酔い人「空太郎」の日本酒探検 -2ページ目

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

奈良県桜井市の今西酒造が大神神社の目の前に第二蔵「三輪伝承蔵」を完成させ、酒造りを始めています。

ここで造られている酒をまとめて購入して、飲み比べをしました。

 

2本目はこれです。

 

 

「三諸杉(みむろすぎ)三輪伝承蔵仕込み 山田錦65 無濾過生原酒」。

 

新しい蔵を作った狙いや蔵元の今西将之さんの熱い思いについては、SAKEStreetに記事を載せましたので、そちらをお読みください。

ここでは補足の話をさせていただきます。

 

伝承蔵は建物も酒造りの道具にもふんだんに吉野杉を使っています。

その理由について、蔵元の今西将之さんは次のように話しています。

 

*****************

明治時代に発行された植林の技術書「吉野林業全書」によると、三輪山と奈良の春日山の天然杉を移植したのが吉野杉の始まりです。

うちの蔵は三輪山のそばで杉の恩恵を受けてきたわけですし、三輪のDNAを引き継いだ吉野杉を使うことは必須でした。

******************

 

全書によると一番最初の植林は文亀年間(1501~1504)に川上村で始まったのだそうです。

その後、植林の地域はどんどん広がり、豊臣秀吉の大阪城や伏見城にたくさん使われました。

杉の苗を密に植えて、そのうえで、枝打ちと多間伐によって、節のない良質の杉を安定的に生産したことで、江戸時代は酒樽の高級材として高い評価を得たそうです。

今回、大阪のウッドワークに発注した木桶もまさに川上産の吉野杉です。

 

さて、2本目は奈良県産山田錦65%精米の無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は馥郁とした優しい香りが仄かに。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快に転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にリズミカルに膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味はザラメ糖系のややサシの多めのタイプ、旨味は複数のコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、ゆったりと艶を放ちながら踊ります。

 

流れてくる含み香は酢酸イソアミルに酢酸エチルがミックスして。

後から酸味と渋味が多めに現れて、やや緩めだった甘旨味をぎゅっと引き締めるのです。

味わいは無駄の無いキビキビとした世界に転じ、そのまま最後までエネルギッシュに踊りきるのでした。

 

 

これまた、すごく美味でした。

それでは、三輪伝承蔵のお酒、3本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年100銘柄目)

銘柄名「三諸杉(みむろすぎ)三輪伝承蔵仕込み 山田錦65 

無濾過生原酒 2025BY」

酒蔵「今西酒造(奈良県桜井市)」

分類「“純米酒”」「無濾過酒」「生酒」「原酒」「菩提酛酒」

原料米「山田錦」

酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「13度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2000円」

評価「★★★★★(7.6点)」

 

奈良県桜井市の今西酒造が大神神社の目の前に第二蔵「三輪伝承蔵」を完成させ、酒造りを始めています。

ここで造られている酒をまとめて購入して、飲み比べをしました。

 

1本目はこれです。

 

 

「三諸杉(みむろすぎ)三輪伝承蔵仕込み 露葉風65 無濾過生原酒」。

 

新しい蔵を作った狙いや蔵元の今西将之さんの熱い思いについては、SAKEStreetに記事を載せましたので、そちらをお読みください。

ここでは補足の話をさせていただきます。

 

今西さんは蔵に帰った2011年以降、蔵を訪れたお客を必ず、大神神社への案内を欠かさず、「日本酒の聖地は三輪です」、と繰り返し説明していました。

空太郎が以前、お邪魔した際も神社へ一緒に足を運んだのですが、神社の参道沿いにある今西酒造の直営の販売店に立ち寄り、今西さんがお酒と卵を購入しました。

 

 

「神社の御祭神は大物主大神ですが、その化身は白蛇様です。

ゆえに白蛇様の好物である生卵を酒と一緒にお供えするのが古くからのしきたりです」と今西さんは話してくださり、受け取った空太郎がお供えをさせていただきました。

これは酒の安全醸造祈願では大神神社よりも人気の京都・松尾大社にはない習慣で、印象的でした。

 

