愛知「ほうらいせん酒ラボ 純米吟醸生酒 仕込み40号」バランスの取れた甘旨味が含み香と競演する | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

ほうらいせん酒らぼ 純米吟醸生酒 仕込み40号」。

愛知県設楽町の関谷醸造さんが醸しているお酒です。

 

関谷醸造が2021年5月に設楽町の「道の駅」で始めた酒造り体験施設「ほうらいせん酒らぼ」に参加し、酒造りに関わったお酒です。

 

参加したのは日曜午前の留仕込みでした。

キャップと白衣を着て、ワッペンに自分の苗字を書き、長靴に履き替えて、手洗い。

作業用の青のポリ手袋を着用しました。

 

 

まずは仕込みタンクに水を19㍑入れます。

空太郎が10㍑と9㍑の2回に分けて計量し、タンクに流し込み、攪拌。

続いて本社蔵から送られてきた麹を投入しました。

 

続いて蒸し作業です。

前日に洗った米(55%精米)を電気式甑に薄く広げました。

蒸し上がりには小1時間かかるので、レクチャールームに戻ってレクチャーを受けました。

 

 

小学校の理科室を模したレクチャールームであれこれ説明があり、「関谷醸造の歴史と事業」「農業への取り組み」「原料の米について」「アルコールができる仕組みと日本酒の三段仕込み」「仕込み工程」「搾り工程」などについて40分余りの授業でした。

 

 

その後、再び、準備をして蔵の中に入ります。

蒸し器を止め、取り出した米を木のしゃもじ(終了後お土産でもらえました)を使ってほぐしながら冷ましました。

30度まで冷ますのが目標でした。

蒸した米を食べてみます。

さらに自分でひねり餅を作ることもできました。

掛米のチヨニシキ(食用米)だから、美味しかったです。

冷まし終わったら、先生と2人で両端を持って、仕込みタンクに投入。最後に櫂入れして授業は終了となりました。

 

この日の仕込みは今季で40本目。

今日が留めなので、3週間(21日)後にお酒を搾り、瓶詰めしたお酒(720ml)が1本もらえる仕組みです。

取りに来るか、送ってもらうかを選択できます。

船橋在住の空太郎は送ってもらうことにして、やってきたのがこのお酒でした。

 

純米吟醸、無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は抑制の効いたスレンダーな薄甘い香り。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快なスピードで駆け込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢でややとろりとした印象で、両者は足並みを揃えて、生まれたての初々しい世界を描きます。

流れてくる含み香はフルーティーさとは一線を画した個性的な香りで魅惑的にデコレート。

後から酸味と渋味は極少で、薄氷の輪郭を付与します。

甘旨味は終盤まで生き生きとした雰囲気を保ち続け、最後は反転縮退して昇華して行きました。

 

上出来の生酒でした。

実はこの時は、午後の体験にも参加をし、もう一つのお酒も造りに関わりましたので、そちらのお酒もご紹介します。

 

お酒の情報(24年149銘柄目)

銘柄名「ほうらいせん酒らぼ 純米吟醸生酒 仕込み40号 2023BY」

酒蔵「関谷醸造(愛知県設楽町)」

分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=不明」

評価「★★★★★(7.6点)」