【因縁果の道理】

◆桃の種からは桃の果実が出来る。桃の種からは決して柿の実は出来ない。
 
◆種を蒔かなければ、決して実は出来ない。
 
◆種を蒔いたものの、まだ花(実)が咲かない。
 
原因と結果の法則と同じようなことかな?と思います。
 
因--------縁
      │
      │
      │
      │

       果

 

『因となる原因と縁である条件が揃い満たされることで果である結果に結び付く。』

 

「種がなければ、絶対に果実は取れない。

因がなければ、果は絶対に出ない。」

 

努力もせずに、不遇を嘆いていても、何も変わることはありません。

不遇を嘆いているから、もっと惨めになるかも・・・

 

「種があったとしても、種だけでは果実は取れません。

日の光、気温、湿度、水、土などなどの縁となる条件が揃って、実を成していきます。」

 

努力をしていも成果が出ない。ということがあると思います。

その時のアドバイスに「正しい努力をしなさい」と受けることがあるかと・・・

 

そもそも「正しい」って何???ってところなんですが・・・

 

反対に、努力をして成果が出た。とします。

その時は、「これまでの努力の成果が出たな」だと思います。

 

一体何が違うんだ???と個人的に思います。

 

同一人物が同じことを同じようにやったとしても、結果はどっちになるか分かりません。

 

ここで必要となるのが『縁』です。

努力という「原因」である行動に対して、「縁」となる条件を揃えることが出来るのかどうか?です。

 

仮に勉強であったならば、

・勉強する環境は整っているのか?

 うるさいとか静かとか

・集中出来る状況か?

 TVや漫画などが近くにないか

・時間帯は?

 朝なのか夜なのか

・テキストはどうか?

・質問や相談できる人はいるのか?その人はどんな人か?

などなど、上げればキリがなくなりそうですが・・・

 

そんなときは、逆転の発想です!!

勉強したものの結果が出なかったのはなぜか?を先に考えてしまうと良いってことです!!

例えば、

勉強に集中出来なくて・・・であれば、集中出来ない状況を考えて、その逆をやる。

 ・TVや漫画などを見てしまう。⇒遠ざける。近くに置かない。

 ・夜は疲れていて集中出来ない。⇒朝早く起きてやる。

 ・何となく集中出来ていない。⇒匂いを変える。明かりを変える。向きを変える。

 ・教えてくれる人の言ってることが分からない。⇒自分に近い環境で成果を出した人に聞く。

とかでしょうか?

 

想い・目的という「因」を持ち、この「因」により「縁」を引き寄せてきます。

そして、その結果が遅かれ早かれ、必ず生まれてくる。

 

商品やサービス・ノウハウはあくまで「縁」の一つだと思っています。

これを「因」にするとただの売り込みや悪徳商法に繋がるんだろうなぁ・・・と。

 

お会いした時に、想いや目的、ビジョンがなく、商品やサービス・ノウハウの話ばかり聞かされるとつまらないと感じます。

無駄に必死だったり、メリットや良いことしか言わないし・・・

何より一方的です。

 

使う側のことを考えていない。

 

こういうことを考える機会やきっかけ、気付きや自分の思いも闘戦経を学んでいく中で得られる副産物かと思います。

 

 

『此を一と為し、彼を二と為す。何を以って輪と翼とに論(たと)えん。

奈何(いかん)となれば、蔕(もと)を固くして華を戴す。信なる哉、天祖先づ瓊鋒(ぬぼこ)を以って磤馭(おのこ)を造る。』

 

 

【此を一と為し、彼を二と為す。何を以って輪と翼とに論(たと)えん。】

歴史的背景を考えてみると・・・

国の成り立ちは、戦い「武」による統治が行われた後に、法律など「文」による統治へと移行しています。

 

悪政も愚帝が優雅な生活をするために、民衆から搾取する法律で腐敗しています。

この悪政も反乱や一揆などの「武」の行使によって、改められている歴史的背景が多いと思います。

 

攻守や文武両道など、両方を同時にやるのは中途半端であり、頓挫する原因になっています。

時間が限られているのに、必要なこと全然違う中で両立させれるのか?です。。。

 

小中学生くらいのときに、運動神経がいい子がモテる!!っていうじゃないですか!?(笑)

 

・・

・・・

・・・・

・・・・・

 

さてさて、

ビジネスにおいても、いきなり「組織作り!!」とかしても無意味でしょう。

スタートから大多数であれば別ですが・・・

組織作りの統率よりもスタートアップは勢いが重要です。

軌道に乗ってきた。形になってきた。段階から組織作りに移行していると思います。

 

リソース(経営資源)が限られている中でどこに注力するのか?が重要ですよね?

