「俺はいいから身内の人や友達に送ってあげて!」
旦那にしては珍しくハッキリ拒否していたのに、A子には何も伝わっていませんでした。
すごい……
もう「すごい」という言葉しか出てきませんでした。
そして更にすごいと思ったのは旦那が
「それなら良かったよ」
で終わらせていた事。
普通は伝わってないと分かったら別の言葉を考えませんか?
旦那が「普通」に当てはまらない事を未だに吞み込めていない自分がいました。
その後も経過報告は当たり前のように続いていました。
A子が家を建てる事になったと送って来ると、2人は理想の家について延々と語り合っていました。
何ひとつ変わってないラインを見て私は怒りました。
「A子に何も伝わってないじゃん!それなら良かったって何?」
「俺はちゃんと言われたこと送ったよ!」
「相手に伝わってなかったら意味ないじゃん!」
「俺はあんたに言われたことをちゃんと送ってるのに、これ以上どうしろって言うわけ?」
あ、まずい……聞いた瞬間にそう思いました。
元カノとの事でケンカした時にも感じた違和感。
これ以上どうすればいいのか、この人には本当にわからないんだ…
私が困惑して固まっていると、玄関が開く音がして娘が塾から帰ってきました。
「ねぇ今ケンカしてた?声、外まで聞こえたよ」
娘には心配をかけたくない、そう思っていたのに私は感情的になって大失敗していました。