雪上の足跡

雪上の足跡

降っても融けても消える、はかないメモリー

 

 

朝7時半にポータルでエコー予約ボタンを押すと、

2週間後の木曜日に12枠表示された。

先着16人の4人は既に場所を押さえたという事

なのだろうか。

泌尿器科もエコーの翌日に予約。

 

時間より少し早めに着いたが、

先客も待ち人もいなかったので

スムーズに検査してもらえ、

結果は電子カルテでチェックできる。

 

翌日、1時間ほど早く泌尿器科に着いたが、

ここでは時間まで待たされて、診察。

外科医の意見を聞いてみた方がいいとのことで、

小児総合病院(いわゆる大学病院的な)へ行って、

また戻って来いと。

私「経過観察でもいいんじゃないでしょうか」

泌「そうですね。でも、いつ頃から水が

  溜まりだしたのか不明ですし。

  念の為、他の先生にも聞いてみましょう」

セカンドオピニオン。

 

以前は、紹介状なる紙を何枚か渡されたが、

電子カルテになって紙は不要に。

その代わり、医師の画面に表示される紹介状を

スマホで撮る作業が増えた。。。

紹介状番号とか小児総合病院の名称など

知っておかなければならないので。

医「ネットで申請すると折り返しTELがあるので、

  時間を決めて診察を受けてください」

 

家に帰って、電子カルテを見てみたが、

申請する場所などない。

総合病院のHPを開いて、

紹介状による診察予約ページを開くと、

赤字で「6月◎日以降に紹介状発行された人は

診察申請の必要はありません。7日以内に

病院から連絡が行きます」とある。

 

半信半疑で4日待ってみたけど連絡なく。

5日目にHPで診察予約フォームに入力。

それから7日経っても連絡なく。

 

HPにある診察予約用に電話しても

コール音すらなく

「この電話は応答していません。

後程おかけ直しください」

 

総合病院のコールセンターに電話すると、

私「紹介状による診察を予約したいのですが」

コ「7日以内に自動的に連絡しますので」

私「それがなかったんです。HPのフォームで

  申請しても折り返し連絡なかったんですが」

コ「その場合は、診察予約用番号にかけてください」

 

その日一日中電話してもコール音は鳴らず、

翌日電話しても同じなので、またコールセンターに。

コ「7日以内にこちらから連絡しますので」

  その場合は、診察予約用番号にかけてください」

私「だから、その番号が応答してないんです」

コ「番号は8時から20時まで対応していますので、

  掛かるまでかけてください。それともなければ、

  直接病院の窓口で予約することもできます」

私「いや、遠いから行くのは厳しいんです。

  10時、11時、13時、15時、16時半に電話しても

  一切コール音がならないんですよ」

コ「診察予約用番号は8時から20時まで有効です」

私「聞いてます?」

コ「他にご質問がなければ失礼します。ガチャ」

 

(ꐦ°᷄д°᷅) ヤロー!!

どういうこっちゃねん!

 

かなりフラストレーションが溜まったが、

ふと、エコー予約を思い出し、

朝8時に電話してみようと思い至った。

 

翌朝8時00分、診察予約用番号に電話を掛けると、

コール音が鳴り、曰く

「ただいま全てのオペレータが対応中です。

 ただ今の待ち人数14人、30分以上かかる予定

 予約の申請や変更はHPからも可能です」

 

ここでHPに移ったら馬鹿を見る。

ひたすらに待つこと23分。

オ「はい。モロゾフ病院」

私「紹介状による診察を予約したいんですが」

オ「何科ですか」

私「泌尿器科」

オ「3週間後の18時はどうですか」

私「大丈夫です」

オ「子供の氏名、誕生日をどうぞ。

  ああ、紹介状がありますね。

  (電子カルテでも見ているのだろう)

  電話番号はXXですか?」

私「(それは夫のだ)違います。YYです」

オ「7号館の3階です。1階で登録してください。

  パスポート、年金証など持参。

  30分前には来てください」

私「はい」

 

ヽ(○´w`○)ノ 

 

今回は全然急いでないからいいけど、

診察が3週間後って、根気がいることよ。

 

子「Всё из-за пандоры!」

 (みんなパンドールィのせいだ!)

私「なに、パンドールって?」

子「覚えてないの⁉」

私「え…?」

 

ある朝、目覚ましが鳴って、

二人とも目を覚ましたけど寝てる状態の時。

子「ママ、眉毛を切りたい」

私「は?」

子「眉毛じゃない、まつ毛」

私「なんで?」

子「長すぎるから」

私「・・・まつ毛は目を保護するものだから、

  切ったりしないんです」

子「ママはまつ毛短いよね」

私「・・・・・・・あなたよりはね」

子「僕の方がまつ毛長い」

純然たる事実ですから、いいですけど・・・

 

見たら、風邪で目がウルウルしており。

目ヤニがまつ毛にこびりついて苦戦し

その発言になったらしい。

熱はないが、咳もしているし、園を休み。

 

数日間家にいるとつまらないので、

外に散歩しに出たいという。

子「遊びに行きたい!エゴールが待ってるから!」

私「病気の時は外に出ないの。

 エゴールと遊んだら、今度は彼に病気が移っちゃう

 かもしれないでしょ。治ってから。

 (大体、病気のイワンと外でばったり会って

 一緒に遊んで移されたんじゃ、愚か者)」

子「Всё из-за пандоры!!(パンドールのせいだ)」

 

はて、パンドールとは何ぞや?

