雪をんな
また あたしを だまして ゆくの か
また おまえは だまして ゆくの か
「全てを白く 限りなく白く」
嘶く馬の蹄を蹴り上げ
鼻息白く 汗は凍り 襟元赤く
うなじのそこには 呪いの簪 突き刺さり
流れる雪が 月に ほほえみ
あたしは おまえの 影を追い
呪文のように 繰り返す
「全てを白く 限りなく白く」
また あたしを だまして ゆくの か
また あたしは おまえを
洗いざらしの真っ白なシーツに
洗いざらしの真っ白なシーツに
手向けられた極彩色の花束
触れると全てが枯れてしまいそうで
遠巻きに見守ることしか出来なかった
洗いざらしの真っ白なシーツに
昨夜出来た真っ赤な過去は
触れると弾く風船の様で
それでも無理に抱えてしまった
洗いざらしの真っ白なシーツを
真っ青なお天道様の下で
雁字搦めの己のパズルを
ピースピースあわせてゆく
ことも不安でただ不安で
ただ 真っ白に憧れる
実験(黒)
眠れない夜ほどあなたを憎く思うことはない
そっとして欲しい夜にあなたは( )
錆びれた工場の煙突からは
弐拾四時間休むことなく眠ることなく
吐き出されるこの世の終わりみたいな煙を上げ
光と混じり嗚咽を感じる
運命なのか因果なのか溜息が深く細く長く黒く
眠れないあなたの夜に吐き出され
すっからかんになる身体が透明なヴォトルの
くびれに近づいてゆく
きっとあなたを( )したい
(●^o^●)
携帯のメールじゃやっぱり伝わんないのかな
文字の言葉と話す言葉
ニュアンス 仕草 絵文字 記号
笑っていても裏腹な気持ちと
(●^o^●)を打つあなたの顔
どっちが本当 どっちが嘘
メールの着信が鳴る度に
あなた専用の着信がなる度に
その音のギャップに苦しくて
でも やっぱり優しくて
あなたのフォルダが埋め尽くされてゆく
鈴蘭
街路樹の 下のちいさな花畑
あれ鈴蘭が 咲いている
幼子が 傍に駆け寄り摘む仕草
あれ鈴蘭が 採られゆく
食卓に さきの鈴蘭垂れ下がり
あれ生ごみ 増えちゃった
ビニイルの 中でちょっこりため息が
ぼくはどうして 生まれたの
ぼくは 何しに生まれたの
からりん こらりん
からりん こらりん からりん こらりん
規則的に聞こえてくるあの音は
田舎の古いしきたりで
娘が嫁に行くときのぽっくりの音
からりん こらりん からりん こらりん
狐の面とかがり火で黒澤明の映画の様な
色彩豊かに行進していく
娘がいやいや嫁に行かされるときのぽっくりの音
がらりん ごらりん がらがらりん
娘の母が石臼で己の前歯を割りながら
娘の操のお守りと
硬くて丈夫な滴る守り
がらがら がらがら からこらりん
そうして娘は行ったとさ
そうして母は逝ったとさ
そうして明日もからこらりん
そうして明日もからこらりん
はなすべ
そんなこと言ったって仕方ないっしょや。
したっけ、一緒に住むかい?
できないっしょ。
できもしないこと言ったって、なんも始まらないべさ。
いや分かってるってそんなこと。
もう駄目かい。俺たち。
あ~ぁ。最後に通りのベンチで、あの時みたいに噴水みてさ。
(リラの香りに包まれて?)
そう、これからの時期にぴったりなさ。
・・・もう一回話すべ。
からから
おもひでは/洗い立ての/しやんぷうの/かほり
きっかけは/せつけんの/四角のからから
菜の花の/黄色に/染まる裏庭に
真っ赤な夕日が/差し込む//あの日
洗い立ての/しやんぷうの/かほりが/鼻をかすめ
振り返る/ボクの足から/伸びる影
おもひでに/ただ/ただ/身を潜め
閉じこもり/閉じこもろう/と/する長い影
きっかけは/せつけんの/からから からから/
おもいのかな
おもいは つたわる
とおいとおい 過去の 過ちを
今でも やっぱり 悔いてる 自分
とおいとおい 過去の 想いでは
勝手な おもいと リンクし はじめてる
おもい おもわれ おもいつづけることは