酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

千葉県一宮町の稲花酒造さんが醸しているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

2本目はこれです。

 

 

「稲花(いなはな)MUTSUZAWA 純米吟醸」。

 

さて、稲花酒造のプレミアム酒蔵見学にお邪魔したわけですが、この日の案内は秋場貴子社長でした。

空太郎は息子の秋場康佑さんには酒イベントでお会いをして、名刺交換もしていましたが、秋場社長にお目にかかるのは初めてでした。

どんな案内になるのだろうと、ちょっぴり構えて始まったのですが、秋場社長は話好きで、蔵の歴史はもちろん、ご自身がなぜ、蔵元を継いだかについて微に入り細を穿つように説明してくれたのでした。

 

 

貴子さんは10代目の蔵元、秋場昇氏の長女として1955年に誕生。

妹と二人姉妹でしたが、父から「これからは女子といえども、自分の学びたいことを学び、仕事を選んで社会に貢献すべきだ」と常々言われていたので、貴子さんは高校時代、京都の大学への進学を目指して勉強をしていました。

ところが、高校3年生の時に父が病で倒れ、病床に見舞いに行くと、父から「東京農大で学び、蔵を継げ」と命令されました。

猛烈に反発したそうですが、「農大以外の大学へ行くのなら、学費はおろか受験料も払わない」と追い込まれて泣く泣く1974年、農大へ進学したのだそうです。

 

 

農大に進むと、同学年120人のうち、女子は5人でした。

大学1年の半ばで父上が亡くなったこともあり、農大の教授たちは「卒業したら稲花の蔵元になる」との目で貴子さんを見て、熱心に指導してくれました。

小泉武夫氏の研究室に入って、かばん持ちなどもやったそうです。

貴子さんは酒は好きではなかったようですが、アルコールには滅法耐性があり、農大の新歓コンパでは、新入生の第一関門である「ビール大瓶9本を飲む」を簡単にクリア。

その後、勧められるがままに日本酒一升瓶と焼酎(720ml)1本を一人で空けて、なお倒れなかったため、翌日には「ザルの秋場」との評判が農大キャンパス内に轟いたそうです。

 

1978年農大卒業後、明治屋の営業部に入社し、酒の流通を学び、4年経過後、1982年春に稲花酒造に帰ってきました。

そして、先代(貴子さんの父の妹=叔母が11代目を継いだ)が亡くなり、1990年代半ばに12代目蔵元に就任。現在まで30年間、社長をしています。

 

さて、2本目にいただくのは、一宮町の隣の睦沢町産の五百万石、60%精米の純米吟醸、生酒です。

 

 

上立ち香は酢酸イソアミルの好ましい香りが仄かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽やかに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル朴訥な印象で、両者は一緒に地味めな舞いを披露します。

 

流れてくる含み香は酢酸イソアミルに酢酸エチルの香りがミックスして複雑にデコレート。

後から酸味は僅少、渋味は適量現れて、渋味が全体をきつく締めようとします。

甘旨味は終盤になると渋味に負けて、全体を崩し、そのまま足取りが重くなり、最後に飲み下した後の余韻もいささかどんよりでした。

 

 

それでは、稲花酒造のお酒、最後の3本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年245銘柄目)

銘柄名「稲花(いなはな)MUTSUZAWA 純米吟醸 2025BY」

酒蔵「稲花酒造(千葉県一宮町)」

分類「純米吟醸酒」「生酒」

原料米「五百万石」

酵母「協会1401号」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「○」

標準小売価格(税込み)「720ml=2310円」

評価「★★★★★(7.5点)」

 

千葉県一宮町の稲花酒造さんが醸しているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

1本目はこれです。

 

 

「稲花(いなはな)上総国一の宮 純米吟醸」。

 

実はつい先日、稲花酒造の蔵にお邪魔してきました。

稲花酒造が、毎回一組限定のプレミアム酒蔵見学&試飲を始めたので、弟子と一緒に蔵を訪れました。

 