さて、三輪伝承蔵のお酒の酒母はすべて菩提酛です。

1本目は露葉風65%精米の無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は鮮度の優れた甘い香りが仄かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの感触をアピールしながら、まっしぐらに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に軽やかなテンポで膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたラブリータイプ、旨味はシンプル無垢で気持ち粗めの印象で、両者は足並みを揃えて、キュートで流麗な舞いを披露します。

 

流れてくる含み香は適度にゴージャスで甘い香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れて効果的なメリハリを付与。甘旨味は終盤まで生き生きとした舞いを踊りきるのでした。

 

 

すごく美味でした。

それでは、三輪伝承蔵のお酒、2本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年99銘柄目)

銘柄名「三諸杉(みむろすぎ)三輪伝承蔵仕込み 露葉風65 

無濾過生原酒 2025BY」

酒蔵「今西酒造(奈良県桜井市)」

分類「“純米酒”」「無濾過酒」「生酒」「原酒」「菩提酛酒」

原料米「露葉風」

酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「13度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2000円」

評価「★★★★★★(7.75点)」

 

10か月ぶりに海外旅行に行ってまいりました。

旅行中は大好きな日本酒が飲めなくなるので、出発する空港のラウンジでは必ず、日本酒をいただくことにしています。

 

今回は成田空港第二ターミナルの「さくらラウンジ」にお邪魔しました。

さくらラウンジは巨大で2階に渡って広がっているのですが、軽食などが充実している2階には日本酒はなく、スナック類しかない1階の人の影が薄い場所にサーバーがあって、ワインと共に日本酒が置いてあります。

2種類あったので、2本目にいただいたのがこれです。

 

 

「からはし 純米吟醸 山田錦」。

福島県喜多方市のほまれ酒造さんが醸しているお酒です。

 

さて、今回の旅行の最終目的地はタヒチではありません。

実はさらにタヒチから東へ4000キロ離れたイースター島でした。

あの巨大石像「モアイ像」があるイースター島には人生で一度は行きたいと以前から切望していましたが、なにせ遠いのです。

 

 

チリ領ということもあって、日本からだとまずは北米の主要都市まで行き、そこからチリの首都サンティアゴに。

さらにそこから5,6時間かけてイースター島にたどりつくということで、トランジットも考えると楽に丸二日かかるのです。

それに比べるとタヒチから飛んだ方が楽チンなのですが、長年定期便がなく、それは無理でした。

ただし、日本の旅行会社が数年に一度、タヒチとイースター島間をチャーター便を飛ばして、ツアーを企画していたことを知っていたので、コロナ禍が収まってそろそろ企画されるのではないかと様子を見ていたら、阪急交通社が募集することを知り、ただちに予約をしたというわけです。

 

 

ツアーはほぼすべてが順調に進み、たっぷりのモアイ像と、モアイ像を製作された石切り場などを探訪できたのでした。

 

さて、そんな結果を期待しながらのラウンジでの飲酒でした。

 

2本目は「会津ほまれ」で有名なほまれ酒造が醸した山田錦60%精米の純米吟醸、火入れです。

 

 

上立ち香は吟醸らしくない凡庸な酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄っすらととろみ層を乗せて、ゆらゆらとふらつきながら、忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのウエットな粒々を速射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系のやや濃い目のタイプ、旨味はシンプル無垢で複数のとろりとしたコクが重なり合った印象で、両者はゆっくりと緩い雰囲気で徘徊します。

 

流れてくる含み香は仄かに薄甘い香りが。

後から酸味と渋味が少量現れて薄氷の輪郭を施すものの、弛緩した甘旨味に活を入れるには至らず、そのまま終盤までのんびりとしたムードの春うららの世界でした。

 

 

結局、旅行中は日本酒は飲めず、10日間の断日本酒でした。

 

