最近は写真はPENTAX Qで撮ることが多くなりました。カメラ本体は小さいしそのぶんレンズもずいぶんコンパクトです。持って歩くのが楽ということがあります。
またふつうのデジカメのレンズをつけて超望遠レンズで撮ったような写真も簡単に写せます。高価なアダプターが必要ですが (^^;;
また写りにしても標準レンズにあたる01 Standard Primeで撮った写真はセンサーサイズの小ささを考えると非常にいいと思います。
で、PENTAX Q(PENTAX Q10もおんなじ?)は良いカメラかと聞かれるとちょっと微妙です。
おもしろい、あるいは楽しいカメラであることは確かなんですが....
いろいろあるんですがそのうちの一つから。
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PENTAX Qを天体写真の撮影に使おうとすると露出時間の設定可能範囲がとても問題になります。詳細は
「組立天体望遠鏡を切断する 」 編集
にあります。(2014-03-25 18:48:26)
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このあいだ球面鏡のボケについて記事を書いたときにも使ったF値に対するエアリーディスク(注)の半径直径の表をちょっと作り替えたものです。
F16でも1/40mm以下ですから二重星を見るようなときでないとあんまり意識しないものだと思います。ところがPENTAX Qはセンサーサイズが非常に小さく6.2mmに4000画素がひしめいています。画素一つのサイズは0.0016mmしかありません。
つまり(純正ではそこまで絞れませんが)F16なんて絞って撮ったりするとエアリーディスクの中に100個以上の画素が入ってしまいます。
PENTAX Q用のレンズは明るいです。標準レンズがF1.9、望遠ズームのテレ端でもF2.8が確保されています。
ずいぶん明るいレンズだと喜んでいたのですが、実際は画素密度が高いためそのくらいのF値の小さなレンズじゃないと解像度が確保できないんですね (^^;;
PENTAX Q(のレンズ)にはふつうのレンズにはない不思議なものが内蔵されています。NDフィルターです。
おそらくこれもできるだけ使ってF値を小さくしろということなのでしょう。
PENTAX Qの画質に極端に悪い評価を下したものを見かけるんですが、ひょっとしてF5.6とかF8とかそんなので撮った画像を見てのことではないのかと疑っています (^^;;
良いカメラと言い切れないのはこんな神経を使わなければならないところに理由があります。
ところで組立望遠鏡で撮ろうとするとF8ということになります。じつは最初の頃ピクセル等倍で見て、あれ、ピントがあっていない、と思ったものです。最近はやっとこれがふつうだと慣れました (^^;;
それでもブログの記事に使うくらいに縮小すればけっこういい感じになり見栄えのする画像になりますよ。
PENTAX Q の撮影のコツは可能な限りF値の小さいレンズを使って(絞りを開いて)ピントをきちんとあわせることですね。決して、もうちょっと絞ったらシャキッと写るはず、とか思ってはいけません。
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注
恒星のように大きさのない光源からの光はセンサー上でも大きさのない点になるはずですが実際はレンズの周辺での回折のため大きさを持った点として写ります。この大きさを持った点のことをエアリーディスクといいます。エアリーディスクの大きさは口径に反比例して小さくなり焦点距離に比例して大きくなります。つまりF値(焦点距離/口径)に比例し、F値が小さいレンズほど解像度がいいことになります。
カメラ全体としての解像度はエアリーディスクが十分小さければセンサーのピクセル数で決まりますが、エアリーディスクが大きければレンズの解像度で決まることになります。
PENTAX Qはあまりにセンサー密度が高いため相対的にエアリーディスクが大きいことになりカメラとしての解像度はほとんどレンズのF値で決まってしまうことになります。
(2013-03-31 11:45:18)
その昔写真を撮り始めたころ絞れば画像が引き締まると教えられました。収差が減り被写界深度が深くなるからでしょう。
レンズの設計技術が進みまた収差の電子的(ソフトウェア的)補正が行われるようになりましたし、ピントはオートフォーカスでぴったり合うようになりました。
そしてPENTAX Q/Q10くらいのセンサー密度になって“絞るほど画質が悪くなる”時代になってしまいました (^^;;
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ネコの瞳からわかるようにちょっと暗くなってからの撮影です。
こっちはF1.9(1/60sec、ISO320)
![池袋駅北口のぐんまのやぼう](https://stat.ameba.jp/user_images/20130331/01/r52-ar-2/b7/5a/j/o0435058012480683935.jpg?caw=800)
こちはF2.0(1/125sec、ISO125)です。
![池袋駅北口のぐんまのやぼう](https://stat.ameba.jp/user_images/20130331/01/r52-ar-2/d8/a0/j/o0580043512480683934.jpg?caw=800)
(2013-03-31 02:05:49)
(2013-03-31 11:45:18 半径==>直径の誤記を修正し、注を追加しました)
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「PENTAX Qで赤外線撮影 」 編集
「PENTAX Q で赤外線写真(再) 」 編集
「PENTAX Q でオリオン大星雲(続編) 」 編集
「PENTAX Q でオリオン座と昴 」 編集
「PENTAX Qで木星のしましま」 編集
「続・PENTAX Qで木星のしましま 」 編集
「PENTAX Qはいいカメラか?(訂正・追記あり) 」 編集
「天体望遠鏡・コリメート撮影の原理 (1) (訂正あり) 」 編集
「天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (1)」 編集
「天文関連記事一覧」 編集
またふつうのデジカメのレンズをつけて超望遠レンズで撮ったような写真も簡単に写せます。高価なアダプターが必要ですが (^^;;
また写りにしても標準レンズにあたる01 Standard Primeで撮った写真はセンサーサイズの小ささを考えると非常にいいと思います。
で、PENTAX Q(PENTAX Q10もおんなじ?)は良いカメラかと聞かれるとちょっと微妙です。
おもしろい、あるいは楽しいカメラであることは確かなんですが....
