キヤノンのニューキャノネットQL17-Lです。

 

 

前回はオタクなウンチクをたらたらと書き綴っていたら意外にも長文となってしまって修理の事については全く書けませんでした。

今回から修理編となります。

 

 

本機は外観の程度はかなり良く、露出計も正常に動いています。

レンズは前玉に少々カビが生えていますが簡単に除去できそうです。

こりゃ案外チョロいなと思っていたのですがフィルム室を見たらフィルムレール部の周辺が激しく腐蝕しています。

これではもうどうにもなりません。

 

 

そこで部品取り機をもう一台入手しようと思って安く入手できそうなジャンク品を探していたのですが、なかなか掘り出し物が出てこないので根気強く物色していたのですがナ、ナントこの数ヶ月でキャノネットQL17-Lの相場が急激に上がってしまったのです。

春ごろまでは1,000円台で落札・入手できたのですが、最近では3,000円以上モノによっては8,000円近くしてしまいます。

GIIIの相場の高騰が凄すぎて高価になってしまったのでコチラにシフトしてきたのでしょうか。

そんなこんなでようやくメルカリで2,400円(送料込み)で購入できました。

届いてみてよく見たらなんとフィルム巻き戻しダイアルのノブが付いていません!

今まで気付きませんでした。

そして軍艦左角が擦れ過ぎて地金が露出しています。

 

 

そして軍艦の一部が凹んでいたり傷が付いていたりネジが付いていなかったり

そのほか各角部も地金が露出しています。

 

 

しかしフィルム室は非常に綺麗です。

後玉にカビのようなものがはっせいしています。

でも露出計はかなり正確に動いているのでこのボディを使ってニコイチにしてまともな状態に戻していきます。

 

 

フィルム室の状態をチェックしていると後玉のレンズが何か変な感じがしたので外してチェックしてみると、薄っすらと全面にカビが蔓延していました。

もう一台の部品取り機の後玉の方が目視では程度良さそうだったので交換しましょう。

 

 

と思ったのですが…。

青色LEDを照らしてみるとこちらも似たり寄ったりでした。

仕方ないので両方をそれぞれ分解して清掃してみます。

 

 

後玉を分解して清掃を行ったのですがあまり進歩がありませんでした。

 

 

随分昔に修理に失敗したGIIIの後玉はどうかと外してみたのですが、こちらはもっと酷かったです。

どうもカビではないようですね。

後玉のフィルム室側に面している手前側のレンズの表面が劣化してカビに見えるようなクモリのようなものが発生しているとでも表現すれば良いのでしょうか…。

 

 

蛍光灯の灯では全く問題無い様に見えるようになったのですが…。

 

 

青色LEDの灯だと前面にクモリのようなものが見えます。

困りました…。

過去のテスト撮影の経験・結果からでは撮影した画像への影響は(私の感じでは)全く影響なかったように感じました。

ただ逆光の時のフレアの出方とかには影響がありそうな気がします。

 

ヤフオクに安くて程度の良いジャンクな部品取りが出品されると良いのですが…。

このレンズのクモリの有無は画像では確認できないし、出品者様も気付かないでしょう…。

 

取り敢えずこの件は保留にして先に進みます。

 

気分が萎えてしまったので本日はここまでとします。

 

オリンパスのPEN-Dのテスト撮影を行いたいのですが、天候があまり良くない日が続いているため別のカメラを手掛けます。

 

 

キヤノンのニューキャノネットQL17-Lです。

 

 

キャノネットのQL17と云えば現在最後期型の『GIII』が大人気ですね。

(画像はQL19 GIIIです)

ヤフオクでの落札相場もここ数年で爆上がりしています。

なんといっても『G-III』の赤いエンブレムがカッコイイし魅力的です。

私のように昭和生まれの男の子にとっては『赤いエンブレム』というものには特別な思い入れを抱いてしまいます。

古くはプリンススカイライン2000GTBの赤いエンブレム

そしてあの日産スカイラインGT-Rの赤いエンブレム

究極はアニメ機動戦士ガンダムで登場する赤い彗星のシャァ専用ザク』ですね。

これらの影響から『赤』は特別、『赤』は上位互換・超高性能バージョンといったイメージが刷り込まれてしまっているような感があります。

『赤い』というのは特別なイメージがあります。

それに理屈抜きで『赤いエンブレム』はカッコイイですよね!

