2023年7月8日、11年ぶりの大分探索第1日目。この日のネタで記事にしているのは深江隧道、臼津隧道と強烈オプション。今宵ご紹介するのはこの日の一発目に訪ねた市街地物件。
事前にお断りしておくが、写真が全体に白っぽい。当日は薄曇りかつ極めて湿気の高い、まさにうだるような暑さで、特に序盤はどこで撮っても湿気のせいかこのような感じになった。修正しようかとも思ったんだが、まあ当日の記憶を残すという意味でそのままにしております。
いきなり、ドン。
なんとなくのサイズ感、伝わるだろうか。
野趣あふれる素掘り隧道だが、
この立地が特筆ものなのだ。
辺境の山中にあるのかと思いきや、
表示されている地図のど真ん中にこの隧道はある。
かつては文字通り辺境の山の中だったのだろうが、宅地開発が進んで今や住宅街の真ん中に。こういうの大好き。一応マピオンでも現在地を貼っとく。
何より萌える(今はエモいって言うべきなのか)のが、
この立地でこの洞内!鑿痕ビッシリの完全素掘りとは、素敵すぎるぞこれ。
この道は大分市道。逆に言えば、管理者たる大分市がこの状態で供用し続けられるほどに状態よく安定しているってことになる。
改めてこの隧道、Q地図様によれば寒田(そうだ)隧道という。完成年は不明、延長は74mとのこと。
振り返りの、鉄板の構図。
素掘りなのにこの美しいアーチ曲線はどうかね。素晴らしいね。
では、車で抜ける。
軽自動車なので余裕だが、普通車ならそれなりに窮屈だろうな。
で、抜ける手前で異変が。
おおっと、ここへきてコンクリ巻きか。
抜けたところが広くなっていたのでそこへ車を突っ込み、
西側坑口を観察。
隧道上が広い切り通しみたいに見える。実際かつてはそうだったのかもしれないが、今では隧道上を横切る道なんかもあるので、どんな風になっているのか。
で、このガッツリコンクリ補修だ。
洞内の安定ぶりとは裏腹に、ここ西側坑口付近は安定しなかったのかもしれない。さっき見えた土被りの薄さが関係あるのか否か。
ここまで固められてるってことは、崩落が発生した可能性が高いかな。
「補修補強材の変状」「補済」。まだ段階的な補修の途中なのかもしれない。
かたや洞内は安定感バリバリ。
メリハリ凄いな。
わたくし気に入っているのが、こちらの鉄板の構図。
小高い山の上から団地を見下ろす景。いにしえの景はどんなものだったのだろうか。田畑が広がっていたのかな。
これ、当時ダイジェストにも使った写真だったと思うのだが、
これもけっこうお気に入りだ。しかしここ、ミラーの一本くらいはあったほうがいいかも。
隧道から下っていく道も、隧道と同じ幅員で。
ここも古い道の雰囲気が残っていた。昔は田畑のへりをくだっていくような道だったんだろう。
いや~、市街地物件としては最高レベルな逸品だった。これでマイナー物件だってんだから、さすが大分、ってところか。
以上。