パンドールのせい | 雪上の足跡

雪上の足跡

降っても融けても消える、はかないメモリー

子「Всё из-за пандоры!」

 (みんなパンドールィのせいだ!)

私「なに、パンドールって?」

子「覚えてないの⁉」

私「え…?」

 

ある朝、目覚ましが鳴って、

二人とも目を覚ましたけど寝てる状態の時。

子「ママ、眉毛を切りたい」

私「は?」

子「眉毛じゃない、まつ毛」

私「なんで?」

子「長すぎるから」

私「・・・まつ毛は目を保護するものだから、

  切ったりしないんです」

子「ママはまつ毛短いよね」

私「・・・・・・・あなたよりはね」

子「僕の方がまつ毛長い」

純然たる事実ですから、いいですけど・・・

 

見たら、風邪で目がウルウルしており。

目ヤニがまつ毛にこびりついて苦戦し

その発言になったらしい。

熱はないが、咳もしているし、園を休み。

 

数日間家にいるとつまらないので、

外に散歩しに出たいという。

子「遊びに行きたい!エゴールが待ってるから!」

私「病気の時は外に出ないの。

 エゴールと遊んだら、今度は彼に病気が移っちゃう

 かもしれないでしょ。治ってから。

 (大体、病気のイワンと外でばったり会って

 一緒に遊んで移されたんじゃ、愚か者)」

子「Всё из-за пандоры!!(パンドールのせいだ)」

 

はて、パンドールとは何ぞや?

 

何で覚えてないの!と興奮した子が

本棚へ行き、ギリシア神話の本を手に取った。

あぁ、パンドラ Пандораパンドーラ。

彼女が箱を開けたばかりに病気やら嫉妬やら

禍が人間界にもたらされた。

 

わざわざ子供用神話を入手したが、

端折り過ぎでヘラクレスのヒドラの血とか

面白いエピソードが入っていないので、

結局かいつまんで大人版を読むことになり。

下読み(夫に発音をみてもらう)の時間もなく

知らない固有名詞をいちいち辞書引く間もなく

ひたすらに怪しい発音でたどたどしく読んだ。

 

時々自分でもなんの呪文を唱えているのか

わからなくなりながら音読していたの、

ちゃんと内容を分かって記憶してるのね。

 

子「ママ、Еврисфейは弱虫だよね、ケラケラケラ」

別の時、遊んでいた子が脈絡もなくこんなこと言い。

はて、Еврисфей エヴリスフェイ。

何だっけ、誰だっけ?

私「Еврисфейって誰だっけ?」

子「ヘラクレスはバーン、

  Еврисфейはヒーッて隠れる」

私「ああ、王の・・・」

日本語思い出せず。

エウリュステウス。

 

子の思い出しギリシア神話について行けない。