 

あれもこれも・・・とか、

儲かりそうだから・・・とか、

知り合いの経営者とかが今なら儲かるから・・・とか、

あの事業が今儲かっているから・・・とか、

いろんな面でパニックですね!!(笑)

 

 

ほかにも、車の両輪に例えて、経営では、「ビジョン」と「利益」の両方が必要と言われていたりします。

確かに両方とも重要だと思います。

ある選択のときに、両方満たせばいいですけど・・・満たさないときは?

どっちが重要になるんでしょうか?

 

【蔕(もと)を固くして華を戴す。】

華が美しく咲くのは幹がしっかりと支えているからこそ!!

 

華とは結果であり、幹とはビジョン・目的です。

明確であり、揺るぎないビジョンや目的が支えている状態をイメージします。

結果である華は、利益であったり、売上であったり、キャッシュでしょうか?

 

特にこの時代はモノ余りや情報過多な状態です。

ビジョンや目的に共感されて・・・ということは考えれますが、

商品やサービスに共感して・・・というにはそうそうないんじゃないかな?と思います。

 

また、二元論の要素もあるかな?と・・・

無⇔有

表⇔裏

光⇔闇

左⇔右

上⇔下

前⇔後

主⇔従

武⇔文

茎⇔花

目的⇔結果

・・

・・・

 

どちらか片方では成り立たない。

一方があるからもう一方が存在する。

そんな感じがします。

 

【三位一体説】

私個人としては、この中には三位一体が隠れていると思っています。

キリスト教にある父も子も聖霊ももとは神である。・・・だっけ?(キリスト教徒ではないので曖昧(笑))

 

三位一体とは、

三つのものが本質において一つのものであること。

と記載されています。

 

人を構成しているものも

肉体

精神

です。

 

武道においては、

があります。

 

因果律というのもありますね。

 

文武にも道を加えて、文・武・道でしょうか?

 

この、心・技・体はビジネスに置き換えることも可能かと思います。

 

そして、この心・技・体の中で重要なものはやはり『心』です。

 

建築技法とかにおいても、2点で支えるよりも3点で支える方が安定を保つことが出来るそうです。

 

ビジネスもそうですが・・・人の人生においても経営をする上で必要なことは3点。

三位一体で構築することが出来るものだと思います。

 

この心・技・体による三位一体を形にすることが会社経営、人生経営における一つのポイントになるように思います。

 

長くなったので、今日はここまで

 

 

経と法と術について

 

【種類について】

◆経には、闘戦経、仏教、易経、●●経....

 

意味

道・・・「物事の正しい筋道」、

常・・・「いつも同じである事」

文章・・・「学問や宗教上のよりどころ(根拠)となる基本的な書物」

などがあります。

 

 

◆法には、孫子の兵法、戦法、憲法、民法、税法、●●術...

 

意味

掟、法律、制度、定め

型、様式、決まったやり方

手本

などがあります。

 

◆術には、戦術、ビジネス術、受験術、●●術...

 

意味

「すべ(目的を達成する為の手だて、手段、方法)

「わざ(ある物事を行うための一定の方法や手段)」

などがあります。

 

 

 

この経や法、術の意味する部分は何か?

 

【それぞれの指す意味】

法は、きまりややり方。ルールという部分になります。

法治国家であるため、守るべき最低のルールですね。

 

術は、方法や手段。ノウハウと言われる部分です。

 

 

個人的に健康の観点から運動としてやっているマラソンで

例を・・・

 

法は、

走る距離(10km、ハーフ、フル)別、

スタートの時間に出場者まとめて、

自らの足で(乗り物だめよ!!)

給水場の設置

途中乱入ダメ

とかでしょうか?

 

術は、

先行型、後半追い上げ型

走り方

ウェア、靴

持参の補給物

走るポジション

とかでしょうか?

 

法というルール内において、どのようにして勝ち得るか?

を考え、実行することに重視することになると思います。

 

 

では、経は?

