【7】より続く。
時刻は14:29、進軍開始から3時間26分(早っ)。
玄倉林道
最大のクライマックス、
遂に降臨。
この林道に存在する9本の隧道。変則ではあったがそのうち8本をここまでに踏破してきた。そして、出来すぎたあざといシナリオの如く、トリを飾るこの隧道。
これこそd氏イチオシ、9号隧道と並び今回最も楽しみにしてきた物件であーる。
往路に車で通過した際に、すでにそのポテンシャルは十分に感じられた。それだけに、ここを歩いて抜けるのが楽しみで仕方なかった。
ここはちょっと念入りに紹介したいので、いつも以上にクドい感じでお送りする(笑)。
それにしても。
落石注意の標識はダテではない。
いや、ここまでこの標識が似合う隧道があるだろうか? (いや、ない)
この隧道を抱く、目に見える断崖全体が、
まさに現在進行形で崩れている。
静謐な世界の中、斜面を何かが転げ落ちる音が、さざ波のように絶えず聞こえていた。こんな光景をを見たのは初めてだった。その後父ヶ谷の北谷隧道で同じような音を耳にすることになったが。
先ほどの「石崩隧道」、まさにその名のとおり。d氏と二人、魅入られたようにしばしその音を聴いていた。
その石崩隧道に続くこの隧道、
お名前は、
「青崩第一洞門」。また「崩」。
そう、洞門だ、見てのとおり。隧道はこの奥にある。
銘板。
2007年3月の完成となっているが、さっきの遠望を見てしまうと、逆にコレがなかった時代が信じられない。一発でイカれそうやけど…(汗)。
さて、このメインディッシュを目の前にして
【撮影:doodoongoo氏】
進軍開始後初めての休憩。持参した食料をぱくぱくと。
雨はしのげるし、隧道も愛でられるし、最高のロケーションさ!(笑)。
ところで、3枚目の写真右端に少しだけ写りこんでいたのだが、
道が見える…。
ズームすると、
アレが、この先通る林道本線
ではない。
じゃあなんだ?そこら辺はまたおいおい…。
翻って、来し方を振り返れば…
中央に、石崩隧道の下界側坑口が小さく見えている。今までの記事では恐らく感じられなかったであろう、険阻な地形。やはり全線で随一の険しい場所だ、ここは。
つまりは全線で随一のウィークポイントであるとも言えるここ、林道が5年弱も閉ざされる原因となった「落盤の恐れのある隧道」とは、まさにこの隧道を指す。まあそのあたりも、また改めて…。
機材のチェックに余念がないd氏。
なにしろ、氏がここを再訪した主たる目的は、この隧道を撮り直すこと。納得のいくまでじっくりと撮影するため、気合がほとばしっている。
この男、本気だ…(マネ)
さあ、休息はじゅうぶん。
向かおうか、あの空間へ。
闇が漂い出てくるかのようなこの隧道、改めてお名前は、
ウッ…読めない(笑)。まあいい。
ご想像どおり、扁額(文字盤?)には「青崩隧道」と記されている。しかしながら…実はこの隧道の現在のお名前は、
「新」青崩隧道なのである。
どういうこと?うん、そこらもまた、改めて(笑)。
ゲートはもちろん
フルオープン。
いざ…
【撮影:doodoongoo氏】
逝きますか、先輩。
外光にしばしの別れを。深呼吸するように、潜る。
…闇の中へ。
【9】に続く。