小野尻隧道 (廃) 【前篇】 (兵庫県丹波市山南町小野尻~多可郡多可町中区牧野) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
2015年8月22日、徘徊@HTKの初日序盤に訪れた、この日最初のメイン・ターゲットをご紹介。ちなみに、ここに来るまでのネタで記事にしているのは、国道佐伯バス停ツクエガイチ&キリツメバス停豊川歩道橋(あいさつ橋)
 
 
 
はい、まずはここから。
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ここは兵庫県道86号多可柏原線・小野尻トンネル、東側坑口前。
 
 
昭和53年建造の現トンネル向かって左には、見落としようもない旧道入口が。地図を見るとわかるが、旧道は現道を斜めに横切る線形となっていたようだ。
 
 
 
この旧道の奥に、
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本日最初のメインターゲットが鎮座しているはず。
 
ゲートでしっかりと封鎖されている。が、何か掲示されているようだが…?
 
 
 
そこに書かれていたのは、
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ホッと一息、通っていいやつだった。「通ったら閉めてね」系のやつ。
 
が、ここで問題が、せっかく通ってイイやつなのに、フェンスの下が土砂で埋まって、鍵を解除しても開きやしない。ちくしょー!
 
結果、通っていいやつなのに乗り越える、と(笑)。
 
 
現道から丸見えやのに、カンベンしてよ…。
 
 
 
ようやくゲートを超えると、そこはもう
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黄泉の国。
 
廃道ってのは多かれ少なかれ「黄泉感」があるもんだが、ここはのっけから濃度が凄い。
 
 
 
 
振り返れば、
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そこは生者の世界。
 
好きやな~このメリハリ。変なオカルト的意味でなく、もっと観念的な。
 
 
 
 
なぜならもう、
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そこにいるから。
 
うっそりと佇む3.1mの高さ制限標識が迎えてくれている。
 
 
 
 
おおおこれは
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期待以上!!
 
明治42年建造、旧・小野尻隧道の登場。
 
切石積みのポータルに、アーチは煉瓦。土木学会選近代土木遺産Cランク。
 
 
 
長年の放置のせいか、
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お世辞にも状態がいいとはいえない。
 
アーチの巻厚は四層。フラッシュを焚いたら、煉瓦の色が鮮やかに写った。で、この写真ではわかりにくいのだが、左のほう・・・
 
 
 
 
けっこう激しく
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ポータル上から水が流れ落ちていた。
 
 
 
フラッシュ焚いたら、今度は
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水がよくわからなくなっちゃった。
 
とりあえず、キラキラしてるのは水滴だと思っていただければ。まあ要は、滝みたいになってたってことで。もちろん足元は水浸し。
 
ポータル脇に、上からの水を落とす排水管が設けられているのがわかるだろうか。この状態だと、管は詰まっちゃってるんだろうな…。
 
 
 
右手の排水管に至っては、
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底抜けてるし~。
 
鉄筋も剥き出しやし、傷みが激しい。ところで…迫受石の角、これってラウンド型?あるいは単なる摩耗?
 
 
 
 
そして、気になる洞内の様子は…
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完全水没 But 貫通。
 
とにかくどえらい湿気で、フラッシュ焚いたら例の感じ(同業者あるある・笑)になっちゃった。これは手持ちライトでなんとか撮った一枚。これでも明度を上げております。
 
封鎖のフェンスは完封でなく、上部は開いている。なので入ろうと思えば入れただろうが、自粛しておいた。貫通も視認できたし。むしろ、貫通が確認できてなかったら、入りたかったかも(笑)。
 
 
 

とりあえずは、

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堪能した。
 
 
 
 
生者の世界へ帰還して、
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思わず深呼吸。
 
 
さて、お次はもちろん、反対側を見に行かねばな。