我がホーム、滋賀県草津市。土木遺産のイメージが「ほぼ」ない街だが、実はそうでもない(笑)。キーワードは・・・やはり「天井川」。この小さな市域に、天井川にまつわる土木遺産が三つある。・・・いや、かつては四つあった。そして現在は・・・。
そう、残念ながら、永らく国道1号を支え続けた草津川隧道は、
撤去されてしまった。
(そういえば追悼記事書くと言いながら全然やってない・汗)
それよりも古い中山道のほうの草津川隧道は、
とっくに改修され、クソつまらないトンネル(笑)になり果ててしまった。
だが、あと二つ残っている。
今宵はそのうちの一つ、「第三の草津川隧道」をご紹介する。
これはねえ、わたくし見慣れてるからアレだけど、考えてみりゃあすんげー異形ですよ。写真は何度か撮ってるんだけども、古いヤツのほうが見通しがいいので、2009年3月15日、同8月23日撮影のやつでお送りします。
タメませんよ?
六穴並列!そしてなんかヘン(笑)。
※この記事の写真は全て踏切や線路敷地外から撮影しておりまする。
旧草津川をくぐるトンネルだが、六穴並列ってのは道路も含めてそうそう目にしない。見たことあるかね?
草津駅から複々線となる東海道本線、それぞれにトンネルがあり、計四穴のボックスカルバート。そしてその右側には・・・珍しいカップリングの二穴。
右寄りから。
煉瓦隧道とボックスカルバートトンネルのハイブリッドとか、それこそ見たことあります?
ズーム。
言うまでもなく、こちらの二穴が先代の上下線だろう。特に煉瓦のやつは、1889(明治22)年の開業時のもの・・・だと思われる。1900(明治33)年には複線化されているので、一番右のは後年の改修なのだろう。
ボックスカルバートトンネルの向こうには、草津駅が見えている。
今度は駅側から。こっからは8月の撮影。
駅の脇から。
多分この場所、今はなんか建っちゃって行けないとこかも。
コッチ側からもズーム!
うーん、今まであんまり深く考えたことなかったけど。
こうして見ると、一番外側(写真左側)じゃなくて逆側(現下り外側線)が明治隧道改修のような気がしてきた。煉瓦のまま残る隧道の右側・・・あれって単線並列の煉瓦隧道の真ん中にあるやつ・・・に見えるなあ・・・。(参考1、参考2)
最後に、草津駅ホーム西端より。
国道1号の草津川隧道は名誉の勇退となったが、幸いこちらの草津川隧道は、今のところ撤去の予定もなく、このままの姿で残りそう。
この異形の六穴並列、機会があればぜひご覧あれ。
以上、完結。