京都「十石 純米吟醸 生酒」初々しくフレッシュな甘旨味が伸びやかに舞う | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

船橋の銘酒居酒屋「ナイン」さんにお邪魔しました。

1人でお邪魔をし、気になるお酒をいただくことにしました。

3本目はこれです。

 

 

十石(じっこく)純米吟醸 生酒」。

京都市伏見区の松山酒造さんが醸しているお酒です。

 

2023年3月から小仕込みの地酒蔵として再出発をしている松山酒造ですが、酒造りの根幹を担っているのは親会社の月桂冠で醸造責任者などを経験した高垣幸男さん。

古い設備を撤去して、新しく麹室を新設、タンクも2000㍑が4基、総米600㌔の小仕込みでスタートさせています。

一年目(2022BY)はわずか50石でスタートしましたが、追加の注文も入って夏場も酒造りをしています。

 

 

2年目の2023BYは約2倍の仕込みをしていますし、酒販店の強い要望もあって、生酒も始めています。

ただし、酒米は京都産祝縛り、酵母も京都産酵母で真の京都の地酒を目指しています。

果たして超大手の月桂冠さんがどこまでできるのか、興味津々です。

 

60%精米の純米吟醸、生酒です。

 

 

上立ち香は初々しいフレッシュな麹バナの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自立的にキビキビとした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢だが、生酒らしい荒々しさも感じさせ、両者は足並みを揃えて、ジグザグに駆け回ります。

流れてくる含み香も生酒らしいやや肥えた甘い香り。

後から酸味は僅少、渋味は少量現れて、味わいにメリハリを付与。

甘旨味は終盤まで生き生きとした世界を描き続け、最後に飲み下すと、余韻はシャープに切れていきました。

 

秀逸の生酒でした。

 

お酒の情報(24年148銘柄目)

銘柄名「十石(じっこく)純米吟醸 生酒 2023BY」

酒蔵「松山酒造(京都市伏見区)」

分類「純米吟醸酒」「生酒」

原料米「祝」

使用酵母「京都酵母」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=1980円」

評価「★★★★★★(7.7点)」