「酒蔵見学を複数のグループが一緒になって参加すると、日本酒に対する知識もバラバラだし、興味を持つ対象も異なって、結局、見学者も説明をする蔵側の人間も不完全燃焼の気分になってしまう。見学者に満足してもらわなければ酒蔵見学をやる意味がない」

と秋場貴子社長は考えて、一回一グループ限定の「プレミアム酒蔵見学」に切り替えたのです。

 

 

蔵の内部を巡りながらの案内は蔵元社長の秋場社長か、息子で専務の秋場康佑氏が担当し、見学者の質問の数などで60~90分と幅を持って設定。

終了後は蔵が販売している10種類以上のお酒をすべて利き酒できて、こちらは最長60分。

料金は参加者が1~2名なら一人3000円、3~10名なら一人1500円、11名以上なら一人1000円です。

参加は空太郎と弟子の二人で、見学は90分、試飲も90分とかかって、3時間もいて、楽しい話をたくさん聞くことができました。

 

1本目にいただくのは、八反錦60%精米の純米吟醸、一回瓶火入れです。

 

 

上立ち香はカプロン酸エチルのジューシーな香りが適度に流れてきます。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽やかに駆け込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢でわずかにざらつき感のある印象で、両者は足並みを揃えて、キビキビとエッジを効かせて踊ります。

 

流れてくる含み香も華やかで多彩な香りでデコレート。

後から酸味は少量、渋味は適量現れて、酸味は甘旨味に溶け込んで甘酸っぱいニュアンスを加え、渋味は全体をきっちりと引き締めて、ピントのはっきりとした世界へといざなうのです。

飲み下した後の余韻は短く、切れのあるものでした。

 

 

それでは、稲花酒造のお酒、2本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年243銘柄目)

銘柄名「稲花(いなはな)上総国一の宮 純米吟醸 2025BY」

酒蔵「稲花酒造(千葉県一宮町)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「八反錦」

酵母「M310」

精米歩合「60%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=1650円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

九州に出張してきました。

二日目の夜は北九州市、JR黒崎駅前の「八右衛門」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

日本酒の品ぞろえは全国各地から取り寄せた美酒がずらりと並びます。

むしろ、地元福岡県の酒が少なくて、旅人としては残念でした。

 

そんななかで、最後の4杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「繁桝(しげます)純米大吟醸50 吟のさと」。

福岡県八女市の高橋商店さんが醸しているお酒です。

 

高橋商店は現在、インドでの清酒造りに向けた準備を進めています。

高橋商店はコロナ禍で国内の日本酒販売が落ち込んだのを契機に、輸出に力を入れることを決めます。

しかし、候補にしたフランスとマレーシアの市場を調べると、すでに多くの日本酒が入っていて、競争が激しく断念。

そんな折、インドとのつながりができ、人口が多いのでほんの少しでも日本酒を好きな人ができれば売り上げは相当伸びる。

しかし、インドの輸入品に対する関税率が非常に高く、むしろ、現地生産に踏み切るのが面白いのではないか、と蔵元は考えたようです。

 

 

2024年からリサーチを始め、地元産の米でも日本酒を造れることは確認できたものの、地元の商習慣や、インド人の仕事に対する考え方などハードルも多く、いまはそれを一つ一つクリアしているところです。

蔵元社長の中川拓也社長は「是非、現地生産を実現させたい」と広言しています。

頑張ってほしいものです。

 

さて、いただくのは吟のさと50%精米の純米大吟醸です。

 

 

上立ち香はとろりとした薄甘い香りが微かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触をアピールしながら、軽やかに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系のとろりとしたタイプ、旨味はシンプル無垢ながら個性あるコクがわずかに加わっており、両者は仲良く足並みを揃えて、流麗でとろみのある世界を描きます。

 

