あくまで私個人の感覚なのですが、巷間ではセレンを電源とするセレン式露出計はあまり評判が良くなくて、cds素子等の光センサを使った電池式の露出計の方が優れていると云われています。
事実セレン式の露出計の上位互換として電池式の露出計が開発された訳ですからその通りなんでしょう。
しかし、電池式露出計は電池を使用し続けていると徐々に電圧が下がって行くので露出計の数値が狂って来ます。(SR44等のようなタイプの電池はほぼ最後まで電圧が下がりににくいタイプもあります)
その点セレン式露出計は電池を電源に使っていませんからそういった心配はありませんし電池交換の必要も無くなりますから、取扱的には非常に便利というか容易になります。
ということで…。
オリンパスのPEN-Dです。
これを修理してからテスト撮影を行いセレン式露出計の良否や精度のような物を確かめたいと思います。
今回は二台を修理します。
まずこちらの一台は露出計は光に反応して動いており精度もほぼホボO.K.のようです。
しかしシャッターがチャージされません。
そしてもう一台の方は露出計が動きません。
セレン素子が劣化して動かない=死んでいます。
これがセレン式露出計の評判が良くないというかネガティブに思われる要因です。
死んでしまったセレンは復活させることが出来ません。
ネットなどで百均ショップで売られている電卓の電源である太陽電池に交換している方がいますが、出力特性が違うため露出計の精度が怪しくなってしまうでしょう。
さて、
右側の露出計はセレンが死んでいます。
上の露出計は出力が弱いのか針も動きが非常に鈍いです。
そして左の露出計はキチンと動いているのですが指針の値が上記のPEN-Dよりも二段階ほど低いです。
ですが左の露出計の受光部のスクリーンがやたらと薄茶色に濁っています。
右側の死んでる露出計は非常にクリアな感じです。
そこで左側の濁ったスクリーンを取り外してみると案の定指針の値が二段階上がりました。
更に左側の露出計本体は塗装面の下地の金属が腐食しているようで見栄えが非常に悪いです。
そこで、
左の露出計のセレン素子を右の死んだ露出計に移植します。
黒い線の方は左下の青い線とハンダ付けされているのですが、赤い線は結線上ハンダ部から取り外すのが難しいので途中で切断しました。
この様にハンダ付けをして移植しました。
ハンダ付けした部分は、黒い線の方は熱収縮チューブで絶縁します。
赤い線の方はこの液体ゴムを塗布して絶縁しました。
さぁ、露出計を組上げようと思って見ていたらファインダー部の蓋がベコベコになってますね。
どうやら一度分解されているようですね。
そういえば軍艦を取付けるネジも緩かったですね。
ファインダーの清掃の前に露出計のセレン素子を組上げます。
セレン素子がハマる網のような枠なんですが、良く見るとこれには上下の向きがありました。
分解時にその事に気付かずにバラしてしまったため、上下の向きが判らなくなってしまいました。
これの上下を間違えるとセレン素子への光の当たり方が変わってしまって指針の動きが違ってくると思います。
仕方ないので3個の露出計の中の最後の一個を分解して上下を確認しました。
画像の向きが正しいです。
それとこの枠の前に入る受光部のスクリーンもクリアな物に交換して挿入します。
長過ぎる配線を抵抗やコンデンサのような物と一緒に纏めます。
本当はもっと違う形でキチンと纏まっていたのですが、そのオリジナルの状態を画像で記録していなかったので判らなくなってしまいました。
最初は違う状態に配線を無理やりに纏め上げたらメーターが動かなくなってしまいました。
更にセレン素子のマイナス側のハンダ付けされ部分の配線が切れてしまい再ハンダ付けをしました。それでもメーターの動きが不安定なためプラス側の配線も再ハンダ付けしました。
コレで何とかメーターの動きが元に戻ったので今回は無理のないように優しく纏め上げました。
どうやら後期型は画像のようにファインダー側の側板に小さな基板が付いていてそこに抵抗やコンデンサが付いています。
配線はしっかりと固定する必要は無いのでラッカーテープで仮止めのような感じで固定しておきます。
セレン素子が纏まったらファインダーの清掃に取り掛かります。
ファインダーの蓋は画像の左側のようにベコベコに歪んでいるので右側の良品と交換します。
組立て上げてしまえば見えない目の届かない部分なので交換する必要は無いのかも知れませんが、良品の予備部品があるのだから交換してあげたいです。
清掃が終わって蓋をしました。
塗装が剥がれている部分があるのでこれれらをタッチアップします。
まずは下地の金属と塗料の密着背をアップさせるためプライマーを塗ります。
プライマーをしばらく乾燥させてからセミグロスブラック(半艶消し黒)の塗料でタッチアップしていきます。
今回のタッチアップは筆ではなく製図用の烏口を使います。
塗布すると云うよりも「塗料を乗せていく」感じで作業します。
タッチアップには成功しましたが、角部などは気休めにしかならないでしょう。
直ぐ剥がれてしまうと思います。
以上で露出計の修理は完了です。
結局、精度的にはもう一台のPEN-Dと較べて-1EV、セコニックの露出計と較べて-2EVといった感じですがまぁ誤差の範囲といった感じでしょう。
この露出計は別のPEN-Dで使います。
その際にちょっとした改造を企画していますがそれはまた後の記事にて紹介していきます。






















