2011年10月30日、第二次伊豆探索で出会った物件。この日のネタで記事にしているのは、階段隧道と龍宮窟、手石の謎トンネル、小城隧道横の廃石丁場、竹之浦隧道。今回ご紹介するのは、小城隧道横の廃石丁場を後にして19分後に出会った物件。
国道136号を北上中に、
右側路外に違和感を感じてストップ。
コレは…アレよね?
さっそく接近してみたらば…
む、間違いなさそうだ。
そこにあったのは、
埋められた隧道。
いやでも目に入る(笑)扁額には、
「一色隧道」。
さらに良く見ると、下部には右書きで「昭和十二年三月竣功」とあった。
ここはちょうど入間と一色という二つの村の境になっているようで、最初の写真でもわかるとおり、大幅な路線改良で面影が薄いが、かつての「峠の隧道」だったのだろう。
こんだけ埋まってる以上これ以上はどうしようもないが、当然ながら反対側が気になった。
つうわけで、かつての峠をがっつり掘割化した国道を少し下っていくと…
ははーん?あそこやな…。
結構ステルスな感じだが、
我々業界人の目はごまかせんぞ!(バカ
さて、果たしてコチラ、一色側は開口しているのか…?
ガサガサガサ…っと…
してたーー開口!
植生のせいで撮影アングルが限定されてしまったが、両側の土留め擁壁まで含めてコンクリート製であることははっきりわかった。
モノクロームなポータルに
イイね、これ。あるとないとじゃ、けっこう印象違うと思う。
さて、もちろん、
お邪魔いたします。
閉塞は確定している隧道だが、なんか普通に入れそうなので、見届けられるものなら閉塞点まで至りたい。あ、バリケードは最初から倒れてたし、ほんとに(笑)。
入洞。
この手の隧道で、我が好物のひとつ、
照明遺構。
隧道としての「かつての営み」を感じられて、愛しい。
洞内は全面的に
型枠痕がしっかり残った、場所打ちコンクリート巻き。
扁額にあった昭和十二年竣功という情報から考えれば、かなりきれいだという印象。
そして上の写真でもほのかに見えているが、
閉塞点、確認。
何のドラマもなく、コンクリ完封。特になにを期待していたわけでもなかったけど(笑)。
帰ってから調べた結果、この隧道のスペックは、延長101m、幅員4m、有効高4mとのこと。見たところ何の綻びもなさそうな健全さではあったが、それなのに廃されたというのは、南伊豆という観光地を支える幹線において、この隧道のスペックでは許されなかった、ということなんだろう。現道の立派さがそれを如実に物語っている。
閉塞点から、振り返り~の、
暗闇を愉しむの儀。
とはいえ、たかだか100mの隧道、真の闇とはいかない。無照明でここまで入ってきたくらいやし(笑)。
闇も愉しんだことだし、戻るとする。
こうしてみると、現役の無照明隧道みたい。健全そのもの。
堪能した。
最後のシメとして、
鉄板の構図を召し上がれ(笑)。
以上、完結。