開聞トンネル(御倉本2号&1号トンネル) (鹿児島県指宿市開聞川尻) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

2020年6月10日、出張中の休みに敢行した「鹿児島超タイト駆け足周遊」。この日のネタで記事にしているのは、滝見橋と終盤の飯牟禮隧道神園隧道

 

今宵ご紹介するのは、神園隧道と並んで絶対に訪ねたかったところ。数年前に地理院地図で見つけて以来、念願だった物件である。

 

 

 

この先のはずなのだが、

なんかハードルが高いぞ。

 

ゴルフ場への私道に見えるのだが、よく見ると「開聞山麓自然公園」とも書いてある。入っていってもいいみたいだ。

 

 

 

 

 

400mほどでゴルフ場のゲート?があるようだが、

その手前がどうやら…ですな。

 

まずは車を停めて、徒歩偵察。

 

 

 

 

 

二車線道から分岐するほっそい道の、

その先にわだかまるのは…闇。キましたな~。現在地コチラ

 

 

 

 

 

お姿を見ていただく前に、わたくしが心奪われた「地理院地図での見え方」をご覧いただきたいのだが、

めっちゃそそらんかね?(笑)

 

この日に先立つ数年前の鹿児島出張で目論んでいた県内徘徊(結局頓挫したけど)。これに向けて調べていた中で発見したこの隧道表記にいたく心動かされ、いつか絶対行きたい!となった。

注目していただきたいのは、長い隧道と短めの隧道、二本連続しているということで、ネットで調べてみたところ、二本を総称して「開聞(かいもん)トンネル」と呼びならわしているようだ。

 

ちなみに、情報は仕入れたが、お姿は極力見ないようにしたので、ほぼビジュアルは未知。いったい、どんなんなってんだろうか?

 

 

 

 

 

つうわけで、いよいよ念願の、

ごたーいめーん。

 

まあこの坑口写真だけはチラ見で(ネットにて)見てしまってたんだが、第一印象は、「土被りなし!」。が、怖さは全然感じなかった。

 

というのも…。ここのことを調べたときに出てきたネット情報は、ほとんどが心霊スポットとしてのもの。曰く「鹿児島県最恐の心霊スポット」ですって。見飽きたわこういうフレーズ(笑)。

ただ、ド晴天の真昼間に来てるからこそかも、とは感じた。タイミングによっちゃあ、確かにけっこうな雰囲気を醸すんだろうな~、って感じ。

 

 

 

 

 

で、おもむろにのぞいた洞内が、

うーん、なかなか。

 

洞内に点々と明かりが見える。幅員は完全に車一台分。これはズーム気味に撮ってるが、向こうの明かりは見えない。

 

 

 

 

 

点々と見える明かりの正体は、

天井の開口部からのもの。ここから女性の霊がのぞいていたり、ぶら下がってたりするんですって。へえー(棒

 

 

 

 

 

フラッシュ・オンだと、こう。

天井部分は、波型ライナープレート。

 

ここまでの情報だけで、このトンネルの正体は明らか。開口部と波型ライナープレートがずっと続いているってことは、ずっと地表すれすれってこと。つまりこれ、実態は「トンネル」じゃなくって「地下道」だ。

 

これをガッカリ要素と捉えるかどうかは人それぞれだが、面白い物件であることは間違いない。なんでこんな珍なことになってるのか?その理由も事前に目にしてきてはいたが、事実なのかどうかは定かでない。

 

とりあえずは、実走してみるとする。

 

 

 

 

 

振り向いての、

鉄板の構図。

 

…を撮ってたら、背後遠くから聞こえてきた。「あの音」が。急いで退避だ!

 

 

 

 

 

いや、オカルト的なことでなく(笑)、

車が出てきた~。

 

なんと、ちょうどトンネルに入ろうとする車二台がやってきて、このトンネル前は一時鉢合わせ&離合で盛り上がった(笑)。あまりに至近で見てたので気兼ねして写真は撮れず。

 

 

 

 

 

その直後にも、もう一台。

マジかよ。けっこう車通るじゃないのさ。

 

 

 

 

 

心霊的にはなんも感じないが、この想定外の通行量にはちょっとビビるな~。

 

とはいえ、もちろん突入した。つうわけで、行きに撮った動画を。

ちなみにこの時の車は、軽自動車であります。
 

 

 

 

さて、動画、ご覧になった?