 

不変の道理

 

いつの時代も、どこの国でも、誰であっても変わらないとされるもの。

万物の根源、原理原則、本質などと言われるであり、法や術の基盤や基礎になる概念となる部分です。

 

【闘戦経は・・・】

私は、この闘戦経は名前の中に「闘う」「戦う」と争いに関する言葉が使われてはいますが、

孫子の兵法のように戦いに勝つ。ことを目的にしているものではないと思っています。

 

仏教のように、諸行無常や空、無明の闇など

人生の目的にあたる根幹を伝えている教えかと思います。

 

日本最古の兵法書でありながら、戦い方ではなく、その本質を残すものです。

 

専門家ではない一個人が、難解な文章を個人的に解釈していきたいと思います。

 

 

『我が武は、天地の初(はじめ)に在って、一気、天地を両(わか)つ。

雛の卵を割るが若(ごと)し。

故に我が道は、万物の根源・百家の権輿(けんよ)なり。』

 

 

「我々日本人の武は、天地開闢から既に存在し、そして天と地の二つに一気に分けた。

それは、雛鳥が卵を割るかのように。

それ故に、我々日本人の武の道は万物の根源であり、様々に説かれる道や考えも全てここから始まる。」

 

 

止まっているモノを動かすためには、始めに大きな力・エネルギがかかる。

そのため、物事の始まりは多くのエネルギー(気合、気迫)が必要になってくる。

 

【人の誕生からみる】

私たち人間はそれぞれ個々の才能や役割を持って、母体において生を受けることになる。

そして、誕生は子の合図により始まり、母のサポートを受けながらも、力強く、一気に、

そして、生まれる瞬間はあっという間に・・・

個々人の人生は生を受けたときより始まり、個々人それぞれの才能、役割、特徴などを持っている。

生を受けた瞬間から個々の道の始まり。

 

【ビジネスの視点でみる】

スタートアップ、新規事業、新サービス・商品の始めは、既存のモノを展開するより多大なエネルギーがかかる。

そして、それは一気に解放する必要がある。

止まっているものを動かす。

古参なもの、古き良き時代のもの、老害と言われるもの。

時代は変化しているため、すべてにおいて変わらないものは存在しない。諸行無常といえる。

 

経営においても、社員に気合・気迫がなければ、当然に衰退の一途を辿る。

経営者も然り。

経営者に気合・気迫がなければ、必滅と言えるのではないだろうか?

 

【最後に】

私たちは誕生した瞬間から各々の人生という道が始まっています。
そして、生を終える瞬間を迎えるまでの間、いつの時であって、
何かを始めようと決意した瞬間や何かを成しえると定めた瞬間から新たな道が始まります。
 
そして、その心で定めた瞬間から行動を起こすためには、大きな気合や気迫が漲っていることが重要です。
常に込めていると疲弊してしまうので、
決意したときや定めたときから行動を起こし、習慣化するまでの期間まで必要だろうと思います。
 
何かを始めるときには、自らの中に気合や気迫が漲っているのか?
周囲と一緒にやるのであれば、周りの人は気合や気迫が漲っているのか?
人を引っ張るリーダーであれば、気合や気迫を込める旗印があるのか?
 
こんなところが入口として必要なんだろうなと感じます。
 
そして、何より大切と思っていることは、
【志・目的】
です。
 
腑に落ちた
腹落ちした
志や目的が定まれば
それが、源に
魂となって
熱量を生み
気迫となり
信念を生み
不屈の精神を持ち
活動の動力となる
と思います。
 
 

ビジネスや経営に兵法を活かす!!

 

となれば、多くの方が『孫子の兵法』を上げるのではないでしょうか?

中国での合戦の歴史では、多く語り継がれており、現代でもビジネスに取り入れられています。

 

孫子の兵法といえば、

『兵は詭道なり』

を私は思い浮かべます。

 

日本の戦国時代の武将、武田信玄も戦に孫子の兵法を活用していました。

旗印に「風林火山」の文字を掲げていることでも分かります。

 

この武田信玄は影武者を用いていたようです。

敵も味方も信頼出来る訳ではなく、常に警戒していたことが伺えるのではないでしょうか?

 

奇襲であったり、調略であったり、

 

諺の、

「能ある鷹は爪を隠す」もその一つかもしれません。

 

私個人としては、孫子の兵法が何となくしっくりこない。という部分がありました。

日本人らしさがない?というところでしょうか?

 

日本人は昔から『正々堂々』を色濃く残してきたように思います。

本質的な武士道もそのはず・・・

 

例えば、日本の戦では開始の合図として、鏑矢を合わせていました。

相撲の「はっきょいのこった」と一緒かな?と思います。

 

また、

 

潔し

 

そんな言葉も浮かんできます。

 

そんな中出会った兵法として、

 

日本独自のものがありました。

 

それが、

【闘戦経】

です。

 

孫子の兵法はどちらかと言えば、戦い方。今でいうノウハウを説いている。ように思います。

 

しかし、闘戦経は志を説き、本質を説いている。と感じます。

 

まだまだ勉強を始めたところではありますが、これから少しづつ自分なりに解釈した闘戦経を書いて行こうと思います。

「PDCAを廻せ!!」という言葉を、聞いたことがあるかと思います。

企業に勤められている方は良く耳にするのではないでしょうか?


