四つの記事にわたって延々と書いていますので結論だけ先に書いておきます。
考え方としては「眼視でピントの合う範囲で接眼レンズを鏡筒から抜く方向に動かしておく」とすれば安全だと思います。
近視の方は注意する必要がありコリメート撮影のときは裸眼で望遠鏡のピントを合わせるのはやめた方がいいです。
近視でない方もあんまり手前にI2を結像させてしまうとカメラのピントが合わなくなります。
つまりピントのあう範囲であっても接眼レンズを鏡筒に差し込む方向で動かしてしまうと__こうすると倍率が若干上がってよく見えるようになるのでじっさいそうしがちだと思います__カメラのピントが合わなくなるリスクが高まります
(2014-03-25 19:12:01)
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コリメート撮影の話はそのうちぼちぼち書こうと思っていたのですが、勢いがあるうちに一気に行きます (^^)
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前回は拡大撮影についてで、その中で直焦点撮影の説明もしました。だからこんどは残っているコリメート撮影についてです。最初の記事はまず接眼レンズについてです。拡大撮影とコリメート撮影の大きな違いは接眼レンズの使われ方にあります。
なんども使った
1/f = 1/a + 1/b
の式ですがaを大きな値からだんだん小さくしていくと逆にbはどんどん大きくなっていきます。
a=2 * f のところで b=2 * f となって a=b となります。そしてaがfに近くなるにつれてbは加速度的に大きくなります。遠方の天体の光が焦点近くに結像するというのと逆のことが起きているわけです(焦点に点光源を置くと平行光線が得られます)
じゃあ、a がfより小さくなったらどうなるか?
b はマイナスになります。bを長さと考えるとヘンな話なんですが、じつはbはレンズから右方向に測った距離であり b < 0 は像がレンズの左側にできることを意味しています。
ただ像ができるとは言ってもこれまでの話とはちょっと違います。
Pから光軸に出た光はレンズで屈折して右側の焦点の方に向かい、レンズの中心に向かった光は直進します。この二つの直線の交点が結像位置だったのですが今回の場合はこの二つの直線の交点はQで左側にあります。
ここが結像位置なのですがここにセンサーを置いてもI1の形が写るわけではありません。というかここは光の通り道ですからものを置くこと自体おかしいです。
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(上の表現は誤解を招きそうなので訂正します)
たとえばPから光軸に平行に出た光はレンズで屈折してFの方向に向います。これをEから見ると光はあたかもQから出てきたように見えます。ただあくまでもQから出てきたように見えるだけで実際にQ点を通る光があるわけではありません。だからQのところにセンサーを置いてもI1の形が写らないのです。
実像の場合は結像した位置を実際に光線が通っています。
ここが実像と虚像の違いになります。
(2013-04-19 12:44:11)
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ただレンズの右側Eのところから見るとI1があたかもI2にあるように見えることになります。つまり実体のない像=虚像ができているわけです。目で見えるのですからEにカメラをおけば写真を撮ることもできるでしょう。
この虚像の大きさはI1の大きさの b/aになります(この数値もマイナスですがこれは結像したものが虚像であることを示すと解釈すればいいと思います)
I2はI1より大きくなっているのですがEから見れば遠くにあるわけですから別にそれほど拡大されているようには見えないはずです(図からわかるようにぜんぜん拡大されて見えないわけではないです)
ところで目で見るのならできるだけ近づいて見た方が大きく見えます。ふつう(?)の人だったら250mmまで近づけるそうです。ちなみに私は老眼ですが近視ですので100mmくらいまで近づけます。若いころはもっと近づけたんですが (^^;;
(長くなりそうなので続きはあとで....)