 

特に最初と最後、ド逆光でお見苦しいけども、さっきのが前フリよろしく、いきなり対向車が来たのには、ヤバっと思いながらも正直「オイシイ」と感じてしまった(笑)。下がったほうがいいかなと考えてたら、あんなとこに退避スペースがあったとは。

 

 

二本のトンネル、正式名は入ってきた方が御倉本(オクラモト)2号トンネル、続いて1号トンネルだということで、これは普通にトンネルリスト(平成16年度道路施設現況調査/国土交通省)にも掲載されている。スペック的には、いずれも昭和41年建造、延長は1号トンネルが625m、2号トンネルが152m。ちなみに幅員3.4m、有効高3.8mはどっちも同じ。

 

動画をご覧いただいても、そしてこの数字を見ても、実際のところはそこまで(ギリギリマニアが喜ぶほどの)狭いトンネルではない。もちろん退避スペースなしじゃ離合はできないけど(笑)。

 

 

 

 

 

で、これが徐行して撮影した

二本のトンネルの間の明かり部分。いわば、波型ライナープレートを取り除いただけ、的な、なぜかビニールハウスの骨格みたいな金属棒によるアーチで覆われている。クセ強いな~!

 

 

本当はもっとゆっくり堪能したかったけど、存外に通行量があることを体感してしまった後だけに、それは憚られた。この明かり区間なら、軽自動車同士なら離合できるかもしれんけど。

 

 

 

 

 

つうわけで、

こっちもちょっと徒歩で進入してみようかね。

 

 

 

 

 

正対・・・しかし、

なぜか写真ボケボケ。心霊現象か?(笑)

 

 

 

 

 

こちらも同じようなもんだが

いきなり曲がってますな。もう少し進んでみようか。

 

 

 

 

 

動画をご覧いただいたら伝わったと思うが、

地形に沿って細かくうねっていて、かつ勾配変化も複数。頭上には明り取りの開口部。実走してみて改めて確認した。前半で書いたように、これは実態として「トンネル」ではなく「地下道」だ。つまり、地表近くに作った掘割に蓋をしたような道なんだな。

 

 

この二本のトンネル、ウィキ先生によると、

1966年に地元の観光開発業者が開聞山麓にゴルフ場と公園を建設する際、ゴルフ場や公園の利用者(特に外国人客)から、農作業等を行なう地元住民が見えないようにするための目隠しとして造られたもの」だという。

確かに現在もゴルフ場・公園があるけど、でもそれ、本当なのかなあ。根拠が示されてもないし。

 

どうやったらこのトンネルが「農作業などを行う地元住民が見えないようにするための目隠し」になり得るって?道の上で農作業してるわけでもあるまいし、地表よりも下を潜ってるだけの道が、どうやって?

 

どうも嘘くさい。これって単に、ゴルフ場や公園の開発に否定的な立場の人間が言いふらしただけの話なんじゃ?客観的に見て、開聞山麓自然公園の園地に干渉しないように道路をアンダーパスさせただけの話だと思うのだが。

 

まあこれもまた、わたくしが勝手に思ってるだけだし、知らんけど(笑)。

 

 

 

 

 

とにかくこの日は時間に追われた弾丸ツアー、

本当はあの明かり区間まで行きたかったが、断念して撤収した。

 

 

 

 

 

結果、ここもまた、なんらオカルト的怖さは感じなかった。

ただ、二本のトンネルと明かり区間の造りが独特だったために、祭り上げられただけじゃないのだろうか。そう意味では納得感はあったかな。

どうでもいいけど一部心霊系サイト、「開門」って誤字やらかしてるぞ。ちゃんとしろ(笑)。

 

 

 

最後に余談。

 

往路がド逆光だったために、戻りで改めて動画を撮った…のだが、スマホがオーバーヒートして電源が途中で落ちてしまってパー。さすがにもう一往復する時間的・精神的余裕がなく、諦めた。まあ、これが心霊現象なのかもしれんな(違

 

 

 

つうわけで、期待に違わず楽しめた「御倉本2号&1号トンネル」でありました。

 

 

 

以上。