【PDCAの歴史】

このPDCAは戦後の1950年ごろに日本に伝えられてきたものになります。

もともとは製造業の品質管理の手法として取り入れられました。


戦後~高度経済成長期(バブル)にかけては、モノが少ない状況にあります。

今とはことなり、作れば売れる!

言い換えると、作れば作るだけ儲かる!!という時代です。


この作れば作るだけ・・・

と数を作ることに関して、非常に有用な手法です。


【PDCAは現代では使えない?】


【計画がなければPDCAは使えない!!】

PDCAサイクルの始まりはP(Plan)の計画です。

これがなければこの手法は始まらないため、使えないです!!


そうなると、このような声が上がってきます。

・先行きが不透明な時代に計画を作ることが出来ない。

・新規事業の立ち上げで全く根拠のない計画しか作れない。または計画は作れない。


となるのは当然なことでしょう。


【リーンスタートアップ】

例えば、新規事業の立ち上げで、PDCAサイクルにこだわる企業が陥る内容として、入念に計画を作成して、調査会社に調査を依頼して、調査レポートの入手から始まります。

そして、ほとんどの場合、調査レポートが示している市場ニーズの希薄で、試作品すら作ることなく新規事業の立ち上げが終了する。というところです。


このリーンスタートアップという手法は、エリック・リース氏によって提唱されました。

このシステムは、「構築(build)―計測(measure)―学習(learn)のサイクルを反復しながら、起業家や開発者の持つ仮説検証を行い、「検証による学びを通じて新製品やサービスの事業化を図っていくものになります。


そのため、試作品を速く作って、顧客に提供し、評価を貰い、学びます。

その学びを生かして、改善し、また作り直していくことになります。


スマホのアプリで多く見かける手法ではないでしょうか?


β版として世の中に提供し、都度都度アップデートをして、人気のアプリにしていく。

という流れは、今人気のあるアプリの立ち上げ時の方法と一致していると思います。


サービス業であっても、試作段階の内容をお話しし、意見を頂きます。

ブラッシュアップしていきながら、「そのサービスがあるならお金を出してでも欲しい」という見込み顧客を確保して、一気に商品化してしまえばいいのです。


【まとめ】

一昔前のように大量に作ればいいという時代ではなくなっています。

また、インターネットの普及により情報もすぐに手に入るようになりました。

人のニーズも多様化しているため、プロダクトインの視点では誰も見向きもしてくれません。


そのため、試作品を用意し、見込み顧客にブラッシュアップして貰い、顧客になって貰う。

この流れを汲んだ商品開発や新規事業の立ち上げが必要となっています。


ミッションを創り出そうとすることはないだろうか?

また、一つのことにこだわり過ぎていないだろうか?


皆さんは、借りてきたレンタカーを洗いますか?

借りたレンタカー洗う。という人はいないと思います。


車は自分の所有物だから綺麗に保持するために洗うと思います。


会社のミッションも同じなのです。


ミッションとは、創るものではなく【自分たちの内面】から発見する

ものです。


経営者だけでなく、従業員も自分ごとのように取り組んでもらうためには、自社のミッションを発見する必要があります。


他人事ではなく、自分事となるようにするのです!!


ミッションを発見するためには、次のことを考えてみましょう。

・組織の探求(Can)

・未来の探求(Need)

・自分の探求(Want)


これらが一致すると自分事として捉えることができます。


レコードプレーヤーを作っていた会社はなぜ消滅したのか?

「レコードプレーヤーをつくる」とミッションを定義していたために潰れました。


では、どのようにしていればレコードプレーヤーを作っていた会社が、自分たちのビジネスを破壊しながら、CDプレーヤーを生み出し、さらにはipodやiTunes、定額音楽配信サービスを生み出すことが出来たのでしょうか?

自社のミッションを「音楽のある豊かな人生を増やす」と定義すればどうだろう?

顧客中心に考えることが必要だったのではないでしょうか!!

自社の都合ばかりを考えていたため潰れてしまった言えると思います。


自社のミッションの寿命切れ

自社のミッションの寿命が切れていると言えるのは、「百貨店」ではないでしょうか?