 

何で覚えてないの!と興奮した子が

本棚へ行き、ギリシア神話の本を手に取った。

あぁ、パンドラ Пандораパンドーラ。

彼女が箱を開けたばかりに病気やら嫉妬やら

禍が人間界にもたらされた。

 

わざわざ子供用神話を入手したが、

端折り過ぎでヘラクレスのヒドラの血とか

面白いエピソードが入っていないので、

結局かいつまんで大人版を読むことになり。

下読み(夫に発音をみてもらう)の時間もなく

知らない固有名詞をいちいち辞書引く間もなく

ひたすらに怪しい発音でたどたどしく読んだ。

 

時々自分でもなんの呪文を唱えているのか

わからなくなりながら音読していたの、

ちゃんと内容を分かって記憶してるのね。

 

子「ママ、Еврисфейは弱虫だよね、ケラケラケラ」

別の時、遊んでいた子が脈絡もなくこんなこと言い。

はて、Еврисфей エヴリスフェイ。

何だっけ、誰だっけ?

私「Еврисфейって誰だっけ?」

子「ヘラクレスはバーン、

  Еврисфейはヒーッて隠れる」

私「ああ、王の・・・」

日本語思い出せず。

エウリュステウス。

 

子の思い出しギリシア神話について行けない。

 

 

私「狂犬病の予防接種お願いします」

医「狂犬病だけ?他のワクチンは?」

私「のみでいいと思ってます」

医「ノビバックがあるけど、

  海外へは連れ出せないわよ」

私「・・・連れ出せる可能性は残したいので...」

医「じゃあ、チェコ製のこっちね」

私「ノビバックはロシア製ですか?」

医「違うわよ、オランダ製。並行輸入で

 入ってきてるの。だけど、EUが輸出禁止してるから

 22年3月以前ロシアに輸入された製剤は消費期限が切れて

 今ロシアにはノビバックは存在しないという建前なの。

 だから、動物パスポートにノビバックを打ったとあると

 偽製剤という認識で、受け入れ国側で却下するのよ。

 ちゃんとワクチン打ってるのにおかしな話よね」

私「(そういえば、去年もそう言ってた)

  値段はどのくらい違いますか」

医「チェコ製は狂犬病とワクチン込みで

  3200Rub (約5700円)、ノビバックは

  狂犬病のみで2700Rub(約4800円)。

  ワクチンもつけると4200Rub(約7500円)」

私「じゃあ、チェコ製で」

 

何故か聞かれなかったけど、

虫下し飲ませたことを自己申告。

 

キャリーのふたを開けても猫が出てこない。

緊張で硬直している。

獣医師が触診すると、シャーシャ―言っているが、

噛みつく様子はない。

要領よく首後ろと後ろ脚に注射して終了。

夫が連れて行くと、パニックで爪を立てて

逃げ出そうとしたり暴れるそうだが、

私との時は静かだ。

一週間以上背中を濡らすなと言われ。

背中に垂らすノミ除けは3日後からいいらしい。

子「おばあちゃん、明日プラネタリウム行こう」

姑「ぜひ、行きたいわ。時間は11時20分?

 9時50分に家を出るの?肉煮込み作ったの、

 イチゴと一緒に持っていくわ。バスが遅れないかしら。

 お昼は家で食べるでしょ?外で済ませる?

 直接行くなら10時50分に動物園の駅って言っても、

 3年ぐらい地下鉄に乗ってないからわかるかしら。

 最近バスも渋滞で遅れがちっていうのよ。

 遅刻したら周辺で時間を潰せばいいけど。

 先にチケット買うの?800Rub?高くもないし

 安くもないわね。私が遅れてあなたたちが

 間に合わなくなったら悪いし、もったいないし。

 今回はパスしようかしら、行きたいけど。

 あなたの家からも文明からも離れた場所に

 住んでいるの。早く引っ越したいわ」

 

予定通り子と二人でプラネタリウムに行って、

バーガーキングでお昼を食べて、

赤の広場へ散歩に行った。

広場の入口では金属探知機をくぐり、

鞄の中身を兵士に見せる。

小ぶりのキャスター付きトランクはNG。

持っていた人は荷物預け所へ行けと言われてた。

 

