アッという間に1ヶ月が過ぎ、

目の前の大型店が7月15日に華々しくオープンした。


さすが県下一を誇る大型スーパーとあって品揃えが充実している。

A商店の競合となる野菜売場もまた素晴らしい品揃えを行っている。


 ご主人と私は品揃え面を点検した後、買い物客でごった返す中、

来店客のかごの中を見て歩いた。


スーパーの買い物調査を行う際に、来店客の「かごの中身」を見て回ると、

だいたい何が売れているかの想像がつくからである。

 案の定、オープンするに当たっての充実ぶりが伺える鮮魚が、

どの来店客のかごの中にも入っている。


そして野菜類はと言うとそれ程でもないことに気付いた。内心
 「しめた!」
と思ったのは言うまでもない。

A商店のご主人もその点には既に気付いているようである。


 一通り大型店の調査を行った後、

すぐにA商店に戻り今調べたばかりの価格とA商店の価格を比べてみた。


ほとんどが大型店価格を下回っている。


ましてや『オープンセール価格』に対してである。


これならば通常体制になった時には、安さでの勝負には負けないということである。これにはご主人と2人で顔を見合わせてニンマリした。


 それから半年後、

たまたまA商店近くへ行く機会があり、

突然店を覗いてみることにした。

私の顔を見た奥さんは

 「イヤだよ先生、来るなら来るって言ってくださいよ。

こっちにも店をキレイにするとか準備があるんだから…」
と言いながらニコニコしている。


これは奥さんの自信の現れでもあった。

A商店はますます輝いていたからである。

A商店の内部事情に詳しい人に会って話を聴いたところ、

大型店がオープンしたにも関わらず、

6月以降A商店の売上は、昨年比200%以上の伸びを示しているとのことであった。


 そして当初、店を直すために私に提示した「10万円位で…」という先行投資額に対して、ご主人は百万円近くの先行投資を行っていたと分かった。


しかし本当に凄いのは、この半年だけでこの先行投資の百万円を回収し、更に+αの利益が出ているという点である。


 思い返せば、その年の1月に初めて会った時のご夫妻の顔は、

特にご主人に至ってはすっかりしょげ返っていたものである。


それが大型店オープンにも関わらず、

その年の暮れには200%以上の伸びを示していた。


 やはり死ぬ気でやったご夫妻の努力の賜と、

商売に対する意識転換の結果であると、つくづく思った。


 そしてあれから2年近くが経ったある日、

再び私はA商店のその後を探りに訪れてみた。


店先には、いつも通りニコニコと笑顔を絶やぬ奥さんの顔があった。

さらにもう1人、2年前にはいなかった見知らぬ顔の女性従業員が立っていた。


私の顔を見た奥さんが怪訝そうな顔をしている。

それもそのはずである。


2年前までは生やしていなかった「髭面」のせいで、

私とは分からなかったらしい。
 「水井です」
と言うと、ハッとして

「先生、分からなかったよ!」と再びニコニコしながら、

その後のA商店について色々と話してくれた。


 奥さんの話によると、

その後も順調に伸び続けており、2年前までは盆と正月に1日か2日休む程度で20年以上2人で頑張ってきたのが、昨年の5月からは月に2回定休日が取れるようになり、パートさんも1人雇えるようになったとのこと。


 また最近では、誰が書いたのか分からないが、A商店を示す地図のメモを持った県外ナンバーの車が買い物に来るようになった話など。


素晴らしい成功事例をたくさん聞くことができた。

さらに売上面では、この2年間倍々ゲームを続けており、もう少しで年間1億に届く勢いであった。


 しかし、その話の中で私が何よりも嬉しかった話は、

ご主人が今でも10時30分になると大型店を見に行き、

その日のA商店の営業を考えているというものだった。 


初めてA商店を訪れてから約2年が経つ中で、

それまでは一度も競合店調査などしたことの無かったご主人が、

この2年間ですっかりその行動が習慣化され、

今では大型店の野菜売場担当者に煙たがられる存在となっているということだ。


 そして現在のA商店はというと、

地域の青果市場の中でも群を抜く優等生にまで成長しているとの話を、同業者から耳にするまでになっている。


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ヒトづくり・ミセづくり・モノづくり・マチづくりのトータルアドバイザー
人材教育・販売促進・商品開発・地域活性化の
(株)ラフィネット総合企画
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 いよいよA商店再建策の実行である。