「百貨店」のミッションは、「百貨を見て買える、ショッピング イズ エンターテイメント」と言えると思います。

百貨店が流行っていたころは、屋上遊園地で乗り物に乗って、高層階で食事を楽しむ。

高級品の買い物をする。

という状況だったと思います。


しかし、今ではAmazonで数十億のアイテムを選んで購入することが出来ます。

郊外のショッピングモールには様々なショップがあり、話題のレストランもあり、フードコートもあり、映画館、ゲームセンターなども備えてあります。

百貨店のミッションを達成するところが数多く出てきています。


こうなると百貨店のミッションが当時は素晴らしくとも、新たなミッションがなければ存続が難しくなってきています。


【まとめ】

ミッションは時代とともに変化させる必要があります。

環境も変われば、求められているものが変化します。

顧客してで考えつつ、自分たちの内面を見つめなおし、新たな発見をしていくことが必要です。


組織を管理する立場の人であれば、

「良い組織」や「強い組織」を作りたいと思うはずです。


では、「良い組織や強い組織とはどのような組織か?」と考えることになります。


この問いに対する答えは人それぞれではありますが、まずはチームとして共通認識を持つことが重要となります。


しかし、良い組織でも強い組織でも、「結果」が求められるのがビジネスというものです。


では、結果を出すための組織とはどのようにして作られるのでしょうか?


今回はマサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱する組織の成功循環モデルについて書いてみようと思います。


【成功循環モデル】


成功循環モデルは「関係の質」が成功するチームの鍵であると解いています。


チームの「関係の質」が良いと「思考の質」が良くなる。

「思考の質」が良いと「行動の質」が良くなる。

「行動の質」が良いと「結果の質」が良くなる。

とする組織に成功をもたらす基本的な考え方としています。


そして、この循環サイクルの重要なところは

「関係の質」
から始まるところなのです。


この循環モデルには、バットサイクルとグッドサイクルがあります。


【バットサイクル】

①成果が上がらない(結果の質)

②対立、押しつけ、命令する(関係の質)

③面白くない、受け身で聞くだけ(思考の質)

④自発的・積極的に行動しない(行動の質)

⑤関係が悪化する(関係の質)

バッドサイクルは、結果だけを求め、「結果の質」を向上させようとすることから始める。しかし、なかなか成果が上がらず「結果の質」が低下すると、対立や押し付け、命令が横行するようになり、「関係の質」が低下する。ときには一時的に成果が上がるかもしれないが、それはメンバーが追い詰められた状態で出した成果にすぎないので、持続せず、結局同じサイクルに入ってしまう。

 「関係の質」が悪化すると、メンバーは考えることをやめ、受け身になってしまい、仕事がつまらないと感じ、「思考の質」が低下する。受け身なので、当然自発的・積極的に行動しなくなり、「行動の質」が低下して成果が上がらなくなる、つまり「結果の質」がさらに低下するのです。

停滞していたりなかなか成果の上がらない組織は、このようなバッドサイクルに陥っていることがよくあります。

【グッドサイクル】

①お互いに尊重し、一緒に考える(関係の質)

②気付きがある。面白い。(思考の質)

③自分で考え、自発的に行動する(行動の質)

④成果が得られる(結果の質)

⑤信頼関係が高まる(関係の質)

グッドサイクルは、「関係の質」を高めるところから始める。「関係の質」を高めるとは、相互理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考えることである。ここから始めると、メンバーは自分で気づき、面白いと感じるようになり、「思考の質」が向上する。面白いと感じるので、自分で考え、自発的に行動するようになり、「行動の質」が向上する。その結果として「結果の質」が向上し、成果が得られ、信頼関係が高まり、「関係の質」がさらに向上する。

 「関係の質」の大切さを理解せずに、「結果の質」だけを求めていると、部下との信頼関係を築けず、どんなに努力しても組織として結果を出せないという状況になる。

 遠回りをしていると感じるかもしれないが、何よりもまずメンバーとの人間関係の質を高めることが、成果を持続的に出していくための近道である。メンバーに対して「結果を出せ」と怒鳴り散らす前に、リーダーがやるべき大切な行動である。


【成功と失敗の循環モデルの例】

「関係の質」を良くするのは、『ミッション・ビジョン』の共有とメンバー同士の相互理解である。

ラグビーチームのコーチを例に成功・失敗の循環モデルの違いを書きます。


1.成功の循環モデル

最初にやるべきは、自分たちらしいミッション(例:繋ぐラグビーで勝つ)とチームメンバーでビジョン(例:優勝!!)を共有することです。

合宿を繰り返し、メンバーで一人一人の能力とプレースタイルを相互に理解する。

チームでお互いを良く理解し、同じ志を持った同志となります。(「関係の質」の向上)


