょう。

こういった事象からも私は『初心者・素人ほど良い・高い工具を使え』と考えておるのです。

とは云え私は今回初めに安い方を購入しています。

ですが…、一発で自分の身の丈(フィーリング)にあった工具が手に入るとは限りません。

何度かのトライアンドエラーは必須になってしまうかと思ってしまいます。

また…。

最高級品の工具を購入すれば良いとも限りません。

使用用途に合ったそれなりの品質の工具を入手すればよいと思います。

 

 

閑話休題

 

オリンパス PEN-Dに戻ります。

軍艦を外します。

まずはフィルムカウンターの中心にある小さな穴が二つ付いた丸穴をカニ目スパナで緩めます。

このネジは逆ネジですから注意してください。

 

 

フィルム巻き戻しクランクのネジを緩めます。

その後の手順は他の機種と同じです。

 

 

巻き戻しクランクを外すとネジが出てくるので緩めます。

 

 

右側面のネジを緩めます。

 

 

軍艦が外れました。

 

 

露出計を外します。

 

 

フィルム巻上げ機構が見えてきました。

 

 

 

本来ならばこの様に鏡胴から映えている右側の細い銀色のレバーが右端で止まらなければなりません。

 
 

所がフィルム巻上げダイアルを回すとレバーは右端では止まらず元に戻ってしまいます。

つまりレバーを右端迄動かし切れていない。もう少しだけ右にレバーを動かしたいのだけどもストロークが足りていないです。

 

 

フィルム巻上げダイアルとフィルムカウンターを外してしゃたーチャージ機構にアクセスできるようにします。

その後更に分解してアチコチをいじってストロークが伸びないか試してみたのですがどうにも症状が改善しません。

こうなると鏡胴側からアクセスしてみるしかないようです。

キリが良いので今回はここで終了とさせていただきます。

 

 

 

 

カメラではありませんがカメラの修理作業で使っているエアーコンプレッサーが壊れてしまいました!

 

 

数ヶ月位前から動きが怪しくなって挙動不審な感じだったのですが、先日とうとう動かなくなってしまいました。

アレヤコレヤとしているうちに再び動くようになったのですが、今度は圧力が一定の圧力になっても止まらなくなってしまいました。

こうなってしまうと圧力が高くなり過ぎて何処かが破損してしまう可能性がありますし、ポンプ部が過熱してオーバーヒートして焼き付いてしまう可能性が濃厚になります。

いちいち主導でON/OFFするのも大変面倒くさいです。

 

 

エアーコンプレッサーはレンズの清掃時のエアブローやカメラのモルト交換の時に旧いモルトのカスを除去するのに使います。

コンプレッサーがなくても画像のハンドブロワーを使えば良いのかもしれませんが私はハンドブロワーが嫌いなのでエアーコンプレッサーが無いと死活問題になってしまいます。

 

 

どう考えても使ってみてもこちらのブロワーの方が格段に便利です。

まぁ、5年前位に15,000円くらいでamazonで新品購入した格安の中華製でしょうから5年も壊れずに働いてくれたのですから立派と言えば立派です。

普通だったら2~3年といった感じかと思います。

 

 

さて、ネットで故障の原因を調べてみると『圧力スイッチ』という部分が壊れると件の症状が発生するようです。

圧力スイッチの寿命は大体3年くらいのだそうなので、まぁ良く頑張ってくれた方でしょう。

ネットで圧力スイッチ単体の値段を調べると大体1,500円程度と安いので自分で交換する事にしました。

 

 

ところが、いざ作業してみると各部ナットやネジの締め付けが異常な程までに固くてなかなか緩みません。

圧力スイッチ本体をエアーコンプレッサーのタンクから取り外そうとすると全く緩みません。

恐らくエアー漏れ防止に使っているコーキング剤というか接着剤のような物がナットやネジを必要以上に固着させているみたいです。

仕方ないのでパイプレンチを使ってプラスチックハンマーで叩いて圧力スイッチを緩めようとしたのですがビクともしません!

