ラフィーネさんのブログ -3ページ目

健康診断のすすめ②

健康診断のもう一つの目的は“がん検診”です。

これ、当然ですよね!
1981年に死亡原因の第1位になって以来、
トップをひた走り今でも30%を超えています。
なんと2人に1人はがんにかかるといっても
過言ではない時代です。

しかも、今やがんは必ずしも死の病ではなく、
早期に発見すれば治る病気でもあります。

がん検診がいかに大切か分かろうというものです。

義兄がまさにこのケースでした。
7年前、勤め先の健康診断での出来事です。
「忙しいのに面倒くさいな、また健康診断かぁ……」
そんな思いで“仕方なく”受診したそうです。

健診の項目に胃のX線検査があります。
胃がんの疑いありと精密検査を受けるよう言われました。
さっそく胃の内視鏡検査を受けて胃がんと確定。

本人曰く「青天の霹靂」だったそうです。
そりゃあそうですよね、自分ががんに罹患するなど、
思いもよらなかったでしょうから……。

胃の3分の2を切除することになりましたが、
早期ということで事なきを得ました。
手術後数年は本人も家人も再発を恐れていましたが、
現在では忘れたように退職後の生活を楽しんでいます。

この幸運は健康診断なしには考えられません。


ラフィーネさんのブログ

(日経BPnet「自分で健康を守る100の知恵」より)

地方自治体が行っているがん検診の項目は上表の通り。
T生はこれに加えオプションとして用意されている、
前立腺がん(PSA)の健診も受けています。

女性が乳がんや子宮がんを留意すべきように、
男性は中高年になると前立腺が不調になりがちです。
血液検査によるPSA数値を計るだけですから、
面倒はなく費用も2,000円と手頃です。

この数年は糖尿病外来の指導よろしく
再検査を言われることがなくなりました。
しかし、健康診断を受け始めたころは再検査、
つまり精密検査をいくつも受けたものです。

その中で興味深かったのは胃がん検診です。
胃の内視鏡検査を受けるよう指導されました。

40歳前後のころストレスで胃潰瘍の疑いがあり、
大学病院で内視鏡検査を受けたことがあります。
この時は口から内視鏡の管を入れました。
苦しくて何度も吐きそうになりました。

それで「ああ、またあの苦しみを味あうのか…」と、
憂鬱だったのですが、この時は鼻から入れるもので、
ずいぶんと管も細くなっていました。
おかげでほとんど嘔吐感もなく済ますことができました。
医学の進歩、ずいぶんと楽になったものです。

また、疑いの結果は胃潰瘍の痕と判明、ひと安心です。
しかし、T生の胃の中にはピロリ菌がいることも判明。
担当医から除菌することをすすめられました。

このピロリ菌、最近よく話題になっているようです。
慢性胃炎をはじめ、胃潰瘍や胃がんなどは、
すべてピロリ菌が関係しているのだとか……。

日本人の約50%以上がピロリ菌に感染している
との調査結果もあり、なかでも50歳代以降では、
保持者が70%以上とも言われています。

T生にとってはピロリ菌除去も健診の副産物でした。

ということで、手軽に受けられるがん検診として、
健康診断を利用しない手はありませんね。

健康診断のすすめ①

今年も区(自治体)の“無料健康診断”を受け、
その結果が先日送られてきました。

数値をチェックするついでに最初の頃の
結果を見てびっくりしてしまいました。
あまりにもひどい数字に、健診を受け病院に通う
ようになって本当に良かったと実感したのです。

T生が無料健康診断を最初に受けたのは53歳の時、
今回で7回目になります。

サラリーマンならば労働安全衛生法で年に1回以上、
定期健康診断を受けるように法律で決められています。
雇用主の義務であり検査項目も法律で定められています。

もっとも若い頃はこうしたことには無頓着で、
「仕事が忙しいのに…」と面倒なだけでした。
結果をもらっても眺めて終りだったように思います。

40代の後半にサラリーマンではなくなり、
健康診断を受けることがなくなりました。
おそらくその時以降、自治体から無料健康診断の
案内が来ていたのだと思われます。

先日も病院の窓口でこんな会話を耳にしました。
70歳前後の男性患者が看護師に文句を言っています。

「Aさん、血液検査を受けてくださいね」
「ええっ、オレこの間も受けたよ。何回も必要ないだろう」
パソコンの画面でカルテを確認しながら看護師は、
「でも1年以上前ですよ。年に1回はね……。
あら、区の健診も2年受けていないじゃないですか。
いま無料で受けられますから受診しましょうよ……」

自分の健康に関心がないというのは困ったものです。

しかし、こういう人は意外と多いのではないでしょうか?
かくいうT生もそうでしたから…。


ラフィーネさんのブログ

(日経BPnet「自分で健康を守る100の知恵」より)

