愛知「ほうらいせん酒らぼ 純米吟醸生酒 仕込み37号」甘旨味の舞いが気持ちアンバランスに感じる | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

ほうらいせん酒らぼ 純米吟醸生酒 仕込み37号」。

愛知県設楽町の関谷醸造さんが醸しているお酒です。

 

関谷醸造が2021年5月に設楽町の「道の駅」で始めた酒造り体験施設「ほうらいせん酒らぼ」に参加し、午前中に酒造りに関わったお酒に続いて、午後の体験で関わったお酒になります。

 

 

午後は午前と同じ流れで蔵に入ります。

体験するのは酒の搾りです。「酒らぼ」では槽で搾っており、前日の午後に醪から酒袋に入れ、槽に積んであった物の、二日目の作業である積み替えを体験しました。

初日に3つの酒袋を互い違いに積んでいたものを、一旦タライに移して、今回は単純に2列に積み直します。

前日は醪を酒袋に入れる作業で、時間がかかりますが、今回は積み直しだけなので、短時間で済んでしまいました。

 

 

これだけでは酒造り体験は物足らないとの配慮から、この日は槽口から滴るお酒を蛇の目で受けて試飲ができました。

さらに、受けタンクからすくって、4合瓶に直汲みをし、それをお土産に持ち帰れる仕組みになっていました。

直汲み持ち帰りは魅力的でした。

作業はここでおしまい。

所要時間は35分でした。

 

 

レクチャールームに戻ると、本来なら午前と同じ授業が用意されていますが、この日の体験者は空太郎一人で、午前中に済んでいるので、授業は割愛し、直汲み瓶詰めしたお酒の瓶に裏貼りを先生が貼り、表貼りは自分で行います。

丸ごと手書きでもいいし、用意されたラベルでもいい。

空太郎は仕込み番号と日付の部分だけが空白になった出来合いのラベルに自身で数字を入れて、完成しました。

体験の中身が午前の方が濃いことに配慮して、もらう4合瓶1本は同じですが、体験料は午前が6600円、午後が4400円でした。

 

スペックは仕込み40号と同じ、55%精米の純米吟醸、無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は抑制の効いたスレンダーな薄甘い香り。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢でやや肌理が粗く、かつ独特の歪んだクセを感じるのです。

流れてくる含み香は穏やかな薄甘い香りでデコレート。

後から酸味は少量、渋味が多めに現れて、1本目よりも強めのメリハリを付けようとして、結果的にややアンバランスな世界へと揺れるのです。

終盤に向けて、気持ち滑らかさの欠ける舞いで終盤を迎えるのでした。

 

同じスペックでも仕込みが違えば、味が違うことを改めて確認する結果となりました。

 

お酒の情報(24年150銘柄目)

銘柄名「ほうらいせん酒らぼ 純米吟醸生酒 仕込み37号 2023BY」

酒蔵「関谷醸造(愛知県設楽町)」

分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=不明」

評価「★★★★(7.4点)」