 

 

仕方がないのでコノ大型の超鉄ハンマーで何回もガンガン叩いてこの季節に汗ダクになりながらパイプレンチで叩いたらようやく何とか緩みだしました。

コンナに頑強に固着したネジは人生で初めてです。

過去ではホンダS800という旧車エンジンのフライホイール固定しているボルトが一番固かったのですが、今回はそれを上回る感じがします。

因みにホンダS800のフライホイールのボルトは渾身の力を込めまして、緩む瞬間に『パキン!』というとてつもない甲高い音がしたのです。

心配になって取り外したボルトを入念にチェックしたのですがボルトは無傷でした。

そして何の気も無しにふとソケットレンチのソケットに目をやると『パックリと割れて』いました。

あの甲高い音の原因はソケットが割れる音だったんですね。この事を理解した瞬間正直恐怖しました。

しかし…。

自身がパックリ割れてもボルトを無傷で緩めてくれるソケットなんて本当に神です。

流石これがスナップオンクオリィティなんだと、恐怖の次は感動でゾクゾクしてしまいました。

その後割れたソケットは勿論無料で交換してもらいました。

ですから私は素人・アマチュアこそ一流の高級工具を使え!と訴えたいのです。

技術・テクニックの拙さを高級工具がカバーしてくれます。

 

 

話が逸れてしまいましたが、取り外した圧力スイッチはパイプレンチで強引に咥え込んで超大型ハンマーで叩いたたため加えた部分が傷だらけになっています。

いかに強大なトルク(インパクト・ショック)で緩めたかが察することが出来ると思います。

 

 

新しく取り付けた圧力スイッチのおかげでエアコンプレッサーは通常運転できるようになりました。

画像の圧力スイッチが斜めになっていますが、コレは圧力スイッチ本体を締め込んでから他のナットやネジを締め込んでいたら圧力スイッチ本体が緩める方向に回転させてしまったため増し締めしたからです。

シーリングテープを使っている場合は一度締め込んだら絶対に緩めたら駄目です。

現在ネジやナットの締め込みが若干緩かったらしく一晩経つと圧力がゼロになってしまいます。

しかし、今回ネジやナットを緩めるのにあんなに苦労した訳ですから多少のエアー漏れがあったとしても過度に締め込みたくはありません。

とにかくこれでこれからも通常の修理作業が出来ます。

 

 

 

あくまで私個人の感覚なのですが、巷間ではセレンを電源とするセレン式露出計はあまり評判が良くなくて、cds素子等の光センサを使った電池式の露出計の方が優れていると云われています。

事実セレン式の露出計の上位互換として電池式の露出計が開発された訳ですからその通りなんでしょう。

しかし、電池式露出計は電池を使用し続けていると徐々に電圧が下がって行くので露出計の数値が狂って来ます。(SR44等のようなタイプの電池はほぼ最後まで電圧が下がりににくいタイプもあります)

その点セレン式露出計は電池を電源に使っていませんからそういった心配はありませんし電池交換の必要も無くなりますから、取扱的には非常に便利というか容易になります。

ということで…。

 

 

オリンパスのPEN-Dです。

これを修理してからテスト撮影を行いセレン式露出計の良否や精度のような物を確かめたいと思います。

 

 

今回は二台を修理します。

まずこちらの一台は露出計は光に反応して動いており精度もほぼホボO.K.のようです。

しかしシャッターがチャージされません。

 

 

そしてもう一台の方は露出計が動きません。

セレン素子が劣化して動かない=死んでいます。

これがセレン式露出計の評判が良くないというかネガティブに思われる要因です。

死んでしまったセレンは復活させることが出来ません。

ネットなどで百均ショップで売られている電卓の電源である太陽電池に交換している方がいますが、出力特性が違うため露出計の精度が怪しくなってしまうでしょう。

さて、

右側の露出計はセレンが死んでいます。

上の露出計は出力が弱いのか針も動きが非常に鈍いです。

そして左の露出計はキチンと動いているのですが指針の値が上記のPEN-Dよりも二段階ほど低いです。

 

 

