【1】より続く。
現れたる隧道は…アカンやつだった。場所はコチラ。
第一印象は「怖い」。
このハードコアっぷり、久々かもしれない。
坑口両脇にある残骸は、明らかになんらかの扉…つまり閉鎖措置の痕跡に違いない。それがこの状態…。まるで封じられていた「何者か」が解き放たれてしまったかのような禍々しさを感じさせた。
そもそも、ここ自体が墓地を通らないとアプローチできない場所。そして時刻は夕刻、奥まったこの場所にはすでに日も射さない。いやおうなく「盛り上がってくる」状況。
いや、それより何より、この
あっとーてき暗黒っぷり。
こんな写真載せんなよ(笑)。我が極貧マグライトだけで撮ると、こんな感じ。
で、フラッシュ焚いても
闇が濃すぎて歯がたたず。
それなりに経験値を積んではきたが、その中でもこの隧道の発するオーラは強烈だった。心霊的な話ではなく、単に闇の濃さと威圧感で。
率直に申し上げて、この名うての化けトンの10倍は怖かった。
地図読みでさほど長いようでもなかったこの隧道、なんでここまで暗いのか。考えられる理由は二つくらいだが、この段階ではどっちも有り得た。
まぁ、
行ってみるかな、怖いけど。
現役の隧道で、進入をためらったのとか、いつ以来やら…(笑)。
しかしナゼか…
ピントが合わね~。単にカメラが限界やからか?(笑)
墨を流したような濃い闇は変わらないが、理由も書かずに「危険」とされた隧道とは思えないほど、隧道そのものは完全に安定しているように思える。要は…通って欲しくないのだ、この隧道を。…もしかして、私有地か?
注目すべきは左の柱。コレまさに、木製電柱。そう、この隧道内、電気が引かれている…いや、いた?
気づいてました?
ほら、隧道前にも木製電柱。
さ…隧道内へ戻りまして…
漆黒の闇の中をしばし進むと、
どうやら右にカーブしているようだ。
なるほど…尋常ならざる暗さの理由は、やっぱそれか。
この隧道、風も通ってなかったので、もしかしたら、と閉塞も考えられたが、それにしては土臭さもないので、まあ予想通りってとこ。
素掘り隧道では、一定以上の長さになると、このように隧道内で曲がっていることがある。それは多くの場合、両側から掘り進めた結果、方向に誤差が生じて、つじつまを合わせたため。
そしてこれまた多くの場合、そういった隧道は測量技術が未熟だった時代にプロの手によらないで掘られたものが多い。
それにしても曲がった隧道ってのは、びっくりするほどに光を通さない。新青崩隧道がいい例だ。
右カーブをクリアすると…
ここでようやく光が!いや~ホッとした。
続いてゆるい左カーブ。つまりは洞内でS字を描いていたために光が一切射さない暗黒洞となっていたわけだね。
そしてここらまで来ると、電線がもはや死んでいるのがわかる。かつては隧道の先へと引かれていた電気も、今では絶えている、と。これは何を意味するのか。
ちなみに、ここらへ来てもなお、
ノンフラッシュだとこんな感じ。
いや~、マジでわたくしのマグライト、新調せなアカンですな(苦笑)。
延長は…100mもなかっただろうな。80mくらいか?ここまで外光が恋しかった隧道は久しぶりだった。
とは言え、撮影しながらの洞内滞在時間7分。
果たして隧道のその先は…?
【3】に続く。