前の大型店の工事現場では、

7月のオープンに向けて着々と工事が進行している。


私は、何度もA商店の前を車で走り、

助手席から見たプライスカードの位置や大きさ、

商品の見え方などの点検を行った。


 何せA商店の前を車で通り過ぎる時間は、

たったの0.5~1秒足らずである。


その1秒足らずの瞬間に、いかにして

「お買い得感」や「新鮮さ」を訴えるかにA商店の命運はかかっている。


何度も何度も店の前を試走している中に、

私はあることに気付いた。


プライスカードは大きく、車中からも見えることは見えるが、

商品に付けられている値書き全部に「お買い得品」と書かれている。


それに全ての表示がみな同じ大きさである。


これでは「どれが本当にお買い得」で「どれを本当に売りたい」のかが分からない。

値書き札の色もみな一律「黄色の紙」である。

私はすかさず車を降り、ご主人に聞いてみた。


 「今日のお買い得品はどれですか?」
 「ご主人はどの商品を中心に売りたいのですか?」


そして「今日のお買い得品」と

A商店が「売りたい商品=利益の取れる商品」

が決まった。


まず今日のお買い得品は、他の値書き札に比べて大きく表示を変えた。


さらに売りたい商品を一等地に場所を変え、

手に取りやすい高さに並び替えた。


そうすることにより、店頭品ぞろえにメリハリが生まれた。

しかし私の目にはまだ何か物足りなさが感じられた。


 時間は4時を過ぎた頃である。よく見ると薄暗い。

だから店頭に並んでいる野菜達が活き活きしていないのである。


ふと天井を見ると、使われていないコンセントがいくつもあることに気がついた。

試しにそのコンセントに裸電球をいくつか取り付けてみたところ、

みるみる野菜達の新鮮さが浮かび上がってきた。


まさにライティング効果である。


そして夕闇迫るA商店の店頭が輝き始めたのである。


ちょうどその頃、夕食の支度で買い物に来ていたお客様達からは、

驚きとお褒めの言葉をいただけたのは言うまでもない。


しかし一番驚いていたのは、A商店のご主人と奥さんであった。


 これでA商店の再建のベースは出来上がった。

あとはこれから完成する大型店がオープンするまでの1ヶ月間、

仕掛けづくりである。


仕掛けづくりのポイントは、先にも述べたように

第1には「土物野菜」「通年野菜」「均一セール」等のカテゴリーの明確化である。


そして第二は、野菜の持つ「色の表現」である。


例えば柑橘系の果物ならば、レモンの黄色とグレープフルーツの黄色は違う。


さらにミカンのオレンジ色とネーブルのオレンジ色も違うのである。

それらをレモンの黄色からネーブルのオレンジ色まで、

グラデーションで並べて色表現をすると店頭がファッショナブルになってくる。


 このように葉物野菜も土物野菜も「1つの決まり事」に沿って商品の陳列を変えることにより、「A商店の野菜市場」がさらに活き活きし始めてきたのである。


あとはこの体制をいかに維持できるかにかかっている。


 作業を終了し、私はあえてご主人と奥さんに助言を行った。
「A商店がこれから先、伸びるも落ち込むも、いかにこの体制を維持できるかです」
…と。


さらに
「店のこの状態を維持するのは奥さんの責任、

仕入と商品の新鮮さを維持するのはご主人の責任です」


 二人は神妙な顔つきでうなずいていた。


また、ご主人にはこうも付け加えた。


 「明日から毎日10時半になったら、

1km先のBスーパーを見に行ってください。

そして何でも良いから、Bスーパーよりも、

一円安い商品を今日のお買い得として1~2品作ってください」



 私の問いに対して、ご主人はニコニコ笑いながらはっきりと


「分かりました!」

と応えてくれた。


これであとは、7月の大型店のオープンを待つばかりとなった。

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ヒトづくり・ミセづくり・モノづくり・マチづくりのトータルアドバイザー
人材教育・販売促進・商品開発・地域活性化の
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 2回目にA商店を訪れたのは、桜のつぼみは膨らみ始めたものの、