ですが左の露出計の受光部のスクリーンがやたらと薄茶色に濁っています。

右側の死んでる露出計は非常にクリアな感じです。

そこで左側の濁ったスクリーンを取り外してみると案の定指針の値が二段階上がりました。

 

 

更に左側の露出計本体は塗装面の下地の金属が腐食しているようで見栄えが非常に悪いです。

そこで、

左の露出計のセレン素子を右の死んだ露出計に移植します。

 

 

黒い線の方は左下の青い線とハンダ付けされているのですが、赤い線は結線上ハンダ部から取り外すのが難しいので途中で切断しました。

 

 

この様にハンダ付けをして移植しました。

 

 

ハンダ付けした部分は、黒い線の方は熱収縮チューブで絶縁します。

 

 

赤い線の方はこの液体ゴムを塗布して絶縁しました。

 

 

さぁ、露出計を組上げようと思って見ていたらファインダー部の蓋がベコベコになってますね。

どうやら一度分解されているようですね。

そういえば軍艦を取付けるネジも緩かったですね。

 

 

ファインダーの清掃の前に露出計のセレン素子を組上げます。

 

 

セレン素子がハマる網のような枠なんですが、良く見るとこれには上下の向きがありました。

分解時にその事に気付かずにバラしてしまったため、上下の向きが判らなくなってしまいました。

これの上下を間違えるとセレン素子への光の当たり方が変わってしまって指針の動きが違ってくると思います。

仕方ないので3個の露出計の中の最後の一個を分解して上下を確認しました。

画像の向きが正しいです。

それとこの枠の前に入る受光部のスクリーンもクリアな物に交換して挿入します。

 

 

長過ぎる配線を抵抗やコンデンサのような物と一緒に纏めます。

本当はもっと違う形でキチンと纏まっていたのですが、そのオリジナルの状態を画像で記録していなかったので判らなくなってしまいました。

最初は違う状態に配線を無理やりに纏め上げたらメーターが動かなくなってしまいました。

更にセレン素子のマイナス側のハンダ付けされ部分の配線が切れてしまい再ハンダ付けをしました。それでもメーターの動きが不安定なためプラス側の配線も再ハンダ付けしました。

コレで何とかメーターの動きが元に戻ったので今回は無理のないように優しく纏め上げました。

 

 

どうやら後期型は画像のようにファインダー側の側板に小さな基板が付いていてそこに抵抗やコンデンサが付いています。

 

 

配線はしっかりと固定する必要は無いのでラッカーテープで仮止めのような感じで固定しておきます。

 

 

セレン素子が纏まったらファインダーの清掃に取り掛かります。

 

 

ファインダーの蓋は画像の左側のようにベコベコに歪んでいるので右側の良品と交換します。

組立て上げてしまえば見えない目の届かない部分なので交換する必要は無いのかも知れませんが、良品の予備部品があるのだから交換してあげたいです。

 

 

清掃が終わって蓋をしました。

 

 

塗装が剥がれている部分があるのでこれれらをタッチアップします。

 

 

まずは下地の金属と塗料の密着背をアップさせるためプライマーを塗ります。

 

 

プライマーをしばらく乾燥させてからセミグロスブラック(半艶消し黒)の塗料でタッチアップしていきます。

 

 

今回のタッチアップは筆ではなく製図用の烏口を使います。

塗布すると云うよりも「塗料を乗せていく」感じで作業します。

 

 

 

タッチアップには成功しましたが、角部などは気休めにしかならないでしょう。

直ぐ剥がれてしまうと思います。

 

以上で露出計の修理は完了です。

結局、精度的にはもう一台のPEN-Dと較べて-1EV、セコニックの露出計と較べて-2EVといった感じですがまぁ誤差の範囲といった感じでしょう。

この露出計は別のPEN-Dで使います。

その際にちょっとした改造を企画していますがそれはまた後の記事にて紹介していきます。

 

 

 

ヤシカのLynx-14です。

 

 

