浅草闊歩　　

水道橋から浅草橋へ。
さて、浅草橋からいずこへ？？
やはりここまで来たのなら浅草でしょう。

都営浅草線で浅草駅まで。
アクアプレイス旭（千束通り商店街近くにある銭湯）の
営業開始時間まで小一時間あるので散策することにした。

大学を出た僕は普通の会社員。
しかし２年もしないで退職した。
退職してふらふらしていたらお金が無くなった。
それで大学時代にバンドをやっていた友人に電話をすると
キーボードの仕事を紹介してくれた。
はじめて働いたのが浅草だった。
あるとき自分が演奏していた店を訪ねて浅草に行ったことが
あった。しかしその店はもうなくなっていた。
それでも昔を懐かしみ、年に一度は浅草を訪ねた。

そのうち浅草の銭湯めぐりをやってみようとおもいたち、
２年がかりでほぼすべての銭湯をめぐった。
あの２年間はとても楽しかった。

銭湯を出てコンビニで缶ビールを買い、缶ビール片手に
４丁目あたりの静かな街並みを歩くのが楽しかった。

それと３０代になってラーメンの食べ歩きをはじめた僕に
とってぜひ行って食べてみたいというラーメンが浅草に
あった。らーめん弁慶である。
３０代の頃は練馬区に住んでおり浅草が遠くに思えた。
ラーメン本の写真をみながら、弁慶のラーメンを
いつか食べに行こうと思っていたのである。
１９９４年にあこがれの弁慶を訪ねた。
あの日のことはしっかり憶えている。
現在の位置ではなくもう少し浅草駅寄りの位置にあった。
カウンター席に座り、ドキドキしながら待った。
こんもりと盛られたもやしとねぎ、そして丼の上を覆う白い背脂。
こってりとしたスープなのだろうと思いひとくち飲んで
みたらあっさりとしていた。
すっかり弁慶のとりこになった。
そんな思い出がある浅草である。

（本年初の銭湯　アクアプレイス旭　サウナ料金は１４０円）

さあ、話しを水曜日の浅草に戻そう。
アクアプレイス旭は浅草の銭湯めぐりをするなかでとくによかった銭湯である。

ここの銭湯の特徴は浴場の二階部分にサウナと水風呂があることである。
天井も高いので長い階段を上りサウナまで行く。
サウナの温度もサウナが苦手な僕でも入れる程度。
サウナからでて水風呂に入るのが気持ちいい。
そして水風呂から一階を眺めることもできるのである。
千束通り商店街を進んだパチンコ屋のある交差点を
左に入ったところであり、観光客もほとんど来ない
場所なので土日祭でもまあまあ空いている。
自分は千束通り商店街から言問橋方面につっきる静かな
街並みが好きなのでアクアプレイス旭や鶴の湯などに行くことが多い。
ただ正直に言って、だんだん飽きてきた。
それと浅草の銭湯は土地柄、彫り物をした人が多く、
サウナなどでとなりあわせると少し緊張してしまう。

この日はいつも楽しみにしている千束通り商店街の
竹松という鶏肉店の定休日であり、それをチェックせずに行ったのでがっかりした。
また以前から気になっていたアクアプレイス旭から
近い中華料理屋（街中華）の花福が臨時休業でありがっかりした。
自分としては、アクアプレイス旭に行く前に
竹松でもも焼きなどを買い、銭湯を出てから
花福でビールを飲もうと思っていたのである。
花福は長年の食べ歩きの勘によるのだけれども、
そこそこ・・まあ、普通に美味しいといった店と
予想していたのだが、値段も安いのでまったりできる
のではと楽しみにしていたのである。

いくあてのなくなった僕は４丁目あたりをふらふらと進んだ。
永福系大勝軒めぐりもやっており、千束通り商店街から
４丁目のほうへ入ったところに店があった。
そこも結局、行く前に閉店してしまった。
ニュー菜園という店になっていた。
相互読者登録させていただいているざい八さんは
元気に営業されておられるようであった。
お店は閉まっていたので定休日であったのかもしれない。
東京では珍しい、竹岡式ラーメンを出す店である。

観音裏柳通りにあさひという街中華があるのだが、
そちらの「冷やし四川そば」と「四川そば」が
気になった。坦々麺食べ歩きをしている僕としては
冷やし担々麺、担々麺と銘打っていただけたのなら迷わず入ったことであろう。
他、かつては違う店だったのではと思う店が何店かあった。
静かな街並みにぽつんぽつんと灯りをともす店。
どこのお店も魅力がある４丁目界隈である。
しかしそんなお店も閉店し居抜きでまた開店ということがあるようだ。

結局、入る店がきまらないまま馬絹通りのほうまで歩いた。

（浅草にオープンした頃、店員さんから声をかけていただきラーメンを食べた。どのくらい前の

ことだったろうか）

ハッスルラーメンホンマも定休日なのか、閉まっていた。
いやいや、こうなってしまっては・・・・
自分は人ごみが嫌いなのでこの先へはもう進めない。
ということで言問橋のほうへ歩いて行った。
すると弁慶の灯りが見えた。
やっているようだ。
入るか否か、決めかねていたのだが、とりあえず
店の前まで缶ビール片手に行ってみた。