2015年5月1日、「史上最長の作戦」となった能登遠征最終日。
前夜は能登を離脱して、小松市の「道の駅こまつ木場潟」にて車中泊。 基本的には「あとは帰るだけ」のこの日。逡巡した結果、取りこぼしや心残り物件を拾いつつ、徐々に滋賀へ戻ることに。
けしからんものが見えたので、即寄り道決定!こうしてパッパカパッパカ脱線していくのよね~。まあそれが楽しいんやけど(笑)。
それがコレ。
小ぶり~な三連ワーレントラス。
人道橋?それはその通り。けどよーく見ていただきたい。違和感がふつふつと沸いてこないかね?
勾配とか、2スパン目と3スパン目のトラスの角度とか。
わかりやすいサイドアングルがあればよかったけど。
この橋、実は対岸までつながっていない。觀音橋パターンですな。
鳴鹿橋からのファーストコンタクトで驚いたのは、それが理由だった。この時点では、水害による流出橋梁?とか思ってしまったが、間近で見てまあそれは違うな、と。
場所はコチラ。
このように、左岸から川半ばまで、「チョイ」とね(笑)。地図の正確性を信頼するならば、ちょうど永平寺町内に納める意図があったのか?
次に考えたのは、なんらか水利関連の施設だろうと。
しかし、それにしちゃあフルオープン。超ウェルカム状態(笑)。
コレはどういう橋なのか?モチロン予備知識ゼロなので頭の中は「?」がぐ~るぐると回っていた。
が、上の写真左端に写っているものを見て
…ははーん。
そして欄干?側面に発見。
「見学橋」。コレだ正体は。
マトモに撮ってなくて恐縮だが、1枚目・2枚目写真左端に写りこんでいるのが、九頭竜川中流域の最重要治水・利水施設である「九頭竜川鳴鹿大堰(なるかおおせき)」。この橋は、その大堰が備えている魚道を観察できる観察室へのアプローチ橋であるようだった。
現地でわかったのはそこまでだったが、帰って調べてみてわかったのは、この見学橋が、平成15年に完成した現・鳴鹿大堰の前身である「鳴鹿堰(頭首工)」(昭和30年完成)の一部を転用したものであるということ。鳴鹿大堰は旧頭首工の直下に建造されたようなので、見学橋の場所がすなわち実際の旧鳴鹿堰(頭首工)の場所だったのだろう。
肝心の魚道は見に行かなかったが、こういう第二の人生…いや、橋生もイイね。
まあ現地ではそんなん知らんし。ただ体感するのみ。失礼します!
人道サイズの下路トラスって、楽しいなあ~。
この勾配、伝わるかなあ。
最初の2スパンはグングン登る。奥に見える3スパン目でカクン、と角度が変わっているが、あれが水平(たぶん)。
1スパン目と2スパン目の間から、
階段を降りて魚道観察室へと行けるようになっている。
降りてみて、上流側より。
このアングルだと、勾配が際立つな~。
ちなみに魚道観察室は下流側、大堰寄りにあるようで、
コレは2スパン目から見下ろした左岸魚道。観察室へは小さく見えている堰手前の階段から降りるのかな?
2スパン目と3スパン目の間は、
初めての橋脚。モチロン、かつての堰時代のゲートなのだろう。
その上は、
こんな感じの小スペースに。
のんびりと九頭竜川の川相を眺めることができる。気持ちよかったな~。ちなみに向こうに見えるは、ファーストコンタクトを果たした国道364号線・鳴鹿橋。
この橋何度か通ってるけど、今まで気づかんかったなあ…。
ここでこれまでの2スパンを振り返り。
そして~?
残すは、最後の1スパン。
モチロン出自が堰だからだが、橋脚として見た場合のアンバランス感がスゴイな(笑)。
まあそれを言うなら、
川の真ん中でぶった切れてることのアンバランス感のほうが、って話か(笑)。
どん詰まりから望む、鳴鹿大堰。
上流側より振り返り。
うむう~。橋としては、やはり異形。「一筋縄でいかない感」(なんだそれ)が全開だ。この日朝方の「あやとり橋」ほどではないにせよ!
そう言えば?
トラスの塗装色までが、あの弩変態な中路逆三弦トラスに似通っておるではありませんか!
いやいや~なぜか現地では気付かなかったけど、
思わずニヤニヤしてしまったよ(笑)。
最後に下から。
うーむ、こうして見ると、
まさに堰ですな。これが対岸までずらーっとあったわけで…。
悪くないねぇ~。いや~実に。
普段は閉鎖されていることもあるらしいこの見学橋。幸いにもウェルカム状態だったので、ゆっくりと川上散歩を楽しませていただきました。
以上、完結。