お酒の情報(26年98銘柄目)

銘柄名「からはし 純米吟醸 山田錦 2025BY」

酒蔵「ほまれ酒造(福島県喜多方市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「山田錦」

酵母「協会1801号」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「1800ml=3777円」

評価「★★★★★(7.5点)」

 

10か月ぶりに海外旅行に行ってまいりました。

旅行中は大好きな日本酒が飲めなくなるので、出発する空港のラウンジでは必ず、日本酒をいただくことにしています。

 

今回は成田空港第二ターミナルの「さくらラウンジ」にお邪魔しました。

さくらラウンジは巨大で2階に渡って広がっているのですが、軽食などが充実している2階には日本酒はなく、スナック類しかない1階の人の影が薄い場所にサーバーがあって、ワインと共に日本酒が置いてあります。

2銘柄あったので、まずは1本目にいただいたのがこれです。

 

 

「東洋美人(とうようびじん)純米吟醸 愛山」。

山口県萩市の澄川酒造場さんが醸しているお酒です。

 

さて、今回の行き先はタヒチでした。

成田発のエアタヒチヌイで約12時間でタヒチ島に着きました。

タヒチと言えば陸地から突き出た水上コテージが有名で、ハネムーナーあこがれの場所です。

空太郎はそんな歳ではないので、割高なコテージは選ばず、陸地のホテル泊りでしたが、オーシャンビューで、海の向こうに奇岩が並ぶモーレア島に沈む夕日を堪能しました。

 

 

翌日はタヒチ島を一周し、翌々日はモーレア島の1日観光に行き、タヒチの美しい海を十分に堪能しました。

 

さて、1本目にいただいたのは、ラベルには愛山と書いてありますが、全量ではなく、掛米だけに使った純米吟醸酒、火入れです。

 

 

上立ち香は麗しいフルーツの香りが鼻腔を撫でます。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽やかなテンポで転がり込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢で滑らかな印象で、両者は足並みを揃えて流麗なワルツを舞います。

 

流れてくる含み香はゴージャスでジューシーな甘い香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れて薄氷の輪郭を施します。甘旨味は終盤までマイペースの踊りを繰り広げるのでした。

 

 

海外旅行前の日本酒としては納得でした。

それでは出発前の日本酒、もう1本をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年97銘柄目)

銘柄名「東洋美人(とうようびじん)純米吟醸 愛山 2025BY」

酒蔵「澄川酒造場(山口県萩市)」

分類「純米吟醸酒」

原料「麹米=山田錦、掛米=愛山」

酵母「不明」

精米歩合「麹米=35%、掛米=50%」

アルコール度数「14度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「1800ml=3960円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

船橋の銘酒居酒屋「ナイン」さんにお邪魔しました。

今夜も2時間飲み放題を選び、たくさんの美酒を堪能しました。

その中からいくつかご紹介します。

 

最後の4本目はこれです。

 

 

「孝の司(こうのつかさ)冬あかり 純米吟醸 生酒」。

愛知県岡崎市の柴田酒造場さんが醸しているお酒です。

 

柴田酒造場は地元の宿泊&飲食事業を展開しているシテン(岡崎市)と組んで、蔵の近くに宿泊施設「脈」を2026年1月にオープンさせました。

かつて簡易郵便局だった古民家をリノベして一日一組限定の一棟貸しの施設です。

一泊二食付きで、地元の食材で作った美味しい酒肴と柴田酒造場のお酒が楽しめる、いわゆるオーベルジュです。

 

 

最低2人で宿泊が条件で、二人で11万円です。

酒蔵が開く宿泊施設は最近、少しずつ増えていますが、この案件は値段がさほど高くない気がします。

ただし、他の蔵では宿泊者は一般公開していない蔵見学の特典がついていますが、それがないのは気になる所です。

ま、交渉してみる価値はあるかもしれません。

 

さて、いただくお酒は冬のにごり酒、夢山水60%精米の純米吟醸、生酒です。

 