流れてくる含み香は甘い酒エキスの香りでデコレート。

後から酸味は皆無、渋味が少量現れて、薄氷の輪郭を施します。

甘旨味は刺激不足もあって、ややクリアさに欠け、薄曇りの下、マイペースで淡々と踊り、飲み下した後の余韻も少し長めでした。

 

 

2日に渡って九州の地酒を堪能し尽くしました。

 

お酒の情報(26年242銘柄目)

銘柄名「繁桝(しげます)純米大吟醸50 吟のさと 2025BY」

酒蔵「高橋商店(福岡県八女市)」

分類「純米大吟醸酒」

原料米「吟のさと」

酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2310円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

九州に出張してきました。

二日目の夜は北九州市、JR黒崎駅前の「八右衛門」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

日本酒の品ぞろえは全国各地から取り寄せた美酒がずらりと並びます。むしろ、地元福岡県の酒が少なくて、旅人としては残念でした。

 

そんななかで、3杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「寒北斗(かんほくと)特別純米」。

福岡県嘉麻市の寒北斗酒造さんが醸しているお酒です。

 

寒北斗酒造は1729年に創業した相当に歴史がある酒蔵です。

当初の蔵の名前は玉の井酒造でした。

1980年代半ばの頃、北九州の酒販店が「九州を代表する酒が造れないか」という提案を九州の酒蔵に提案したのです。

この頃はオイルショック後の日本酒の需要減退が著しくなっていた時期でもあり、多くの酒蔵が難色を示す中、当時の玉の井酒造が手を挙げて、新しいタイプの酒造りに挑戦しました。

そして、酒の名前を蔵のすぐ背後にある「北斗宮」から取ったのでした。

 

 

お酒の評判は年々高まり、2000年に入る頃には、九州の美酒としての評価を高めていました。

このため、「蔵の名前も銘柄と同じにしよう」との声が高まり、2011年に寒北斗酒造になったというわけです。

 

さて、いただくお酒は55%精米の特別純米酒です。

 

 

上立ち香は細身の酒エキスの香りがほんのりと。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの感触を振りまきながら、軽やかに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢で素直な印象で、両者は足並みを揃えて、流麗で隙の無い舞いを見せます。

 

流れてくる含み香は酢酸イソアミルの柔らかなタイプで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が少量現れて、くっきりとしたアクセントを施します。

甘旨味は終盤までリズムを崩さず、心地よいハーモニーを奏で、最後は反転縮退して、昇華していきました。

 

 

それでは、福岡のお酒、4杯目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年241銘柄目)

銘柄名「寒北斗(かんほくと)特別純米 2025BY」

酒蔵「寒北斗酒造(福岡県嘉麻市)」

分類「特別純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「1800ml=3300円」

評価「★★★★★(7.6点)」

九州に出張してきました。

二日目の夜は北九州市、JR黒崎駅前の「八右衛門」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

日本酒の品ぞろえは全国各地から取り寄せた美酒がずらりと並びます。

むしろ、地元福岡県の酒が少なくて、旅人としては残念でした。

 

そんななかで、2杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「喜多屋(きたや)純米大吟醸」。

福岡県八女市の喜多屋さんが醸しているお酒です。

 

喜多屋は創業が1820年。創業時は杜氏を雇って酒造りを始めたものの、期待するレベルの酒ができず、蔵元は自ら杜氏になって苦労したそうです。

そこで喜多屋の家訓は「主人自ら酒造るべし」となり、現7代目の木下宏太郎さんまで、杜氏は置いても、自らも酒造りに関わってきました。

現在の喜多屋の評判を固めたのは木下さんと杜氏の西尾孝広さんです。

お二人とも60代になり、すでに、バトンを木下さんの娘の木下理紗子さんと、蔵人の山崎慶浩氏に渡しています。

 

 

木下理紗子さんは、蔵元の後を継ぐ決意を固めて、九州大学農学部に進み、卒業後はすぐに喜多屋に入ったものの、「実家の蔵では、将来の社長と周囲から見られて、成長できない」と出羽桜酒造へ修行に出ました。