まだまだ冬の名残の続く3月中旬だった。


1回目の提案に基づき、まずご主人と奥さんに

再度本当に店を直す気があるのかどうかを確認してみた。


答えは「イエス」だった。


A商店のような店は全国に山ほどある。

そして、そのような店の共通点として一番に上げられるのが、

レイアウトのコンクリート化である。


 しかし、ご主人が不安げな顔で質問をしてきた。


 「店を直すのにどの位かかるんでしょうか?」


もっともな質問である。

どこの経営者も店を直したいのはやまやまである。


しかし、本格的に店を直すとなると、

百万単位を想像してしまうのが常である。
私は逆に質問を返した。


 「いくら位の予算でやりましょうか?」


ご主人から出た答えは
 「10万位でやれればと思っているんですよ」
だった。


 「それでは10万位でやりましょう!」
こう答えるとご主人の顔がパッと明るくなった。


続けて
 「そのかわり予算の少ない分、汗と体力を使ってもらいますよ」
と言った。ご主人も奥さんも笑っていた。


 いよいよ作業開始である。


まず、私が線を引いたレイアウト図面に基づき、

基本レイアウトの見直しに取りかかった。


作業をしながら
 「ところでご主人、今のレイアウトにしてから何年位になりますか?」
と問いかけてみた。


 「そうだね、俺が親父の代から引き継いだ時に店をちょっと直したから、かれこれ25年位になるかなぁ!」
涼しい顔でこう答えたものである。


 「そうですか!」


 私は笑いながら恐る恐るゴンドラ台を動かした。

案の定、その下には“土埃が化石化”したようなものが

5センチ位の高さでビッシリと埋まっていた。


 「奥さん、きっとこの中に千円分くらいの小銭が落ちていますよ!?」

私は冗談めかして奥さんに言った。


奥さんは笑いながら一生懸命に掃除をしていた。


その時、突然奥さんが大声を上げた。


 「先生の言う通り十円玉や百円玉の小銭がザクザク出てくるよ!」


作業をしていた5人は思わずそこに目をやり、やがて大笑いとなった。


作業は順調に進み、レイアウトも決まり、

2時間後には店内はすっかり一新された。


そこには以前の店内の姿は全くなくなっていた。


 次は店頭のステージ作りである。

何しろ予算的には10万位しかないとなると、余計なものは買えない。


何か使えるものはないかと裏の倉庫へ行き物色を始めた。


そこで目に付いたのが「ビール空ケース」の山だった。


早速、ご主人に確認したところ、別に使う予定はないし、

これならまだ沢山あるとのことだった。

 「ヨシッ!これでやろう」約50~60個のクモの巣だらけになったビールケースを倉庫から引っぱり出し水洗いをした。


そしてそれを店頭に雛壇に積み上げた。
 ゾーニングのくくりは、「通年野菜」「季節野菜」「バンドル販売」「均一価格」、そして「果物」「花卉」で構成した。


さらに品揃えを整理し、「葉物」、「土物」「菌茸」「豆類」等区分けをした。

見る間に店頭には「新鮮野菜市場」の賑わいが出来てきた。


 そうこうしているところへ一人のお客様が見えた。

そして奥さんに何やら話しかけている。


私は作業をしながらその会話に聞き耳を立てていると

「良い店になったねぇ。A商店じゃないみたい!」


「とても買い易くなったね」

等と話しているのである。


そこへまた2人、3人とお客様が来た。


口々に誉めてくれている。


そして今まで大して売れなかった花卉類が、

並べ替えている側からどんどん売れていくではないか。


これにはいささか驚いたが、一番驚いていたのがご主人と奥さんである。

今まで見向きもされなかったトレーに入った花卉が

30分位の間にアッという間に完売してしまったのである。


 レイアウト移動の効果とはこういうものである。


お客様は常に新鮮さを求めていることがこういうところで証明される。


しかし売る側はなかなか変えようとしない。なぜか?