でもね…。

キャノネットに関しては『赤くなくてもイイんです!』よ。

キャノネットGIIIの赤いエンブレムは特別とか上位互換とか高性能バージョンといった意味合いは全く無くただのマイナーチェンジのためのブラッシュアップ『お飾り』のような物です。

 

 

キャノネットQL17には4種類のタイプが存在しました。

まず1965年3月に発売されたQL17です。キャノネットSをベースにQL機構を組み込んだタイプでレンズは45mm F1.7でした。

このQL17はボディサイズが大きく重量も重たい物でした。

コレが第一世代と呼ばれています。

(画像はキャノネットSです)

 

 

そして次の第二世代となるニューキャノネットQL17が1969年7月に発売されます。

レンズは40mm F1.7となります。

 

 

更に1970年6月にバッテリーチェックボタンが付いたニューキャノネットQL17-Lが

発売されました。

 

 

そして第三世代のキャノネットとして1972年3月にQL17GIIIが発売されました。

(画像はQL19 GIIIです)

つまりGIIIの意味は3rd generation = 第三世代という意味です。

GT-Rのようなスペシャルエディションといった意味合いは全くありません。

第二世代との違いもバッテリーチェックが指針式からライト点灯式に変わっただけで他は何も違いはありません。

むしろライトの電球が玉切れしてしまったら現在では入手がちょっと難しいし、修理も面倒なものになります。

性能的には第二世代と全く変わっていないそうです。

むしろ第三世代のGIIIはコストダウンのためにそれ以前のモデルよりも品質が落ちているとの噂があります。

赤いエンブレムを付けてイメージチェンジ、ブラッシュアップをしただけに過ぎません。

 

以上のような事柄から最近相場が異常に高騰したQL17GIIIを購入するよりも価格が安定している第二世代のQL17-L辺りを購入した方がオススメとなります。

Q17GIIIではなく敢えて『俺は事情を知ってるゼ』的に通ぶって下位互換と思われているQL17-Lを所有するのもお洒落かと思われます。

とはいえQL17-Lも今年の春辺りの相場と較べると現在かなり高騰してきています。

やはり私と同じようにこういったカラクリに気付いてお手頃なQL17-Lに食指を伸ばす人が増えてきているのではないでしょうか。

お手頃価格で入手するなら今がオススメでしょう。

 

 

オリンパスのPEN-Dです。

 

 

今回はまずこの部品取り機で無限遠のピント調整が出来るかどうかリハーサルをして成功したら対象の個体で本番に挑戦します。

 

 

こちらはかなりピントが合っていません。

どうやら現在の無限遠の位置よりもさらに奥(左回転)に正しいピントがあるようです。

 

 

フォーカスリングとヘリコイドリングを連結している3本のイモネジを緩めて連結を開放してヘリコイドリングは動かさずフォーカスリングだけ近距離の位置(右回転)に動かします。

そして2本のネジを締め込んで再び両者を連結して無限遠方向(左回転)させます。

 

 

新しい無限遠の位置ではちょっと奥に行き過ぎてたので戻して(右回転)ベストな位置を見つけます。

画像のようにピントを詰めることができました。

以前とはピントがまるで違います。

ここで再びイモネジを緩めて連結を開放してフォーカスリングだけを左回転させて無限遠の位置に合わせてからイモネジを締め込んでフォーカスリングとヘリコイドリングを連結させて完成です。

ヨシ!できましたね。

それでは本番に行きましょう。

 

 