全員が優勝に向けて頑張り、競い合い高めあう関係になります。


それにより、「思考の質」が良くない、メンバー一人一人が自分の出来る最高の貢献と挑戦を考え始めます。

挑戦すれば当然失敗もします。


失敗には「ナイストライ!」「レッツチャレンジ!」と称賛することが大事です。


そうなれば、献身的なプレーや挑戦的なプレーが増え(「行動の質」の向上)、勝利を繰り返し「優勝」を手にすることになります。(「結果の質」の向上)


一度「優勝」したチームは「俺たちは凄いんだ!!」という価値観を手に入れます。

そうなると、さらに高度なことに挑戦していきます。

ここまで行くと、「関係の質」は素晴らしく、常勝軍団になっていることでしょう。


2.失敗の循環モデル


【まとめ】

まずは、組織として「関係の質」がどのようになっているのか確認してみましょう!!

挑戦を応援する組織なのか?

失敗を称えあえる組織なのか?


成功循環モデルに入っているのか?

もしくは、失敗循環モデルになっているのか?


スタートは組織の中で良く使われる口癖を見つけることだと思います。


【マズローとは?】

モチベーションの話をするときに、よく「マズローの欲求段階説」の話が出てきますが、みなさんは耳にしたことがありますか?


アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)はアメリカの心理学者で、1908年にニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれました。


両親は貧しいロシアからのユダヤ人移民であり、7人兄弟の長男だった彼は、両親の期待を背負って学問の道へと進みました。


マズローは、人間性心理学を生んだ重要な人物だとされています。

人間性心理学とは、精神病理の理解を目的とする精神分析と、人間と動物を区別しない行動主義心理学の間にある「第三の勢力」といわれています。


マズローは、人間の欲求を階層に分けたピラミッドを主張したことでよく知られています。

こういったマズローの欲求段階説は、貧しい生活やマイノリティへの所属、アカデミックでの成功などの生い立ちが影響しているのかもしれません。


【マズローの欲求段階説】

マズローが提唱した「欲求段階説」では、人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていると主張しています。