 

上立ち香は生酒らしい初々しい酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、表面に無数の微細な気泡を纏って、それをプチプチと破裂させながら、駆け込んできます。

受け止めて保持すると、さらに破裂を増しながら膨らみ、拡散して、適度な大きさの粒々を速射してきます。

 

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢で超淡白な印象で、両者は仲良く、素早く鋭角的に駆け回ります。

 

流れてくる含み香はにごり特有のイーストの香りはなく、ごくオーソドックスな甘い香り。

後から酸味が少量、渋味が適量現れて、全体を引き締め、味わいは最後まで活力一杯の世界が続くのでした。

 

 

ドライで飲みやすいにごり酒でした。

今夜も日本酒に合う料理に舌鼓でした。

 

お酒の情報(26年96銘柄目)

銘柄名「孝の司(こうのつかさ)冬あかり 純米吟醸 生酒 2025BY」

酒蔵「柴田酒造場(愛知県岡崎市)」

分類「純米吟醸酒」「生酒」「にごり酒」

原料「夢山水」

酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2040円」

評価「★★★★★(7.6点)」

船橋の銘酒居酒屋「ナイン」さんにお邪魔しました。

今夜も2時間飲み放題を選び、たくさんの美酒を堪能しました。

その中からいくつかご紹介します。

 

3本目はこれです。

 

 

「惣誉(そうほまれ)しぼりたて純米生酒」。

栃木県市貝町の惣誉酒造さんが醸しているお酒です。

 

惣誉酒造は美酒蔵として長年、名を轟かせており、全国新酒鑑評会でも金賞の常連蔵でした。

2000年以降は必ず金賞か入賞を獲得し、選漏れがないまま連続記録を作り、2013BYからは金賞の連続記録を11回まで伸ばし、果たしてどこまで連続記録を伸ばすのだろうかと見ていました。

ところが、なんとその翌年の2022BYにおいて、金賞はおろか、入賞も逃すという思いがけない事態になってしまったのです。

 

 

びっくりしました。

その翌年の2023BYでは金賞に戻り、2024BYも金賞だっただけに、「この年はいったい何があったのだろうか」と不思議でなりません。

ま、それぐらい連続して獲得するというのは難しいことなのでしょう。

 

さて、いただくお酒は67%精米の純米酒、生酒です。

 

 

上立ち香は潤いを感じる甘い香りが仄かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、優雅なムードで忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢でスレンダーな印象で、両者は足並みを揃えて、よく鍛え上げられた切れのある鋭角的なダンスを見せます。

 

流れてくる含み香は生酒らしい潤いのある甘い香りでデコレート。

後から酸味が適量、渋味が少量現れて、明快なメリハリを付与。

味わいは無駄に広がらず、引き締まったクリアで透明度の高い踊りが終盤まで続きました。

 

 

67%精米の純米酒にしては、クリアで洗練された仕上がりでした。

さすがの惣誉酒造でした。

それでは、「ナイン」でいただいたお酒、4本目を紹介します。

 

お酒の情報(26年95銘柄目)

銘柄名「惣誉 しぼりたて純米生酒 2025BY」

酒蔵「惣誉酒造(栃木県市貝町)」

分類「純米酒」「生酒」

原料「不明」

酵母「不明」

精米歩合「67%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=1485円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

船橋の銘酒居酒屋「ナイン」さんにお邪魔しました。

今夜も2時間飲み放題を選び、たくさんの美酒を堪能しました。

その中からいくつかご紹介します。

 

2本目はこれです。

 

 

「百春(ひゃくしゅん)純米 しぼりたて 槽口直詰 生酒」。

岐阜県美濃市の小坂酒造場さんが醸しているお酒です。

 