再び軍艦と露出計を数します。

革を剥がして前板を外します。

 

 

この状態で無限遠のピント調整を行います。

 

 

ここまでピントを追い詰めることが出来ました。

 

 

調整前のピントはこんな感じでした。

較べると違いがハッキリと判ります。

 

ここから先の組み立ては(その3)と全く同じなので被ってしまうために省略します。

 

今回のPEN-Dのオリジナル状態での無限遠のピントはかなり精確でした。

再調整の必要が無いレベルでした。

ゾーンフォーカス式のハーフサイズカメラとなれば低コストで大量生産し薄利多売となるでしょから、生産ラインで無限遠の微調整なんてしていたらたまったものではないでしょう。

当時であればオートコリメーターを使うか専用治具をあしらったフォーカススクリーンを使って作業をするのでしょうからかなりの時間と手間がかかるでしょうし専用工具のコストもバカになりません。

おそらく『ヘリコイドリングを○○迄締め込んでから何分の一回転戻し』なんて感じで作業マニュアルとかに書いてあってそれに倣って作業をしていたのではないかと思います。

 

私が行っているデジタルカメラを使って無限遠のピント調整を行う方法は正確な方法かどうかについては、ちょっと不安な部分もあります。

フィルムの厚さやフィルムとフィルム室の隙間とかの分が含まれていません。

ただ、オリジナル状態であれだけピントがズレているのですから調整するに越したことはないと思います。

 

何にせよオリンパスは当時かなり精密に製造していたのではないかと思われます。

 

次回はいよいよテスト撮影の結果発表となります。

 

 

オリンパスのPEN-Dです。

二台の良い部分を合成して一台を完成させました。

早速テスト撮影に行きたいのですが、その前にもう一つやっておきたい事があります。

 

 

オリンパスは過去にPEN-D3、TRIP35、PEN EES-2の機種を修理してテスト撮影してきました。

これらの機種の写り・映りはとても素晴らしくカミソリのようなシャープな描写力は他メーカーのカメラより群を抜いているのではないかと思われます。

そんなことからPEN-Dの無限遠のピントはどうなっているのか検証してみたくなりました。

今までの経験からゾーンフォーカスのカメラの無限遠のピントは全て合っていませんでした。

そしてそのピントの合っていない無限遠を独自に調整してピントを合わせると撮影した画像の画質が必ず向上しました。

この事から『ひょとしたらオリンパスの魅力的な写り・映りの良さの一因に無限遠のピントが合っているからではないのか?』との推測が沸き上がり検証してみることにしました。

果たしてPEN-Dの無限遠のピントはどうなっているのでしょうか。

 

 

いつものようにピントスクリーンをフィルム室にセットします。

 

 

ここである事が発覚します。

オリンパスのPENシリーズはフィルム室の蓋に三脚を取付けるネジ穴があります。

このためフィルム室を開けた状態では三脚を装着できません。

仕方がないので三脚の代わりにティッシュペーパーの箱で高さを調整します。

 

 

そんなこんなで何とか撮影に成功した画像がコレです。。

かなりピントは合っているようですね。今まで無限遠のピント確認した中では一番良いのではないでしょうか。

かなり良いですね。このままでも良さそうです。

でも…。

う~ん、もう少し詰められそうですね。

やってみるか!

 

 

画像の茶色っぽい部分がフォーカスリングのようです。

そしてイモネジが見えます。おそらく120度間隔で3個あるでしょう。

これらにアクセスできれば無限遠のピント調整は出来そうなんですが…。

この画像だけでは何とも判断できません。

 

 

数年前にある部品を紛失してしまって修理が出来なくなってしまった個体を勉強用に全部バラしたことがあります。

先ずはその中にあったフォーカスリングを取り出してディティールをチェックします。

 

 

ハーフサイズカメラにしてはかなり重厚感のある精巧な造りのフォーカスリングです。

 

 

想像通り120度間隔でイモネジ3個でフォーカスリングは固定されています。

 