それは、底辺から始まり、1段階目の欲求が満たされると1段階上の欲求を志していくというものです。

低次の欲求から高次の欲求へと移っていくものになります。


1.第一段階「生理的欲求」

・食べたい

・飲みたい

・寝たい

など、生きていくための基本的、本能的な欲求を言います。

これが満たされなければ、人は不快感を覚えたり、イライラしたり、病気になったりしてしまいます。


2.第二段階「安全の欲求」

・雨風に濡れない家に住みたい

・病気をせずに健康に長生きしたい

・襲われない

など、安全な環境を求める欲求を言います。

例えば、日々DVなどを受け生存を脅かされていたりする場合は、安全を確保することに必死になり、それ以外のことが考えられなくなることもあるほどです。


3.第三段階「社会的(所属と愛の)欲求」

・仲間が欲しい

・組織に所属したい

など、孤独から脱することを求める欲求を言います。

この欲求が満たされない場合には、人は孤独感や社会的不安を感じてしまいます。

孤独死など社会から隔離されてしまう場合に起こりうることです。


4.第四段階「承認(尊厳)の欲求」

・他者から認められたい

・尊敬されたい

など、”他人からの賞賛を求める欲求”であり、グループへの帰属が前提となります。

この欲求は2つの部分に分かれており、1つは「仕事の遂行や達成」です。

そして2つめは、それを「他人から注目されて賞賛されること」です。


5.第五段階「自己実現の欲求」

・能力を発揮したい

・創作したい

自分で立てた目標を達成する喜びをモチベーションにできるという点が特徴です。

自分の可能性を求める欲求になります。

マズローは晩年に、この上にさらにもう1つの段階があることを発表しています。

それは「自己超越」という、「目的の遂行・達成”だけ”を純粋に求める」というものです。

エゴもなく、見返りも求めず、ただ目的のみに没頭することを6つ目の段階としています。


【ヒューマン2.0をマズローの欲求段階説で考える】

モノが不足した経験を持たないヒューマン2.0は第二段階までの生理的欲求及び安全の欲求までの欲求をイメージすることが出来ません。


ヒューマン2.0が知っているのは、第三段階以上の仲間が欲しいという社会的欲求や、認められたいという承認欲求、さらには成長したいという自己実現の欲求だけなのです。

そのため、良い「仲間」と「意義」ある目標を「楽しく」追求したいのです。

モノよりも「意義」や「気分」が大事なのです。


『仲間と意義ある目標を楽しく追いかけたい!!』

これが当てはまれば、非常に勤勉に物事に取り込み、熱心に打ち込むことになります。


ヒューマン2.0の特徴として、「気分」を重視するため、安全志向が強い傾向にあります。

週末も冒険はせず、いつものメンバーで、気分を害される可能性をなるべく排除して、いつでも穏やかに過ごそうとします。


女性が男性を選ぶ基準も、一昔前であれば、

「高身長」

「高学歴」

「高所得」

の『三高』でした。


しかし、ヒューマン2.0は、

「低燃費(質素)」

「低姿勢(優しい)」

「低依存(お互いを尊重)」

「低リスク(安定した職業)」

の『四低』へと変化しています。

現状維持は勝者という感覚を持っているため、高所得は落ちるリスクが不安。

かっこよくて刺激の多いタイプよりも、波風の立たなそうな穏やかなタイプを選んだほうが、ドキドキハラハラしなくて落ち着く。という理由があります。


ヒューマン2.0は協調性が高いのが特徴です。

例えば、LINEでは常に空気を読み、人の気分を害さないコミュニケーションを心がけています。

もちろん爆弾を投下するような人はいません。

個人的には、つまらなく感じてしまいますが・・・


インターネットの普及により、様々な価値観、考え方、生き方をする人がいますが、ヒューマン2.0はそれらをすんなりと受け入れます。

決して相手の生き方を否定しません!!

そのため、自分の生き方も否定されたくないのです。


例えば、会社の上司が「私を否定する」なら、コミュニケーションをとって理解してもらおうとは思いません。

「この人に近づくのはやめておこう」

「飲み会は断ろう」

となります。


「お金」よりも「気分」を重視するヒューマン2.0にとって、仕事だから多少は我慢しようという感覚はないのです。


趣味の時間も仕事の時間も、どちらも同じ自分の人生の貴重な時間の一部という感覚です。


【仲間と意義ある目標を楽しく追いかけたい!!】

自分に合わない人や向かない仕事に我慢するのは「気分」が悪い。

アンマッチならば我慢しない転職するのがコスパの良いスマートな生き方だ!!

と考えるのです。


【まとめ】

ヒューマン2.0には「忍耐」という単語はありません。

「気分」を重視します。

部下に仕事だから我慢しろ!や仕事だから嫌なことでもやれ!

というのはお門違いになります。


如何にして気分良く働かせるか?

気分が乗れば、嫌なことであっても熱心に取り組むのです。


チームで意義ある目標を楽しく追いかける仕組みを作りあげることが重要です。


人の意識構造を階層別に分解して分析する手法があります。

それぞれの段階や、それを知ることでどういう効果があるのか?を知ることで、

自己やクライアントのセルフイメージを理解する助けになります。


【ニューロ・ロジカル・レベル】

ニューロ・ロジカル・レベルとは、アメリカの博士であり作家でもあるロバート・ディルツ氏が、イギリスの人類学者グレゴリー・ベントソン氏の考えを体系化したもので、人間の意識を以下の6つの階層に分類したものです。

1.「スピリチュアル」・・・ビジョン、展望

2.「自己認識」(アイデンティティー)・・・自己認識、使命

3.「信念・価値観」・・・行動の動機付け

4.「能力」・・・戦略、計画

5.「行動」・・・活動、反応

6.「環境」・・・機会、制約

このニューロ・ロジカル・レベルを元にした心理学が「NLP(Neuro Linguistic Programing)《神経言語プログラミング》」と呼ばれるテクニックになります。


上のレベルの方が下のレベルに与える影響が大きくなります。


「自己認識」が「価値観・信念」に影響を及ぼし、

「価値観・信念」が「能力」に影響を及ぼし、

「能力」が「行動」に影響を及ぼし、

「行動」が「環境」に影響を及ぼします。


反対に、下のレベルが上のレベルに影響を及ぼすことは少ないです。


【それぞれのレベルの説明】

下のレベルからそれぞれの段階について記載します。

1.環境レベル

衣・食・住や家庭環境などです。

服装、食生活、住居環境など、人が普段の生活の中で過ごしている環境全般のこと指しています。

環境全般とは、家庭環境や職場環境なども含まれています。


カバン、メガネ、靴、車など、持ち物も環境の一部と考えられます。

また、普段聴く音楽も環境の一部です。家の中の絵なども含まれます


例えば、学生の場合には、学校の環境もその人に大きな影響を及ぼしています。


2.行動レベル

仕事・趣味・勉強など、日々の生活は、たくさんの行動が連続して構成されています。

そして、人の行動には、様々なタイプ・パターンがあります。

・行動してから考えるのか?

