鳴鹿大堰 魚道見学橋 (福井県吉田郡永平寺町法寺岡) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
2015年5月1日、「史上最長の作戦」となった能登遠征最終日。
 
前夜は能登を離脱して、小松市の「道の駅こまつ木場潟」にて車中泊。 基本的には「あとは帰るだけ」のこの日。逡巡した結果、取りこぼしや心残り物件を拾いつつ、徐々に滋賀へ戻ることに。
 
 
…というわけで、あやとり橋を後にし、いくつか寄り道を経て、次の目的地である愛宕トンネル探しのために国道364号線・鳴鹿(なるか)橋で九頭竜川を渡りながら…二度見!
 
 
けしからんものが見えたので、即寄り道決定!こうしてパッパカパッパカ脱線していくのよね~。まあそれが楽しいんやけど(笑)。
 
 
 
 
それがコレ。
 
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小ぶり~な三連ワーレントラス。
 
人道橋?それはその通り。けどよーく見ていただきたい。違和感がふつふつと沸いてこないかね?
 
勾配とか、2スパン目と3スパン目のトラスの角度とか。
 
 
 
わかりやすいサイドアングルがあればよかったけど。
 
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この橋、実は対岸までつながっていない。觀音橋パターンですな。
 
鳴鹿橋からのファーストコンタクトで驚いたのは、それが理由だった。この時点では、水害による流出橋梁?とか思ってしまったが、間近で見てまあそれは違うな、と。
 
場所はコチラ
 
 
このように、左岸から川半ばまで、「チョイ」とね(笑)。地図の正確性を信頼するならば、ちょうど永平寺町内に納める意図があったのか?
 
 
 
 
次に考えたのは、なんらか水利関連の施設だろうと。
 
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しかし、それにしちゃあフルオープン。超ウェルカム状態(笑)。
 
コレはどういう橋なのか?モチロン予備知識ゼロなので頭の中は「?」がぐ~るぐると回っていた。
 
 
が、上の写真左端に写っているものを見て
 
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…ははーん。
 
 
 
 
そして欄干?側面に発見。
 
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「見学橋」。コレだ正体は。
 
マトモに撮ってなくて恐縮だが、1枚目・2枚目写真左端に写りこんでいるのが、九頭竜川中流域の最重要治水・利水施設である「九頭竜川鳴鹿大堰(なるかおおせき)」。この橋は、その大堰が備えている魚道を観察できる観察室へのアプローチ橋であるようだった。
 
現地でわかったのはそこまでだったが、帰って調べてみてわかったのは、この見学橋が、平成15年に完成した現・鳴鹿大堰の前身である「鳴鹿堰(頭首工)」(昭和30年完成)の一部を転用したものであるということ。鳴鹿大堰は旧頭首工の直下に建造されたようなので、見学橋の場所がすなわち実際の旧鳴鹿堰(頭首工)の場所だったのだろう。
 
 
肝心の魚道は見に行かなかったが、こういう第二の人生…いや、橋生もイイね。
 
 
 
 
まあ現地ではそんなん知らんし。ただ体感するのみ。失礼します!
 
 
 
 
 
 
人道サイズの下路トラスって、楽しいなあ~。
 
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この勾配、伝わるかなあ。
 
最初の2スパンはグングン登る。奥に見える3スパン目でカクン、と角度が変わっているが、あれが水平(たぶん)。
 
 
 
1スパン目と2スパン目の間から、
 
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階段を降りて魚道観察室へと行けるようになっている。
 
 
 
 
 
降りてみて、上流側より。
 
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このアングルだと、勾配が際立つな~。
 
 
 
 
ちなみに魚道観察室は下流側、大堰寄りにあるようで、
 
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コレは2スパン目から見下ろした左岸魚道。観察室へは小さく見えている堰手前の階段から降りるのかな?
 
 
 
 
2スパン目と3スパン目の間は、
 
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初めての橋脚。モチロン、かつての堰時代のゲートなのだろう。
 
 
 
 
その上は、
 
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こんな感じの小スペースに。
 
のんびりと九頭竜川の川相を眺めることができる。気持ちよかったな~。ちなみに向こうに見えるは、ファーストコンタクトを果たした国道364号線・鳴鹿橋。
 
この橋何度か通ってるけど、今まで気づかんかったなあ…。
 
 
 
 
ここでこれまでの2スパンを振り返り。
 
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そして~?
 
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残すは、最後の1スパン。
 
モチロン出自が堰だからだが、橋脚として見た場合のアンバランス感がスゴイな(笑)。
 
 
 
まあそれを言うなら、
 
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川の真ん中でぶった切れてることのアンバランス感のほうが、って話か(笑)。
 
 
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どん詰まりから望む、鳴鹿大堰。
 
 
 
 
上流側より振り返り。
 
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うむう~。橋としては、やはり異形。「一筋縄でいかない感」(なんだそれ)が全開だ。この日朝方の「あやとり橋」ほどではないにせよ!
 
 
 
そう言えば?
 
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トラスの塗装色までが、あの弩変態な中路逆三弦トラスに似通っておるではありませんか!
 
 
 
いやいや~なぜか現地では気付かなかったけど、
 
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思わずニヤニヤしてしまったよ(笑)。
 
 
 
 
 
最後に下から。
 
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うーむ、こうして見ると、
 
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まさに堰ですな。これが対岸までずらーっとあったわけで…。
 
 
 
 
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悪くないねぇ~。いや~実に。
 
普段は閉鎖されていることもあるらしいこの見学橋。幸いにもウェルカム状態だったので、ゆっくりと川上散歩を楽しませていただきました。
 
 
 
以上、完結。