2020BYから2造りを経験してから喜多屋に戻っています。

新しい酵母開発などにも力を入れており、今後、喜多屋はさらなる進化をしていきそうです。

 

さて、いただくお酒は、50%精米の純米大吟醸ですが、総米の60%が山田錦、40%が雄町という面白いお酒です。

 

 

上立ち香は細身のフルーティな香りが微かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽やかに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系の押し味のあるタイプ、旨味はシンプル無垢で筋肉質の印象で、両者は足並みを揃えて、無駄のないスレンダーな舞いを披露します。

 

流れてくる含み香も適度に甘い果実感の香りでデコレート。

後から酸味が僅少、渋味が適量現れて、きっちりとメリハリを付与。

甘旨味は淡々とスレンダーな踊りを見せるものの、終盤になると一部が溶けてとろりとなり、そこに新たに辛さが現れて、ややギクシャクしながらフィナーレを迎えました。

 

 

それでは、福岡のお酒、3杯目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年240銘柄目)

銘柄名「喜多屋(きたや)純米大吟醸 2025BY」

酒蔵「喜多屋(福岡県八女市)」

分類「純米大吟醸酒」

原料米「山田錦&雄町」

酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「15~16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=4590円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

九州に出張してきました。

二番目の夜は北九州市、JR黒崎駅前の「八右衛門」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

日本酒は全国各地から取り寄せた美酒がずらりと並びます。

むしろ、地元福岡県の酒が少なくて、旅人としてはちょっぴり残念でした。

 

そんななかで、1杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「田中六五(たなかろくじゅうご)」。

福岡県糸島市の白糸酒造さんが醸しているお酒です。

 

1855年創業の白糸酒造は長年、「白糸」の銘柄を主力にして酒造りをしてきました。

白糸酒造の8代目蔵元の田中克典さんは東京農大を卒業後、酒類総合研究所の研修を経て、銘酒「東一」を醸す佐賀・五町田酒造に半年の修業をしました。

その時の製造責任者の勝木慶一郎さんの指導が田中さんの大きな糧になっているそうです。

 

 

そして、2009年に25歳で蔵に帰ってきたその年の造りに仕込み1本、責任仕込みで造ったのが「田中六五」でした。

博多の有力酒販店の支援もあって、まずまずの評判を呼び、わずか数年で「福岡を代表する日本酒」との評価を勝ち得て、今日に至っています。

 

地元産の山田錦を余り削らず65%精米にして、それをネーミングに活用するというアイデアもヒットを助けたと思います。

 

 

上立ち香はスレンダーなフルーツの薄甘い香りが仄かに。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快に駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポ良く膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢でやや粗めの感触で、両者は足並みを揃えて、緻密でエッジの効いた踊りを見せます。

 

流れてくる含み香は酢酸イソアミルにプラスαの好ましい香りでデコレート。

後から酸味が僅少、渋味が適量現れて、しっかりとメリハリを施します。

甘旨味は終盤まで健やかで潤いのある世界を描き切るのでした。

 

 

それでは、福岡のお酒、2杯目を頼むことにします。

 

お酒の情報(26年239銘柄目)

銘柄名「田中六五(たなかろくじゅうご) 2025BY」

酒蔵「白糸酒造(福岡県糸島市)」

分類「純米酒」

原料米「山田錦」

酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「14度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2180円」

評価「★★★★★(7.6点)」

 

九州に出張してきました。

一晩目の夜は佐賀駅前の「元気じるし」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

 

最後の4杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「岩の蔵(いわのくら)純米吟醸」。

佐賀県小城市の天山酒造さんが醸しているお酒です。

 

天山酒造の当初からの銘柄は「天山」で、いわゆる問屋流通でスーパーなどでも販売しています。

そこへ、限られた地酒販売店だけに取り扱ってもらう純米のお酒を1997年にリリースすることになって登場したのが「岩の蔵」でした。

手探りの試みだったので、佐賀県及び隣県の酒販店と契約してスタートしました。

 