 第一の理由は面倒臭さ。


ついつい「レイアウトを変えたくらいで売上が上がるわけがない」と決めつけてしまう傾向がある。


第二は、レイアウトを変えることによってお客様から言われる一言
 「確か前はこの辺にあったはずだけど、分からなくなってしまった」
を恐れているのである。


しかしたかだか15坪、大きくても30坪ほどの店内で、

そんな一言は、本当は恐るるに足りないのである。


 このようにして1時から始めた店内改装も、

とっぷりと日が暮れた6時頃には一通りの形が出来上がり、

活気らしいものが生まれ始めていた。

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 2回目にA商店を訪れたのは、桜のつぼみは膨らみ始めたものの、

まだまだ冬の名残の続く3月中旬だった。


1回目の提案に基づき、まずご主人と奥さんに

再度本当に店を直す気があるのかどうかを確認してみた。


答えは「イエス」だった。


A商店のような店は全国に山ほどある。

そして、そのような店の共通点として一番に上げられるのが、

レイアウトのコンクリート化である。


 しかし、ご主人が不安げな顔で質問をしてきた。


 「店を直すのにどの位かかるんでしょうか?」


 もっともな質問である。どこの経営者も店を直したいのはやまやまである。

しかし、本格的に店を直すとなると、百万単位を想像してしまうのが常である。
 私は逆に質問を返した。


 「いくら位の予算でやりましょうか?」


ご主人から出た答えは
 「10万位でやれればと思っているんですよ」
だった。


 「それでは10万位でやりましょう!」
こう答えるとご主人の顔がパッと明るくなった。


続けて
 「そのかわり予算の少ない分、汗と体力を使ってもらいますよ」
と言った。ご主人も奥さんも笑っていた。


 いよいよ作業開始である。


まず、私が線を引いたレイアウト図面に基づき、

基本レイアウトの見直しに取りかかった。


作業をしながら
 「ところでご主人、今のレイアウトにしてから何年位になりますか?」
と問いかけてみた。


 「そうだね、俺が親父の代から引き継いだ時に店をちょっと直したから、かれこれ25年位になるかなぁ!」
涼しい顔でこう答えたものである。


 「そうですか!」


 私は笑いながら恐る恐るゴンドラ台を動かした。

案の定、その下には“土埃が化石化”したようなものが

5センチ位の高さでビッシリと埋まっていた。


 「奥さん、きっとこの中に千円分くらいの小銭が落ちていますよ!?」

私は冗談めかして奥さんに言った。


奥さんは笑いながら一生懸命に掃除をしていた。


その時、突然奥さんが大声を上げた。


 「先生の言う通り十円玉や百円玉の小銭がザクザク出てくるよ!」


作業をしていた5人は思わずそこに目をやり、やがて大笑いとなった。


作業は順調に進み、レイアウトも決まり、

2時間後には店内はすっかり一新された。


そこには以前の店内の姿は全くなくなっていた。


 次は店頭のステージ作りである。

何しろ予算的には10万位しかないとなると、余計なものは買えない。


何か使えるものはないかと裏の倉庫へ行き物色を始めた。


そこで目に付いたのが「ビール空ケース」の山だった。


早速、ご主人に確認したところ、別に使う予定はないし、

これならまだ沢山あるとのことだった。

 「ヨシッ!これでやろう」約50~60個のクモの巣だらけになったビールケースを倉庫から引っぱり出し水洗いをした。


そしてそれを店頭に雛壇に積み上げた。
 ゾーニングのくくりは、「通年野菜」「季節野菜」「バンドル販売」「均一価格」、そして「果物」「花卉」で構成した。


さらに品揃えを整理し、「葉物」、「土物」「菌茸」「豆類」等区分けをした。

見る間に店頭には「新鮮野菜市場」の賑わいが出来てきた。


 そうこうしているところへ一人のお客様が見えた。

そして奥さんに何やら話しかけている。


私は作業をしながらその会話に聞き耳を立てていると

「良い店になったねぇ。A商店じゃないみたい!」


「とても買い易くなったね」

等と話しているのである。


そこへまた2人、3人とお客様が来た。


口々に誉めてくれている。


そして今まで大して売れなかった花卉類が、

並べ替えている側からどんどん売れていくではないか。


これにはいささか驚いたが、一番驚いていたのがご主人と奥さんである。

今まで見向きもされなかったトレーに入った花卉が

30分位の間にアッという間に完売してしまったのである。


 レイアウト移動の効果とはこういうものである。


お客様は常に新鮮さを求めていることがこういうところで証明される。


しかし売る側はなかなか変えようとしない。なぜか?


