【5】より続く。
はうっ。
…ってなったね、実際のハナシ(笑)。
一の滝の上流、クランク状に屈曲した先からいきなり目に飛び込んできたのは、
これぞターゲットと思しき「穴」だった。
遡上開始から寄り道コミで70分。穴…いや、明らかに人の手によって掘られた隧道が現れた。これぞ目的のブツで間違いない…はずだが、あららら。水が出まくりですやん。参ったな。
と申すのは…わたくしが予習で唯一拝見した先人の写真(滝屋さんの記事なのであくまでおまけ扱い)では、この穴からは水が流れていなかったんですな。なので、池郷川不動滝の隧道の時と同じく内部探索をやる気満々で来たのだが…。
まあ…死亡遊戯的な桟橋がないだけありがたいので、良しとするか(笑)。
余談だが、この日の水量は(ここまでの記事でわかるように)決して多くなかった。にも拘らず、これだけざあざあ流れているというのは…あの先人の写真の時ってよっぽどの渇水状態だったんだろうか?
以下、同じような写真を連発しますがご容赦のほど。
左岸側の崖をへつって接近しつつの一枚。
右奥から手前に流れてきているのが中野川本流。対しての隧道、先ほどの写真では穴の向こうが見えていたので、恐らくは中野川の屈曲部をショートカットした位置にあるのだろう。
うーむ、
やっぱこれは内部探索は無理だ。危険すぎる。
それにしても面白いのは、
向こうが見えない位置だと断面がまん丸に近く見えるが、向こうが見える位置だと縦長断面に見えること。
…えっ?面白くない?残念(笑)。
あっちこっち移動しながら、
写真を撮りまくり。
そして、ズーーーーム!
隧道を通して見えているのは…どうやら「二の滝」じゃないか?これはイイ~。
遠巻きに眺めているだけでは物足りないので、もちろん接近もしてみた。そして改めて、内部探索は怖すぎるのでやめよう、との決意を確固たるものに(笑)。
最接近位置から撮り始めた動画を、よろしければ。
なんだかんだでいまいちサイズ感がわかりにくかったかと思うが、直下から見上げたこの感じで、だいたいのサイズ、伝わるだろうか?
いきなりこの位置にワープするが、
これは中野川をもう少し遡上した、屈曲部の頂点からの一枚。
右から左へ、オメガカーブを描いて流れる中野川。それを造り出す急峻な岩峰を正面に見ているが、これを貫いているのがあの隧道、ということになる。
写真では見切れているが、右端には「二の滝」と思しき滝がもう見えていた。先ほど隧道越しに見えていたのは、やはり。
こんな澄んだ淵を見ながら、
相対する、
千人場の滝・二の滝。
で、この二の滝の正面に…
例の隧道が~。この呑口側は打って変わって縦長。しかも斜めに見える?
これはやはり…中野川屈曲部をショートカットするというこの位置を考えるに、材木流しのための隧道だとしか思えない。
三枚目の写真でよくわかると思うが、最初に見えた吐口のすぐ上流あたり、いかにも材木を流しにくそうな渓相に見えるので、有効だったのじゃないかと。
前回も書いたが、一の滝をショートカットする隧道もあってもよさそうなものだと思えた。あの千人場、材木流しには障害にしかならない気がするのだが、あるいは千人場、ちょっとした土場(林業的には、材木の集積所を指す)として使われていたとか?
しかしこうなってくると…以前記事にしたコレ、てっきり池原ダムの完成によって流れの変わった北山川をショートカットさせるものだとしか思ってなかったが、もしかしてもっと古い、材木流し用だった可能性も…あったりするのか?ないのか?どうなんだねキミぃ~。
いや~面白いな。
さて、可能な限り接近してみたが、
これ以上は深すぎて無~理~。ウェーダーがなければ到底接近できない。そして…やっぱり斜めってる。
その斜めってる部分、
めっちゃスパッと切れ落ちてて凄い。
まるで、熱したナイフでバターを切ったような。これ、どういう施工なんだろう。この線できれいにパッカーンと割れたのだろうか。でなければ、こんなきれいな断面にはなかなか施工できないと思うのだが。
これが、この日最も内部をしっかり撮れた一枚となった。
で、改めて、二の滝。
ささやかだった一の滝に対して、この二の滝はスケールが大きく、なんというか…あでやか?派手ハデしくはないものの、そこはかとなく華やかな…そんな印象を持った。これまた実に素晴らしい滝ですなあ。
左岸側から、脇を少し登ってみた景がこちら。
上部にもまだ段瀑(で正しいかな?)が続いていた。どこまでの二の滝と呼ぶのかはわからないが、いや、見事な滝だ。
まだ遡上して行けそうだったが、隧道が目的だったわたくし、ここまでで撤退とした。お腹空いたし…(笑)。
【7】に続く。