 

これが手ごたえがあり、蔵元が「これからは限定流通が主力になる」と確信したのだと思いますが、そのまま「岩の蔵」を全国展開することには、協力してきた九州の酒販店に申し訳ないと考えたのかもしれません。

結局、2001年に全国展開するために今度は「七田」を発売したというわけです。

それから四半世紀が経っていますが、「岩の蔵」は九州地区の限定販売になっています。

 

空太郎も久しぶりにいただきます。

 

55%精米の純米吟醸、火入れです。

 

 

上立ち香はフローラルな香りがしっとりと。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの感触をアピールしながら、まっしぐらに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に軽やかなテンポで膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のサラリとしたタイプ、旨味はシンプル無垢で滑らかさが強調された印象で、両者は足並みを揃えて、流麗な舞いを披露します。

 

流れてくる含み香はフレッシュジューシーの甘い香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れて、薄氷の輪郭を付与します。

甘旨味は心地よさそうに最後まで隙のないパッションフルーツの世界を描き切りました。

 

 

美味でした。翌日は北九州市に移動して、福岡県の美酒に酔いました。

その報告は明日以降。

 

お酒の情報(26年238銘柄目)

銘柄名「岩の蔵(いわのくら)純米吟醸 2025BY」

酒蔵「天山酒造(佐賀県小城市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2200円」

評価「★★★★★(7.6点)」

 

九州に出張してきました。一晩目の夜は佐賀駅前の「元気じるし」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

3杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「宗政(むねまさ)純米吟醸」。

佐賀県有田町の宗政酒造さんが醸しているお酒です。

 

宗政酒造は日本酒蔵としては異色の歴史です。創業者は1975年に長崎県佐世保市で防虫・防腐の事業を起こした宗政伸一氏で、まずは、1985年に焼酎メーカーとして設立。

その5年後に清酒の製造免許を取得して日本酒造りを始めます。

そして、2003年頃に有田町に開業して破たんしたテーマパーク「有田ポーセリンパーク」の敷地内に新工場を建設して、こちらに移転して、現在に至っています。

 

 

空太郎は一度、現地に足を運んだことがあるのですが、山の奥地に驚くほどの広さの敷地が広がっているものの、全体としては閑散としていて、宗政酒造の工場も驚くほど敷地は広く、酒蔵というよりは普通の工場でした。

現在は日本酒のほか、焼酎、リキュール、クラフトビールなどを手掛けて、総合酒類メーカーとして、頑張っているようです。

 

いただくお酒は、55%精米の純米吟醸、火入れです。

 

 

上立ち香はとろりとした超甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に厚めにとろみ層を乗せて、ゆったりとしたムードで忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさの超ウエットな粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味は水飴を連想させるどろりとしたタイプ、旨味は粘っこさが強いコクが重層化した印象で、両者は足並みを揃えて、淀みを感じる舞いを見せます。

 

流れてくる含み香も濃醇な甘い香りで派手めにデコレート。

後から酸味がなく、渋味がほんの少し現れるものの、ヘビー級の甘味に圧倒されて、遠目に囃すのみ。

甘味は終盤までマイペースで濃醇ながら意外にクリアな世界を描き切るのでした。

 

 

それでは、佐賀の夜で佐賀の酒、最後の4杯目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年237銘柄目)

銘柄名「宗政(むねまさ)純米吟醸 2025BY」

酒蔵「宗政酒造(佐賀県有田町)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「―15」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=1785円」

評価「★★★★★(7.5点)」

 

九州に出張してきました。一晩目の夜は佐賀駅前の「元気じるし」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

2杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「能古見(のごみ)純米吟醸」。

佐賀県鹿島市の馬場酒造場さんが醸しているお酒です。

 

