天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (1) | 池袋駅北口の「ぐんまのやぼう」

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まず基本的なところの再確認から始めます。

焦点距離fのレンズLがありLからa離れたところの被写体I1Lからb離れたところでI2として結像したとします。
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この場合次の関係が成り立ちます。

  1/f = 1/a + 1/b

もしfaがわかっていてbを求めるのであれば

  b = 1 / ( 1/f - 1/a )

となります。

結像したI2の大きさは図から明らかなように次の式から求められます。

  I1/a = I2/b
  I2 = I1 * b/a
  I2 = I1 * 1 / ( 1/f -1/a ) / a = I1 / ( a/f - 1 )

例 273mmの対物レンズでできるお月様の像(実像)の大きさ

この場合af に比べて極めて大きいので
  I2 ≒ I1 / ( a/f )
    = I1 * f / a
    = 3,474.3[km] * 273[mm] / 384,400[km]
    ≒ 2.47[mm]

  お月様の像の大きさはだいたい2.5mmとなります。

この像はもちろん目で見ることができます。ただ2.5mmですからとても小さいです。これは望遠鏡の接眼鏡をはずして鏡筒をのぞきこめばわかります。

そこでI2の像を虫眼鏡で拡大して見れば目でも月の細部が見えるようになります。それが天体望遠鏡です。

またI2のところに(カメラの)センサーをおけば月の写真が撮れます。これが直焦点撮影です。

たとえばPENTAX K-rだとセンサーの横のサイズが26.8mm4,288px(ピクセル)ですから

  4,288[px] * 2.5[mm] / 26.8[mm] ≒ 395[px]

395pxの大きさの月の画像が得られます。

ちょっと書き忘れてしまいましたがこの例だと

  b = 1 / ( 1/273[[mm] - 1/384,400[km])
   = 1 / ( 1/273 - 1/384,400,000,000[mm])
   = 273.0000002[mm]

となります。つまり無限遠といえるほどに遠いところにあるもののばあい b は焦点距離とほぼ同じ(わずかに焦点距離より長い)になります。

(すぐに続く)

(2013-04-10 21:22:28)

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    拡大率の簡単な計算方法
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  「天体望遠鏡コリメート撮影の原理 (1)
    拡大撮影との接眼レンズの使い方の違い
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    「虫眼鏡」としての接眼レンズの機能を考える
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    天体望遠鏡の機能とコリメート撮影を考える
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    コリメート法による撮影でピントがあわない理由

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