とてつもない大口径レンズを持つレンジファインダーカメラです。

ヤシカクオリティと揶揄しながら修理に手間取りながらもこのカメラに限って私はかなり気に入っております。

それは写り、映りがとても良いからです。

今回のテスト撮影の結果も当にその通りとなりました。

ただ一点、今回のテスト撮影では意外な結果というか、かなりユニークなデータが取れました。

 

今回使用したフイルムはKodak UltraMax ASA400

電池の電圧は1.506Vでした。

 

 

最初はいつもの窓からの撮影です。

ハーフサイズではなく35mmのフルサイズのせいもあるかもしれませんが素晴らしいクォリティです。

映り特に色味がとても良い感じがします。

 

パッと見にはいつもと変わらない感じなのですが、この撮影で問題が発生しました。

これは朝の8時過ぎの撮影だったため逆光気味になっていたのですが、Lynx-14の露出計のメータではシャッタースピード1/500秒にして絞りをF16にしても2絞りくらいオーバー(光が多すぎ)と示されてました。

 

 

しかしセコニックの単独露出計L-188では1/500秒でF8-F11の間と示されています。

 

 

そして同じくセコニックのマイクロリーダーでは1/500秒でF16-F22の間を示していました。

この二つの露出計の数値の違いは個人的には受光する入射角の違いからくるのではないかと思い込んでいるのですが、今までテスト撮影してきた経験上この窓からの撮影では1/250または1/500秒でF8~F16の範囲に収まるはずです。

ですので敢えて1/500秒F16にセットして撮影に挑戦してみました。

その結果が上記の画像でしてとても素晴らしい写り、映りでした。

露出的には問題なかったようです。

 

 

ということはLynx-14の露出計が狂っているのでしょうか?

念のため二つのセコニックの単独距離計を同伴させることにしたのですが、このような暗い場所の数値は概ね一致していました。

 

 

またこのような状況でも露出はバッチリ合っていまいた。

 

 

コチラも露出は合っていました。

では先刻の露出計の動きはったい何だったのでしょう?

それにしてもとてもシャープな解像度です。

 

 

とここで再び問題が発生しました!

またもやLynx-14の露出計のメーターが振り切れてしまいました。

ココである事にきづきました。

逆光です。どうやら露出計は逆光に過敏に反応しているようです。

という事でこちらもワザと1/500秒絞りF16で撮影してみました。

その時点では現像した結果で判断ができると思っていましたが、結果はご覧の通りです。

中心部が若干白く飛んでいるようですが概ね良好です。

 

 

 

 

 

 

 

 

この辺は全く文句の付け所がありません。

素晴らしいの一言です。

 

 

さて、ここで商店街を撮影してみたのですが…。

コチラは順光の状態で。

 

 

向き直って逆光の状態で撮影しようとしたら見事に露出計のメーターが振り切れてしまいました。

そこで歩道の影の部分を大幅に取り入れる事によって調整をしたらこんな感じになりました。

 

 

コチラも当初は反対向き(右方向から)で撮影しようと思ったのですが逆光が余りにも酷くて向き直って撮影しています。

 

 

 

 

コチラもいつもは反対向きで撮影しているのですが逆光に反応してメーターが振り切れてしまうので向き直って順光にして被写界深度を確認するために距離を3mに固定して撮影しました。

絞りはF16です。

 

 

この画像だけ白く露出オーバーしたように映っているのですが、この時の状態を記憶しておりません。

基本的に建物の影になっているので露出オーバーにはなりにくいと思うのですが…。

 

 

 

 

 

光と影のコントラストも鮮やかに映っています。

露出計が狂っていたらこんな風に映えないのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

安定しています。

 

 

これも露出計が少しオーバーを示していたのですが無視して撮影しました。

そしたらこの様に素晴らしい結果になりました!

ヤシカLynx-14ってこんなにシャープに映るんだったっけかなぁ。

 

 

コレは逆光気味で明らかに露出がオーバーしてますね。

 

 

一番奥に東京湾がありまして貨物船が写っているのが見えるでしょうか?

 

Lynx-14ってこんなにも美しくシャープに写る、映るんだったっけ?