ある時、区の無料健診の案内が目に留まり、
自分も老年に近づいたのでと受診することにしました。
結果はいま思うと「要医療」だったはずです。

しかし、面倒なのでほったらかし、
翌年は受診しませんでした。

翌々年に再度受診、ここから記録が残っています。
指導区分を見ますと「異常なし」「要指導」「要医療」と
3段階ありましたが、当然「要医療」でした。

医師の説明を受け糖尿病外来の受診を勧められました。
以来、糖尿病の治療を受けるようになって4年になります。
月に1度、医師と話しているうちに知識も増え、
食生活や運動のコントロールができるようになってきました。

ここで初期の健診結果にびっくりした話に戻ります。

その数値の悪さはひどいもので、判定結果を見ると
高脂血症、肝機能、糖尿病、胸部X線、尿検査が
要医療。加えて軽度の高血圧となっています。

特に糖尿病の「ヘモグロビンA1c」は「9.3」でした。
現在、薬は飲んでいますが「5.6」と正常値。
その他は中性脂肪と血糖値が少し高い程度と、
そこまで下がってきました。

これらはすべて健診を受け医師の指導を
受けるようになったおかげといえます。

ということで、年に1回の健康診断、おすすめです。
しかも多くは無料(一部低額有料)なのですから……!


認知症の高齢者 10年で倍増

前回、もの忘れ・認知症について書いたその日、
「認知症の高齢者、300万人超す 10年で倍増」
というタイトルの新聞記事を見つけ驚きました。

「認知症の高齢者が300万人を超えたことが24日、厚
生労働省の推計で分かった。149万人だった2002年か
ら10年間で倍増しており、65歳以上人口に占める割合
は約10%になった。従来の予測を上回って急増……」
(日本経済新聞、8月24日)

高齢者の10人に1人の割合かぁ……!
この数字、他人事にするには高すぎますよね。

T生、20年程前に取材した医師を思い出しました。
青梅慶友病院院長(当時)・大塚宣夫医師です。

当時、自宅で親を介護ずることの大変さが話題でした。
特にアルツハイマーの呆け老人が夜中に徘徊し、
家人は24時間気の休まることがなく、
共倒れになるケースが注目されていたのです。

「面白いお医者さんがいるから取材してみたら」と、
知人から大塚医師を紹介されました。

大塚医師は内科医としての研修を終えたのち、
自分はどういう医療にかかわっていこうかと考え、
日本が高齢化社会を迎えるのならばと、
老人医療に興味を持ったと言います。

そこでいろいろな老人病院を見学し、
自分なりの実態調査をしたそうです。
そこで大きな疑問を持ちました。

ある老人病院でのことです。
「あれ、なぜに静かできれいなんだろう?」
本来、呆け老人がいれば徘徊はあるし、
きれいな生活はあり得ないはずだからです。

その病院では病気の老人をクスリで抑えていたのでした。
この状態で何年かするとお亡くなりになります。
家人も困って入院させていますから文句は出ません。

このような老人病院が結構あったそうです。

大塚医師はこうであってはならないと考えました。
どういう病院経営がよいかを学ぶために留学。
帰国後、患者主体の病院を設立します。
それが青梅慶友病院でした。


ラフィーネさんのブログ

(ミソハギ、小石川植物園)

「患者を束縛しない老人病院」
「家族が安心して預けられる老人病院」
言うは易く、行うは難しです。

呆け老人は徘徊しますから、安全が大切になります。
階段に柵を設けたり、危険なものを置いておかないなど、
当時、いろいろな工夫をされていました。
また、呆け老人は下の世話を自分ではできないし、
食事も食べ散らかしたりします。

しかし、ワン・フロア内は患者を束縛することなく、
自由行動を確保していました。
病院スタッフの苦労は並大抵ではないはずです。

そこで、興味深いのは病院スタッフの採用方法です。
自分のポリシーに賛同できる人しか採用しません。
採用後のスタッフ教育にも熱心でした。

その語り口は静かでしたが、自分の経営方針を
社員に徹底しようとする経営者のそれでした。
したがってT生も医師というよりは経営者の話を
聞いているような気がしたものです。

その中で医師としてなるほどという言葉が2つありました。

「みなさん、年を取って呆けることを心配していますが、
呆けたらね、呆け勝ちなんですよ。徘徊することも、
身の回りが汚くなることも、本人の問題ではなくて、
周囲が困る問題です。本人はそんなことに頓着しません。
自由でさえあれば、意外と幸せなんですよ」

「ただね、家族の顔が分からなくなっていても、
感情は残っています。時折会いに来ていただいて、
話しかけたり、スキンシップすることで、
患者さんが落ち着き、幸せ感に満たされるのです。
ですから、呆けても放ったらかしにしてはいけません」

これらの話を聞いてT生も親の面倒を見てもらうなら、
大塚医師にお願いしたいと思ったものです。

事実、大塚医師のポリシーは患者家族に受け入れられ、
その時も病棟を建て増ししていました。
今回、ネットで調べてみましたら、
さらに大きくなり研究機関なども設立されていました。

現在、病院経営がどうなっているのかは知りません。
しかし、認知症の問題はさらに大きくなっています。
それだけに、もう一度、この20年のお話を
聞いてみたいと思ったものでした。