 第一の理由は面倒臭さ。


ついつい「レイアウトを変えたくらいで売上が上がるわけがない」と決めつけてしまう傾向がある。


第二は、レイアウトを変えることによってお客様から言われる一言
 「確か前はこの辺にあったはずだけど、分からなくなってしまった」
を恐れているのである。


しかしたかだか15坪、大きくても30坪ほどの店内で、

そんな一言は、本当は恐るるに足りないのである。


 このようにして1時から始めた店内改装も、

とっぷりと日が暮れた6時頃には一通りの形が出来上がり、

活気らしいものが生まれ始めていた。

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A商店の店舗診断を終え、

帰りの電車の中でどうしたらA商店が蘇るかを思いつくままに

ペンを走らせた。


そこで思いついたのが出店するスーパーの逆利用である。


店舗スペースの問題、品揃えの問題、駐車場の問題等々、

どれを取ってもスーパーに敵うわけがない。


それならば利用できるものは徹底的に利用してやろう。


これが私が出した結論である。


それと今の品揃えの徹底した見直しによる野菜専門店への

業態変更である。


以下がその時にまとめたA商店への経営戦略提案の報告内容である。


1.
商品面においては、現在の狭い店舗スペースの中で

“何でもあり”的な品揃えは、スーパーが6月に出店した際には、

非常に厳しくなることは目に見えている。


逆に何が強いのかを鮮明に打ち出し、

思い切った商品展開に変えるべきである。


そういった意味では、野菜に対しては経営者自身も相当の自信を持っているので、野菜と果物、花卉に大きくシフトすべきである。


幸いにスーパーの駐車場が斜め左に位置するため、

現在駐車スペースになっている店頭を使ったオープンな

“昔ながらの八百屋さん”風の店を作ってみると面白い。


ちなみに駐車場はスーパーにあるので、

これはA商店の駐車場だと思えばよい。


「野菜はA商店」のイメージが定着できれば、相当期待できると思われる。



2.
現在の買い物環境は決して良いとは言えない。


特に食料品という扱いアイテムの中で店内の整理整頓や什器についての清掃を、もっとこまめに行うことが必要である。


ましてや「2年前の干支の張り紙」などは言語道断である。


店が古いとか新しいとかは関係ないのである。

古ければ古いなりに歴史を感じるものである。


要は、いかに毎日磨いているかの問題であり、

店舗の汚れや乱れは仕事分担で言えば、奥さんの責任である。


店が繁盛するも衰退するも、全てこの基本にかかっているのである。



3.
情報面では、近隣客を中心に宣伝広告らしきものはほとんど行っていない。


しかし今後スーパーが出店してくる中で、

必ずしも新聞折り込み等を入れる必要はないが、

“野菜はA商店”のイメージ付けのための手配りチラシや、

新規客を狙った店頭告知看板等によるアプローチは行う必要がある。


また、スーパーの駐車場を利用する顧客に対して、

駐車場に向けての衝動買いを誘う、

大きなPOPやプライスカードは効果が出る。


いずれにしても集客時間の中心帯は3時過ぎから始まるため、

夕方から夜にかけての時間帯にどんな仕掛けをするかが勝負となってくるので、店舗の店先を明るくしてスーパーに来る顧客の目に止まる買い物環境とお買い得情報の提供を徹底的に行っていく。



4.
店舗イメージとしては「新鮮野菜市場」が望ましい姿である。


現在の何でもある食料品店のイメージから、

スーパーが最も得意とする日用雑貨や冷凍食品等をやめ、

新鮮野菜一本に絞り込んだほうがインパクトが出てくる。


今のままでいけば売上面から見ても、また在庫面、廃棄率面からみても、

じり貧傾向は免れない。


今後は目的要素と衝動買い要素からの客数アップと

買い上げ率アップを狙うべきである。



 これがA商店へ出した戦略転換の方向性である。


しかし長年やってきた商売のやり方をここで大きく転換しなければならない。


たしかにご主人は
 「先生がそこまで言ってくれるのなら、先生の言葉に賭けてみます」
とは言ってくれたものの、

本当にあのご夫婦がここまで自分達の意識と店の転換を出来るのかどうか、一抹の不安が頭をよぎった。

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