大庭隧道 (千葉県長生郡長柄町大庭) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
2011年1月16日、第五次房総探索。この日のネタでは朝の永井隧道午後の小浦隧道山尻隧道を記事にしております。
 
本日ご紹介するのはこれらよりも前、この日2件目の物件。あ、ちなみにこの日記録したネタは47件ですけどね(笑)。
 
 
車を置かせていただいたのは、
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熊野神社という鄙びたお社。
 
雪が舞っているのがわかるだろうか。房総のイメージとは違う、寒い朝だった。
 
 
お社の脇の
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この細道。
 
地図によると、この奥に目指す物件がある。ダブルトラックは認められるものの、一応車での突入は自重した。ここからは、もうすぐのはず。
 
 

まずは心打たれるのが、

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このイントロ。最高の雰囲気!
 
お社と「全面通行止」の看板が、また良いアクセントになっている。

 

 
 
このカーブを立ち上がると…
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隧道登場~!!

 

なにこの鉄板のロケーション。ダートだってのがまた、イイよねえ…。
 
正直なところ、この程度の素掘り隧道は房総では決して珍しくはない、業界的にも(笑)無名の物件。でも、今改めて振り返っても、個人的にはかな~り上質な、優良物件だと思う。
 
 

 

じゃっかん引きで、正対。
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お名前は、大庭(おおにわ)隧道。
 
素掘りなのにもかかわらず、なめらかな掘削面はまるで施工されたポータルのよう。これぞ房総の地質のなせるワザ。
 
また、お約束の素掘り隧道もさることながら、こういう深い掘割。なかなかよそじゃあ見られない、まさに房総テイスト。贅沢にもジモトの方は見慣れてるんだろうけど…(笑)。うん、退避スペースなんてものはなーい(笑)。
 
 
 
 
洞内の様子は、
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天井がとんがった、いわゆる観音掘り。
 
観音掘りとは、近世以前から伝わる隧道掘削技術。天井を尖らせることで、地圧をうまく逃がす…というざっくりした説明でご勘弁を(笑)。
 
 
 
近世から民衆の手で隧道が掘られていたという房州。

 

 
明治隧道も珍しくはないわけだが、この隧道もまた、かなり古いのではないだろうか。
 
 

 

ここで鉄板の構図、イキますよ?、
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…息を呑むほど美しい。
 
いや、コレは言葉いらないわ…。
 
 
 
洞内で見つけた、こんな痕。
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コレたぶん…トラックかなんかの荷室がガリッと逝ったヤツじゃあないのだろうか。いや、房総の素掘りはそのくらい柔らかいのよ。
 
 
 
何故か地図では10mもないくらいのサイズで描かれているのだが、
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ん~なことはない。最低30mくらいはあったと思われる。
 
 
 
 
第二の鉄板の構図、イキマス!
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ああ~…。たまりませんなぁ…。
 
 
 
抜けて、振り返り。
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うん、やはり延長は30mはありそう。
 
とりあえず、今のところ一切のスペックは判明していない。あ、この名称については、今は亡きバイブル、「千葉の素掘り隧道」さんを当時参照させていただいたもの。
 
 
正対。
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いや、ボキャブラリーがないので、イイ!としか言いようがない(笑)。
 
一本だけ立ったデリニエーターがたまらない。設置者をチェックし忘れたが、たぶん町道だと思う。
 
 
抜けて進むとすぐに民家が現れたので撤収。写真は撮ってない。
 
 
 
お社の手前まで戻ってきた。
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掘割から脱出。いや、堪能した。
 
 
 
最後に振り返って一瞥。
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ここは、もっと知られていい素敵隧道だと思う。機会があればぜひどうそ。
 
 
 
以上、完結。