と不思議に思い過去に3台テスト撮影した画像を見直してみたら全て似たような写り、映りをしていました。

恐らく修理時にヤシカクオリティに悩まされ散々な思いをさせられていたためにテスト撮影時も気分が⤵⤵⤵になっていたためではないでようか。

この写りの良さには大口径のレンズが貢献しているのでしょうか。

そうであればまさに『目玉のおやじ』の面目躍如ですね。

 

露出計が逆光に過敏に反応するという点はそれ程問題にならないと思います。

そもそも逆光で撮影する事に問題がありますし、フィルムをASA100とかにすればカバーできるのではないかと思います。

むしろ鈍感な方が問題になるのではないかと思います。

あともう一つ気付いたことがあります。

今回の個体は程度が異常とも思えるほど程度が良く露出計の配線周りの電線や接点やハンダ付け部分等に腐食や劣化が全くありませんでした。

このため腐食や劣化による電圧降下が起きておらず1.5Vの電圧では高すぎたのかもしれません。

 

とはいえこれ程極上のヤシカLynx-14の個体は滅多に出てこないと思います。

ヤシカクオリティに悩まされて修理作業を散々に悩まされますが私はLynx-14が大好きです。

 

ヤシカLynx-14の続きです。

 

 

何回見ても非常に大きなレンズ(目玉)です。

 

 

前玉に較べて小さくなる後玉レンズですら上下がフィルムの画角からっカットされる程の大口径レンズです。

 

 

今回はファインダーと蓋を接着するという感じではなく、角の二カ所に外側に点状にエポキシ接着剤を盛り付けることによって双方を固定しました。

こうしておけば将来再び分解する必要が発生した時に比較的簡単に蓋を取ることが出来るでしょう。

 

 

そして革を貼り付けます。

今回は革を剥がす必要性が全くありませんでした。

全くもってとんだ骨折り損です。

そもそもLynx-14の革は薄くて脆弱で使用されている接着剤もが非常に強固で革を剥がすのが非常に難しいです。(各種ミラーに使われている接着剤は剥がれやすいのに...)

このため革に穴を開けてしまったり切れ目を入れてしまったり、カメラ側に革の一部が残ってしまい更に薄くなったりとかなり危険な状態にしてしまいました。

 

 

ですが新たな接着剤を使って上手に貼り直しをしてやれば革の穴や切れ目は目視で発見する事は出来なくなります。

ある程度時間が経過したら有機溶剤を使ってはみ出した接着剤を除去します。

 

 

 

また、革を剥がした時にボディの塗装の一部を剥がしてしまいました。

タッチアップする必要があります。

 

 

 

最初に金属と塗膜の密着性をげるために下地としてプライマーを塗ります。

私はガイアノーツのマルチプライマーを使っています。

プライマー塗布後に乾燥したらセミグロスブラック(半艶消黒)を塗布します。

塗料には乾燥を遅らせるリターダーを添加します。

これにより筆塗時に起こりがちなかった筆ムラを無くなるようにします。

塗料の乾燥のため一晩放置しました。

 

 

こんな稚拙なタッチアップでは新品の商品だと一目で違和感を感じてしまいますが、50年以上経過した中古品だと全く違和感がありません。

 

 

軍艦を載せる前にフィルムカウンターがちゃんと動くかどうか確認します。

修理が終わって『やったぁ、完成だ!』って思ったのにフィルムカウンターが動いていなくて再修理になる事が多々あるためです。

 

 

確認ができたらカウンターのインジケーターを取り付けます。

取付ネジには念のため緩み止めの接着剤を塗布しておきます。

 

 

軍艦が載りました。

 

 

フィルムの巻上げと巻き戻しレバーを取り付けて完成です。

 

本当はもう一手間の作業として露出計に流れる電気の接点をクリーニングして接触不良を解消(減少)させようと思ったのですが、通電して動作確認をしたらとてもスムーズに針が動いたので現状で無問題ということでこれにて完了です。

 

組上げてから改めて全体を眺めてみると、やはり非常に程度の良い個体です。

いままで約10台のLynx-14を分解してきましたが今回の個体が段違いに美しいです。