A商店の店舗診断を終え、
帰りの電車の中でどうしたらA商店が蘇るかを思いつくままに
ペンを走らせた。
そこで思いついたのが出店するスーパーの逆利用である。
店舗スペースの問題、品揃えの問題、駐車場の問題等々、
どれを取ってもスーパーに敵うわけがない。
それならば利用できるものは徹底的に利用してやろう。
これが私が出した結論である。
それと今の品揃えの徹底した見直しによる野菜専門店への
業態変更である。
以下がその時にまとめたA商店への経営戦略提案の報告内容である。
1.
商品面においては、現在の狭い店舗スペースの中で
“何でもあり”的な品揃えは、スーパーが6月に出店した際には、
非常に厳しくなることは目に見えている。
逆に何が強いのかを鮮明に打ち出し、
思い切った商品展開に変えるべきである。
そういった意味では、野菜に対しては経営者自身も相当の自信を持っているので、野菜と果物、花卉に大きくシフトすべきである。
幸いにスーパーの駐車場が斜め左に位置するため、
現在駐車スペースになっている店頭を使ったオープンな
“昔ながらの八百屋さん”風の店を作ってみると面白い。
ちなみに駐車場はスーパーにあるので、
これはA商店の駐車場だと思えばよい。
「野菜はA商店」のイメージが定着できれば、相当期待できると思われる。
2.
現在の買い物環境は決して良いとは言えない。
特に食料品という扱いアイテムの中で店内の整理整頓や什器についての清掃を、もっとこまめに行うことが必要である。
ましてや「2年前の干支の張り紙」などは言語道断である。
店が古いとか新しいとかは関係ないのである。
古ければ古いなりに歴史を感じるものである。
要は、いかに毎日磨いているかの問題であり、
店舗の汚れや乱れは仕事分担で言えば、奥さんの責任である。
店が繁盛するも衰退するも、全てこの基本にかかっているのである。
3.
情報面では、近隣客を中心に宣伝広告らしきものはほとんど行っていない。
しかし今後スーパーが出店してくる中で、
必ずしも新聞折り込み等を入れる必要はないが、
“野菜はA商店”のイメージ付けのための手配りチラシや、
新規客を狙った店頭告知看板等によるアプローチは行う必要がある。
また、スーパーの駐車場を利用する顧客に対して、
駐車場に向けての衝動買いを誘う、
大きなPOPやプライスカードは効果が出る。
いずれにしても集客時間の中心帯は3時過ぎから始まるため、
夕方から夜にかけての時間帯にどんな仕掛けをするかが勝負となってくるので、店舗の店先を明るくしてスーパーに来る顧客の目に止まる買い物環境とお買い得情報の提供を徹底的に行っていく。
4.
店舗イメージとしては「新鮮野菜市場」が望ましい姿である。
現在の何でもある食料品店のイメージから、
スーパーが最も得意とする日用雑貨や冷凍食品等をやめ、
新鮮野菜一本に絞り込んだほうがインパクトが出てくる。
今のままでいけば売上面から見ても、また在庫面、廃棄率面からみても、
じり貧傾向は免れない。
今後は目的要素と衝動買い要素からの客数アップと
買い上げ率アップを狙うべきである。
これがA商店へ出した戦略転換の方向性である。
しかし長年やってきた商売のやり方をここで大きく転換しなければならない。
たしかにご主人は
「先生がそこまで言ってくれるのなら、先生の言葉に賭けてみます」
とは言ってくれたものの、
本当にあのご夫婦がここまで自分達の意識と店の転換を出来るのかどうか、一抹の不安が頭をよぎった。
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ヒトづくり・ミセづくり・モノづくり・マチづくりのトータルアドバイザー
人材教育・販売促進・商品開発・地域活性化の
(株)ラフィネット総合企画
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