(2013-04-12 12:04:04)
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「天体望遠鏡コリメート撮影の原理 (1)」 編集
拡大撮影との接眼レンズの使い方の違い
「天体望遠鏡コリメート撮影の原理 (2)」 編集
「虫眼鏡」としての接眼レンズの機能を考える
「天体望遠鏡コリメート撮影の原理 (3)」 編集
天体望遠鏡の機能とコリメート撮影を考える
「天体望遠鏡コリメート撮影の原理 (4)」 編集
コリメート法による撮影でピントがあわない理由
「天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (1)」 編集
対物レンズについて、直焦点撮影について
「天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (2)」 編集
接眼レンズについて
「天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (3)」 編集
拡大撮影について
「天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (4)」 編集
拡大率の簡単な計算方法
「天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (0)」 編集
記事で使った公式の証明
「天文関連記事一覧」 編集
考え方としては「眼視でピントの合う範囲で接眼レンズを鏡筒から抜く方向に動かしておく」とすれば安全だと思います。
近視の方は注意する必要がありコリメート撮影のときは裸眼で望遠鏡のピントを合わせるのはやめた方がいいです。
近視でない方もあんまり手前にI2を結像させてしまうとカメラのピントが合わなくなります。
つまりピントのあう範囲であっても接眼レンズを鏡筒に差し込む方向で動かしてしまうと__こうすると倍率が若干上がってよく見えるようになるのでじっさいそうしがちだと思います__カメラのピントが合わなくなるリスクが高まります
(2014-03-25 19:12:01)
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コリメート撮影の話はそのうちぼちぼち書こうと思っていたのですが、勢いがあるうちに一気に行きます (^^)
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前回は拡大撮影についてで、その中で直焦点撮影の説明もしました。だからこんどは残っているコリメート撮影についてです。最初の記事はまず接眼レンズについてです。拡大撮影とコリメート撮影の大きな違いは接眼レンズの使われ方にあります。
なんども使った
1/f = 1/a + 1/b
の式ですがaを大きな値からだんだん小さくしていくと逆にbはどんどん大きくなっていきます。
a=2 * f のところで b=2 * f となって a=b となります。そしてaがfに近くなるにつれてbは加速度的に大きくなります。遠方の天体の光が焦点近くに結像するというのと逆のことが起きているわけです(焦点に点光源を置くと平行光線が得られます)
じゃあ、a がfより小さくなったらどうなるか?
b はマイナスになります。bを長さと考えるとヘンな話なんですが、じつはbはレンズから右方向に測った距離であり b < 0 は像がレンズの左側にできることを意味しています。
ただ像ができるとは言ってもこれまでの話とはちょっと違います。
Pから光軸に出た光はレンズで屈折して右側の焦点の方に向かい、レンズの中心に向かった光は直進します。この二つの直線の交点が結像位置だったのですが今回の場合はこの二つの直線の交点はQで左側にあります。
ここが結像位置なのですがここにセンサーを置いてもI1の形が写るわけではありません。
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(上の表現は誤解を招きそうなので訂正します)
たとえばPから光軸に平行に出た光はレンズで屈折してFの方向に向います。これをEから見ると光はあたかもQから出てきたように見えます。ただあくまでもQから出てきたように見えるだけで実際にQ点を通る光があるわけではありません。だからQのところにセンサーを置いてもI1の形が写らないのです。
実像の場合は結像した位置を実際に光線が通っています。
ここが実像と虚像の違いになります。
(2013-04-19 12:44:11)
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ただレンズの右側Eのところから見るとI1があたかもI2にあるように見えることになります。つまり実体のない像=虚像ができているわけです。目で見えるのですからEにカメラをおけば写真を撮ることもできるでしょう。
この虚像の大きさはI1の大きさの b/aになります(この数値もマイナスですがこれは結像したものが虚像であることを示すと解釈すればいいと思います)
I2はI1より大きくなっているのですがEから見れば遠くにあるわけですから別にそれほど拡大されているようには見えないはずです(図からわかるようにぜんぜん拡大されて見えないわけではないです)
ところで目で見るのならできるだけ近づいて見た方が大きく見えます。ふつう(?)の人だったら250mmまで近づけるそうです。ちなみに私は老眼ですが近視ですので100mmくらいまで近づけます。若いころはもっと近づけたんですが (^^;;
(長くなりそうなので続きはあとで....)
(2013-04-12 12:04:04)
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