 

フォーカスリングを覆っているカバーのような距離表示は前板のような構造になっていて革を剥がせば簡単に取り外せそうです。

 

 

部品取り用の個体でフォーカスリングにアクセスできるかどうかの確認のリハーサルを行います。

まず革を剥がします。

 

 

前板のような物を取り外します。

思ったよりもフォーカスリングは奥にありますね。

これだとちょっとドライバーが届かないかな…。

 

 

上はまぁ当然アクセスできます。

 

 

右下です。

なんとか届きそうです。

 

 

左下です。

こちらも何とかドライバーが届きそうです。

ドライバーがかなり斜めになってしまいますが取り外すのではなく緩めるだけなのでなんとかなりそうです。

 

 

フォーカスリング単体でイモネジを全て緩めてフォーカスリングとヘリコイドを分割して位置をずらせるかどうか確認してみたのですが、位置をずらすことは可能でした。

 

 

ただ、この状態でだとイモネジを緩めたり締めたりすることは出来るのですがヘリコイドに触れる事は一切できません。

つまりケガキ針で現状の元々の位置をマークする事が出来ません。

フォーカスリング単体では何とか位置をずらす事は可能でしたが、この状態で可能かどうかは何とも言えません。

かなり怪しいです。

まずはこの部品取りで可能かどうかリハーサルで練習してみます。

 

今回はここまでとなります。

 

 

 

 

 

オリンパスのPEN-Dです。

 

 

シャッターチャージ不良で前回は軍艦部から不具合ヶ所を探したのですが見当たりませんでした。

そこで今回は鏡胴部の方から不具合ヶ所を探してみます。

 

 

銘板を外します。

 

 

3本のネジを緩めてシャッタースピードと絞りのリングダイアルを外します。

 

 

菊ナットを緩めて外します。

 

 

シャッタースピード調節リングを外します。

この時にクリック用のスチールボールとコイルスプリングを紛失しないように注意します。

 

 

シャッターチャージ機構にアクセスできました。

外周のリングが現在問題になっている右端で止まらないレバーです。

 

 

こんな形状です。

 

 

いろいろと調べてみたのですが原因が解りません。

仕方ないので部品取り用も分解して違いを探してみました。

すると…。

 

 

この直径2mmにも満たないような小さなリングがある場所に付いていませんでした。

 

 

鏡胴部の外周部真上よりもやや右にあるレバーの隣にあるボッチの部分にこのリングが付いています。

 

 

上記画像は拡大図となります。

ここで思い出しました!

この個体は数年前に私が修理分解に挑戦して不覚にもこの極小リングを紛失してしまい、修理を断念したのでした。

 

 

このようにリングをボッチにハメるとレバーがしっかり当たるようになりました!

これがストローク不足の原因でした。

 

 

という事で仮組をしてシャッターチャージの動作を確認したのですが…。

未だに1/2の確率でシャッターチャージミスが発生します。

さて…。

こうなると原因が判明しません。

そういうことならこれ以上原因究明のために更なる時間を費やして修理を続けるよりも、シャッターチャージが正常に動いている部品取りの方の個体の方を母体としてこの個体の良い優良な部品である露出計や前玉等を部品取りに移植する事で一台を組上げた方が手っ取り早そうす。

 

 

絞りとシャッタースピードリングダイアルを3本のネジで締め付けて取付けます。

 

 

当初この個体を部品取りに用に決めたのはこの前玉の傷です。

これでは使い物になりません。

 

 

なので元の個体の方から前玉を移植します。

 

 

銘板を取付けます。

 

 

露出計も元の個体から移植して取り付けます。

 

 

モルトを貼り替えます。

 

 

軍艦を載せます。

 

 

これで完成です。

 

完成はしましたがまだテスト撮影は出来ません。

最後にもう一つだけ確認したい事があります。

それは無限遠でのピント具合です。

次回はかなり濃い内容の記事になると思います。