いろいろあるんですがそのうちの一つから。
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PENTAX Qを天体写真の撮影に使おうとすると露出時間の設定可能範囲がとても問題になります。詳細は
「組立天体望遠鏡を切断する 」 編集
にあります。(2014-03-25 18:48:26)
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このあいだ球面鏡のボケについて記事を書いたときにも使ったF値に対するエアリーディスク(注)の
F値 | エアリーディスク の |
1.4 | 0.0020 |
2 | 0.0029 |
2.8 | 0.0040 |
3.5 | 0.0050 |
5.6 | 0.0080 |
8 | 0.0115 |
11 | 0.0158 |
16 | 0.0230 |
F16でも1/40mm以下ですから二重星を見るようなときでないとあんまり意識しないものだと思います。ところがPENTAX Qはセンサーサイズが非常に小さく6.2mmに4000画素がひしめいています。画素一つのサイズは0.0016mmしかありません。
つまり(純正ではそこまで絞れませんが)F16なんて絞って撮ったりするとエアリーディスクの中に100個以上の画素が入ってしまいます。
PENTAX Q用のレンズは明るいです。標準レンズがF1.9、望遠ズームのテレ端でもF2.8が確保されています。
ずいぶん明るいレンズだと喜んでいたのですが、実際は画素密度が高いためそのくらいのF値の小さなレンズじゃないと解像度が確保できないんですね (^^;;
PENTAX Q(のレンズ)にはふつうのレンズにはない不思議なものが内蔵されています。NDフィルターです。
おそらくこれもできるだけ使ってF値を小さくしろということなのでしょう。
PENTAX Qの画質に極端に悪い評価を下したものを見かけるんですが、ひょっとしてF5.6とかF8とかそんなので撮った画像を見てのことではないのかと疑っています (^^;;
良いカメラと言い切れないのはこんな神経を使わなければならないところに理由があります。
ところで組立望遠鏡で撮ろうとするとF8ということになります。じつは最初の頃ピクセル等倍で見て、あれ、ピントがあっていない、と思ったものです。最近はやっとこれがふつうだと慣れました (^^;;
それでもブログの記事に使うくらいに縮小すればけっこういい感じになり見栄えのする画像になりますよ。
PENTAX Q の撮影のコツは可能な限りF値の小さいレンズを使って(絞りを開いて)ピントをきちんとあわせることですね。決して、もうちょっと絞ったらシャキッと写るはず、とか思ってはいけません。
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注
恒星のように大きさのない光源からの光はセンサー上でも大きさのない点になるはずですが実際はレンズの周辺での回折のため大きさを持った点として写ります。この大きさを持った点のことをエアリーディスクといいます。エアリーディスクの大きさは口径に反比例して小さくなり焦点距離に比例して大きくなります。つまりF値(焦点距離/口径)に比例し、F値が小さいレンズほど解像度がいいことになります。
カメラ全体としての解像度はエアリーディスクが十分小さければセンサーのピクセル数で決まりますが、エアリーディスクが大きければレンズの解像度で決まることになります。
PENTAX Qはあまりにセンサー密度が高いため相対的にエアリーディスクが大きいことになりカメラとしての解像度はほとんどレンズのF値で決まってしまうことになります。
(2013-03-31 11:45:18)
その昔写真を撮り始めたころ絞れば画像が引き締まると教えられました。収差が減り被写界深度が深くなるからでしょう。
レンズの設計技術が進みまた収差の電子的(ソフトウェア的)補正が行われるようになりましたし、ピントはオートフォーカスでぴったり合うようになりました。
そしてPENTAX Q/Q10くらいのセンサー密度になって“絞るほど画質が悪くなる”時代になってしまいました (^^;;
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ネコの瞳からわかるようにちょっと暗くなってからの撮影です。
こっちはF1.9(1/60sec、ISO320)
![池袋駅北口のぐんまのやぼう](https://stat.ameba.jp/user_images/20130331/01/r52-ar-2/b7/5a/j/o0435058012480683935.jpg?caw=800)
こちはF2.0(1/125sec、ISO125)です。
![池袋駅北口のぐんまのやぼう](https://stat.ameba.jp/user_images/20130331/01/r52-ar-2/d8/a0/j/o0580043512480683934.jpg?caw=800)
(2013-03-31 02:05:49)
(2013-03-31 11:45:18 半径==>直径の誤記を修正し、注を追加しました)
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「PENTAX Qで赤外線撮影 」 編集
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「PENTAX Q でオリオン大星雲(続編) 」 編集
「PENTAX Q でオリオン座と昴 」 編集
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