・じっくり考えてから行動するのか?

・行動することが好きなのか?

・行動せずに、ゆっくりと過ごすのが好きなのか?

など、いろいろ考えられると思います。


3.能力レベル

人は、知的作業、スポーツ、芸術、技術など、様々な能力を持っています。

そして、人はそれぞれ得意な能力を持ち合わせています。

・コツコツやるのが得意なのか?

・追い込まれてから一気にやるのが得意なのか?

・クリエイティブなことが得意なのか?


反対に不得意なことも持ち合わせています。


得意な能力を伸ばし、不得意なことは得意な人に任せることが重要です。


4.価値観・信念レベル

どんな価値観を大切にしているのかは、人によって違います。

心を大切にする価値観があります。自分の心を重要視して、その時々の気持ちを大切にします。そうすると家族や他の人に対してもやさしい気持ちになることができて、人間関係も円滑になってきます。

人の気持ちを大切にして、家族や友人との心の交流を大切にする人がいます。

また社会的地位よりも、趣味や心の満足を大切にする価値観があります。

他方、物質的なことや社会的なことを重要視する価値観があります。地位・名誉・財産などを大切にする価値観です。

「人生、結局はお金だ」という価値観で生きている人がいます。また自分が承認される欲求が強く、人から高く評価され、承認されたいので、社会的地位・名誉を得ることを重要視する価値観があります。

人は、信念を持って生きていきます。「努力は報われる」「感謝と反省」など、程度の違いがあるにせよ、人には様々な信念があります。

人には、いろいろな思い込みがあります。合理的なことよりも、先入観・固定観念・先例・常識などを根拠にします。

本人は、固く真実であると信じ込んでいるので、他者と共有することが困難なことが多くなります。

思い込みは、弊害があるけれども、夢を実現する時など、思い込みが強いので、夢が実現する場合もあります。思い込みは、上手に活用すれば、人生を成功させるためのリソース(資源)になります。


5.自己認識・アイデンティティレベル

「自分はどんな存在なのか?」「自分は価値ある存在なのか?」「自分に与えられたミッションとは何か?」など、根源的な自己認識のことです。

どのような自己認識を持つかによって、その人の人生行路が全く違ってきます。



【一般的なサラリーマンの意識をニューロ・ロジカル・レベルで説くと?】

一般的なサラリーマンにニューロ・ロジカル・レベルの上記5段階の質問をした場合どのような回答が返ってくるでしょか?


1.アイデンティティレベル

質問:あなた何者ですか?

回答:私は会社の歯車です。

2.信念・価値観レベル

質問:仕事において何が大切ですか?

回答:期待に応えることと協調性です。

3.能力レベルは?

与えられた仕事をしっかりこなす。という能力を身につけます。

4.行動レベルは?

指示待ち、前例踏襲するという行動パターンをとります。

5.環境レベルは?

愚痴を言い合える仲間という環境に身を置きます。


一般的なサラリーマンには、

社会をより良くするビジョンを自ら想い描くことはありません。


彼らは課題を与えられるのをただただ待っているだけなのです。


一方、

【企業内起業家は】

1.アイデンティティレベル

質問:あなた何者ですか?

回答:私は会社の歯車です。

2.信念・価値観レベル

質問:仕事において何が大切ですか?

回答:期待に応えることと協調性です。

3.能力レベルは?

与えられた仕事をしっかりこなす。という能力を身につけます。

4.行動レベルは?

指示待ち、前例踏襲するという行動パターンをとります。

5.環境レベルは?

愚痴を言い合える仲間という環境に身を置きます。


【最後に】

相手の話を6つのレベルに当てはめて聞くコミュニケーション・モデルです。

環境:When/Where「いつ?、どこで?」

行動:What「何をするの?」

能力:How「どのように?」

信念・価値観:Why「なぜ~をするの?」

       ビリーフ(目的)

自己認識:Who「わたしって誰?どんな役割や使命を持っている?」

       アイデンティティ

スピリチュアル:宇宙・地球・地域・社会・職業・家族

たとえば、お客がクレームを申し立てた場合。

どのレベルで、なぜ問題になっているのかということを、はっきりさせることができます。

そこから、楽々問題解決することができるのです。