1795年創業の馬場酒造場は長年「芳薫」の銘柄で酒造りをしてきましたが、1993年に新たに投入したのが「能古見」です。

1988年に8代目蔵元に就任した馬場第一郎さんが直面したのは日本酒の需要の落ち込みでした。

このまま同じことをしていたら行き詰るとの危機感から、馬場さんは自らが杜氏となり、小仕込み手造りで甘口の「能古見」を投入しました。

 

 

その後、2001年に月刊誌・特選街の日本酒コンテストの大吟醸酒の部で一位になったのをきっかけに、首都圏で一気に注目されて、2000年代の後半に佐賀の美酒としての評判を固めたのです。

そして、現在では長男の馬場嵩一朗さんが9代目蔵元(予定)として蔵に戻り、2023BYから杜氏になっています。

世代交代によって、さらに馬場酒造場が飛躍することを期待しています。

 

さて、いただくお酒は、地元産の山田錦を使った純米吟醸酒、火入れです。

 

 

上立ち香はスタンダードな酒エキスの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラの感触を振りまきながら、まっしぐらに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味は複数のコクが織り上がった印象で、両者は肩を並べて、無難にナチュラルな踊りを見せます。

 

流れてくる含み香もごく中庸な薄甘い香りでデコレート。

後から酸味が僅少、渋味がそれより多めに現れて、渋味主導で味わいの輪郭をはっきりとさせるのです。

甘旨味は終盤までペースを変えずに、きっちりと舞い続けるのでした。

 

 

それでは、佐賀の夜で佐賀の酒、3杯目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年236銘柄目)

銘柄名「能古見(のごみ)純米吟醸 2025BY」

酒蔵「馬場酒造場(佐賀県鹿島市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「地元産山田錦」

酵母「不明」

精米歩合「麹米=55%、掛米=59%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2200円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

九州に出張してきました。

一晩目の夜は佐賀駅前の「元気じるし」さんで美味しい酒と魅力的な酒肴を楽しみました。

 

 

やはり、なんといっても、美味しかったのはイカの活造りでした。

 

そんな酒肴に合わせて、1杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「鍋島(なべしま)純米吟醸」。

佐賀県鹿島市の富久千代酒造さんが醸しているお酒です。

 

富久千代酒造は工場の大幅な拡張に乗り出しています。

現在の蔵からは車で10分ほどの場所に、瓶詰したお酒を収容する大型冷蔵倉庫と精米工場を作る計画です。

敷地面積は9806㎡、建築面積は2720㎡で、建物は一部2階建て。

お酒はすべて新しい冷蔵倉庫に納め、これまで委託精米だったものを、完成後は自社精米に切り替えます。

すでに工事は始まっていて、2027年10月に完成予定です。

 

 

手狭だった本蔵はゆとりができて、新たな醸造設備を追加投入でき、すでに年間で2500石程度を造っていると見られますが、さらなる造石が可能になるでしょう。

オーベルジュも大成功していますし、まさにイケイケどんどんですね。

ご同慶の至りです。

 

さて、いただくお酒は雄町50%精米の純米吟醸、火入れです。

 

 

上立ち香はフローラルな薄甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの感触をアピールしながら、軽やかに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に流麗なテンポで膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系の奥行きと艶のあるタイプ、旨味はシンプル無垢でスレンダーな印象で、両者は足並みを揃えて、澄み切ったエレガントな舞いを見せます。

 

流れてくる含み香は優等生的なフローラルな香りでデコレート。

後から酸味が僅少、渋味が適量現れて、的確なメリハリを付与します。

甘旨味は終盤まで無駄なく、しっとりと舞いきるのでした。

 

 

それでは、佐賀の夜で佐賀の酒、2杯目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年235銘柄目)

銘柄名「鍋島(なべしま)純米吟醸 2025BY」

酒蔵「富久千代酒造(佐賀県鹿島市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「雄町」

酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2500円」

評価「★★★★★(7.6点)」