奈良県桜井市の今西酒造が大神神社の目の前に第二蔵「三輪伝承蔵」を完成させ、酒造りを始めています。
ここで造られている酒をまとめて購入して、飲み比べをしました。
2本目はこれです。
「三諸杉(みむろすぎ)三輪伝承蔵仕込み 山田錦65 無濾過生原酒」。
新しい蔵を作った狙いや蔵元の今西将之さんの熱い思いについては、SAKEStreetに記事を載せましたので、そちらをお読みください。
ここでは補足の話をさせていただきます。
伝承蔵は建物も酒造りの道具にもふんだんに吉野杉を使っています。
その理由について、蔵元の今西将之さんは次のように話しています。
*****************
明治時代に発行された植林の技術書「吉野林業全書」によると、三輪山と奈良の春日山の天然杉を移植したのが吉野杉の始まりです。
うちの蔵は三輪山のそばで杉の恩恵を受けてきたわけですし、三輪のDNAを引き継いだ吉野杉を使うことは必須でした。
******************
全書によると一番最初の植林は文亀年間(1501~1504)に川上村で始まったのだそうです。
その後、植林の地域はどんどん広がり、豊臣秀吉の大阪城や伏見城にたくさん使われました。
杉の苗を密に植えて、そのうえで、枝打ちと多間伐によって、節のない良質の杉を安定的に生産したことで、江戸時代は酒樽の高級材として高い評価を得たそうです。
今回、大阪のウッドワークに発注した木桶もまさに川上産の吉野杉です。
さて、2本目は奈良県産山田錦65%精米の無濾過生原酒です。
上立ち香は馥郁とした優しい香りが仄かに。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快に転がり込んできます。
受け止めて保持すると、自律的にリズミカルに膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。
粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。
甘味はザラメ糖系のややサシの多めのタイプ、旨味は複数のコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、ゆったりと艶を放ちながら踊ります。
流れてくる含み香は酢酸イソアミルに酢酸エチルがミックスして。
後から酸味と渋味が多めに現れて、やや緩めだった甘旨味をぎゅっと引き締めるのです。
味わいは無駄の無いキビキビとした世界に転じ、そのまま最後までエネルギッシュに踊りきるのでした。
これまた、すごく美味でした。
それでは、三輪伝承蔵のお酒、3本目をいただくことにします。
お酒の情報(26年100銘柄目)
銘柄名「三諸杉(みむろすぎ)三輪伝承蔵仕込み 山田錦65
無濾過生原酒 2025BY」
酒蔵「今西酒造(奈良県桜井市)」
分類「“純米酒”」「無濾過酒」「生酒」「原酒」「菩提酛酒」
原料米「山田錦」
酵母「不明」
精米歩合「65%」
アルコール度数「13度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格「720ml=2000円」
評価「★★★★★(7.6点)」







































