【7】より続く。
爆上がりで、ケダモノのように斜面をよじ登ってきたそのテンションはどこへやら、
こりゃあ参った。怖すぎる。
まず怖いのは、この目前の部分。桟橋上に上から流れてきた土砂が堆積して平らな路面がない…どころか、激しく断崖絶壁に向けて傾斜している。わずかなワンミスさえ許容しなさそう。
そしてある意味それよりも怖いのが、桟橋そのもの。
一体いつからメンテされてないのかわからないし、現に探索最序盤、腐れて穴だらけという「絶対的信頼度の低さ」を目に焼き付けちゃっているしなあ。
ましてやここ、これまでとは段違いで堆積物が多く(耐荷重的に心配)、そしてこれまでとは段違いにたっかい高い、まさに「落ちたらゼッタイ死ぬ」そのものな局面だ。
なんて思いながら、さらにイヤなことに気づいてしまった。
あそこの支柱、上だけじゃなくて下部もひん曲がってねえ?でかい落石でも直撃したか?
気づきたくなかった~。ヤダ~。
しかし、ここまで来て断念することは有り得ない。
まず目前の危険な傾斜をチェックしてみた。幸いなことに、湿った腐葉土的な土はグリップは充分、少なくとも足を滑らせて転落することはなさそうで、しっかりと慎重に足を運べば問題なさそうだった。つまり、高さへの恐怖心の問題であり、それだけならわたくし的にはなんとかなる。
桟橋についても、あと人ひとり分の荷重くらい加わっても大丈夫だろう…と信じきれば、そして足の置き場を確認しながらならば、まあ行けるかなと。
要は、根性と度胸頼みという、わたくしには不向きな局面(笑)。しかし、ここは引けない、断じて。
つうわけで、
やったったぜ。よくやった、ヘタレなわたくし。
そんなわたくしがいるのは、もはや憧れの隧道の坑口そのものだ。時刻は9時45分。探索開始から3時間50分が経過していた。
あぁ、そうそう。先に書いとくが、
隧道の前を通り越して、さらに先へと延びる平場があることには気づいていた。
あれをさらに辿れば、不動滝を圧巻のアングルで拝める位置へと行ける…のだろうと思ったが、わたくしごときにはとても無理。なんの装備も技術もなしに、これ以上の危険を冒す気にはなれなかった。つまり、行ってない。心残りでないといえばウソになるが、後悔はしてない。
さあ!さあさあさあ!
キタよ!10年ごしの、憧れの隧道が。もう感無量だ。
サイズとしては人道レベル、洞床まで含めて完全素掘りで入洞地点からは明かりは見えない。どうなっているのかは、進んでいくしかない。
その前に、
苦労して辿りついた隧道、鉄板の構図。沁みるぜ。
既に何度もご覧頂いているとおり、断崖の只中にぽっかりと開口しているため、ドローンでもなけりゃ正対写真は撮れない。
さて、では…。
参りましょうかね。
この洞床の感じからして、
交通のための隧道って感じがしないし、きっと違うだろう。だってこの隧道こそが「滝」を生み出しているんだから。
つまり今は明かりは見えないけど必ず貫通しているはずだし、水が溜まっているのも当然だ。その先の光景もなんとなく予想がついた。
20mちょいくらいは入ってきただろうか。
ここで坑道はぐぐっと登り勾配を増しながら右カーブして…
見えた!
貫通の明かりだ。
ここで再度、振り返り。
うむ、この感じはやはり…水路隧道のテイストだ。
向き直れば、さらに増す勾配と、
尋常ならざる段差が登場。
本気、出してきた?
【9】に続く。
久々の2ケタ連載、確定っすな…。