何でこんな厳戒態勢なんだと思って進むと、

本のフェスティバルをやっていた。

ただただだだっ広いがらーんとした広場を

子に見せたかったのに、ごちゃごちゃ

特設コンサート会場とかテントが並んでいる。

今ギリシア神話を読んでいて、

キュパリッソスはКипарис(キパリス:糸杉)。

仲良しの鹿を誤って殺してしまい

哀しみ続ける一生を送るために

アポロンに頼んで糸杉になって嘆き続けている。

ちょうど読んだばっかりの糸杉が

クレムリンの壁沿いに植わっているのを子に話し。

レーニン廟やその後ろの墓の説明をし。

 

気づいたら、児童書のテントの横。

二人の少年が座ってサメの本を読んでて。

子も、目に付いた本を取って、

その隣に座って読み出した。

 

子の脇で本にサインをしている人がいて、

よく観察すれば、児童作家が10人ぐらい

アチコチでサイン会をしており。

子がある本を数ページ読んでたので、

私「その本面白い?」

子「うーん、あんまり」

後で会場を回っていたら、その作家がいた。

私「あの本買ってみる?」

子「いらない」

 

さらに、見覚えのあるおじいさんがいて、

私「ねぇ、『霧の中のハリネズミ』知ってるでしょ?」

子「ニェット(いいえ)」

・・・アニメを見せたことあった筈なのに。

巨匠ノルシュテインだったけど、

サインもらえるチャンスだったけど、

子が知らないなら意味がない。

 

小一時間過ごして、百科事典を買って、

アイスクリーム休憩を取る。

赤の広場のアイスは近所のスーパーの2,5倍。

 

帰ろうと思って、偶然児童書コーナーの

横を通りかかると、また子が引っかかって、

座って読みだした。

図書館のノリで読み終わると別のを取る。

周りは本好きだらけなので、

本に熱中している子供が

好意的に受け止められるのである。

スタッフのお兄さんも気にしてない。

結局、一時間以上アレコレ読んで、

やっと重い腰を上げてくれた。

 

地下鉄駅へ向かうと、腕を引っ張られ、

子「ママ、メリーゴーランドに乗りたい!」

無料で行列も少なく、すぐ乗れた。

高さにビビり、低い方の固定された馬に乗り。

動き出してすぐ、貧乏くじを引いたと悟る。

 

次は上下に動く馬に乗りたいと、

出口から出て、また入口に並び。

すぐ乗れた。すっかりご満悦。

7歳以下は大人同伴で一緒に台に乗らなければ

ならないので、私もグルグル回る・・・

 

家に帰って、夕食作って、「ママこれ読んで」。

百科事典のАгрегатные состояния вещества

(物質の集合状態)の項。

気体・液体・固体・プラズマについて

ロシア語の説明。勉強になりますけど・・・

 

夏が来ると、出かけたがりの姑が

毎週末ウチに来ようとする。

 

甘い菓子をたくさん持って。

子が姑の鞄を漁って飴玉をくすねても叱らない。

行儀が悪くても悪い言葉を使っても笑って叱らない。

子の要求どおり携帯でゲームをさせたり見せたり。

本を読むと、目が悪くてよく見えず、

音読がそんなに上手じゃない。

オセロなどのゲームをすれば居眠りする。

子と一緒に散歩するには歩くのがゆっくり。

 

家でも外に出ても、結局姑の話し相手は私で、

ずっと会話に付き合わなくてもならない。

もちろん、良い嫁なんて演じてないので、

愛想のない性格を隠しもせず、

あまり相手しない。

 

「これから行くから、いいかしら?」

なんてSNSが土曜日朝に来て。

返答に困って未読スルーしていると、

一時間後に夫からSNSが来た。

早く家を出たいのに、嫁から返事が来ないと

連絡が行ったんだろう。

夫が「休ませた方がいい」と連絡してくれて、

姑のメッセージは削除された。

 

翌週末、孫に会いたいとやってきて。

その次の土曜日、姑から連絡が来ず。

よしよし、平和な週末だと思ってたが。

日曜日、7時半に子が起きて朝食。

食後クモンのノートを数ページやったので、

「おばあちゃんと話したい」という望みを叶えたが最後。

朝9時頃。

子「おばあちゃん、今日来て!」

姑「あたしも七面鳥炊いたし、行きたいわ。

  でも、ママはなんて言うかしら」

子「ママ、おばあちゃん来るって!」

私「・・・。別に・・・いいけど」

 

子にわがままさせて、喋り倒して

帰って行った。

 

夫は「大学を出て、エンジニアとして働いて、

 聡明な母だったのに、何故か、いまでは

 無教養な年寄りのようになり下がった

 のが残念で悲しい。子の悪い言葉遣いを

 聞いて笑うとか、昔はそんなんじゃなかった」

 

(異国の嫁だし)孫の教育には口を出さない

ことにしているのだとしたら、

それはそれで私は助かるけど。

私自身、祖父母には超甘やかされたから、

姑の行動を批判する気はないけど。

毎日スカイプしているにもかかわらず、

孫への依存度が高くて困る。