小坂酒造場の杜氏は波多野博さん。

40代半ばです。

学校を出た後、建築業界に就職したものの、小坂酒造場が蔵人を募集したのを聞きつけて応募して、20歳で転職。

越後杜氏と南部杜氏の薫陶をうけて、29歳で杜氏に昇格しています。

2012年夏の岐阜の酒イベントに出向いた時に、蔵元が、

「南部杜氏の川村隆造さんは72歳です。後任は社員蔵人の若手にすることで内定しています」

と話しくれたのですが、それからすぐにバトンタッチをしたわけですね。

 

 

近年、「百春」の酒の質が高品質で安定しているのは、波多野さんのおかげだと推察しています。

 

さて、いただくお酒は純米酒を搾ったものを、槽口で直詰めした生酒です。

 

 

上立ち香はとろりとした厚めの甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面にとろみ層をぶ厚く乗せて、表面を波立たせながら、転がり込んできます。

受け止めて保持すると、表面のとろみ層を一気に崩して、無数のウエットな粒々となって四散してきます。

 

粒から現出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はトロトロの水飴系、旨味はシンプルながら複数のコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、重厚な舞いをゆったりと披露します。

 

流れてくる含み香は生酒らしいサシのたっぷり入った甘い香りでデコレート。

後から酸味が適量、渋味が少量現れて、妖し気に踊る甘旨味をしっかりと囃します。

味わいはカラフルで太目の世界が描かれ、最後に飲み下した後の余韻は太く、長く伸びるのでした。

 

 

それでは、「ナイン」でいただいたお酒、3本目を紹介します。

 

お酒の情報(26年94銘柄目)

銘柄名「百春(ひゃくしゅん)純米 しぼりたて 槽口直詰 生酒 2025BY」

酒蔵「小坂酒造場(岐阜県美濃市)」

分類「純米酒」「生酒」「原酒」「直詰酒」

原料「不明」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「17度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「1800ml=3980円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

船橋の銘酒居酒屋「ナイン」さんにお邪魔しました。

今夜も2時間飲み放題を選び、たくさんの美酒を堪能しました。

その中からいくつかご紹介します。

 

1本目はこれです。

 

 

「敷島(しきしま)冬椿」。

愛知県半田市の伊東さんが醸しているお酒です。

 

2021年にいったん廃業していた蔵を復活させた伊東は、廃業以前に酒造りに使っていた古い建物をリニューアルして2024年に食の複合施設「伊東合資」をオープンさせました。

酒などの販売所、カフェ、レストランで構成されていましたが、いまひとつうまくいかなかったようで、今年(2026)リニューアルに踏み切りました。

 

 

飲食部門を再編成するとともに、いよいよ一日一組限定の宿泊施設も近々開業します。

素泊まりも可能のようですが、施設内に魅力的なレストランがあるので、実質的にはオーベルジュ気分で利用ができるようになるようです。

非常に楽しみです。

 

さて、いただくお酒は五百万石を使った、“純米酒”の生酒です。

 

 

上立ち香は初々しいピュアな甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にライトな気分で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢で気持ち粗めな印象で、両者は足並みを揃えて、シャイな雰囲気を醸しながら、流麗で透明感に富んだ舞いを披露します。

 

流れてくる含み香はジューシーさに気持ち酢酸エチルの香りが混じってデコレート。

後から酸味と渋味が適量現れて、くっきりとした輪郭を形成するのです。

甘旨味は終盤まで疲れを見せることなく、エネルギッシュに踊り、最後は反転縮退して、昇華していきました。

 

 

非常に美味でした。

それでは、「ナイン」でいただいたお酒、2本目を紹介します。

 

お酒の情報(26年93銘柄目)

銘柄名「敷島(しきしま)冬椿 2025BY」

酒蔵「伊東(愛知県半田市)」

分類「“純米酒”」「生酒」

原料米「五百万石」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「18度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「1800ml=3300円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

「龍力」を醸す本田商店(兵庫県姫路市)が冬場に実施している「龍力新酒利酒会」に参加してきました。

じっくりといろいろなお酒が飲めましたので、ご報告します。

最後の5本目はこれです。

 

 

「龍力(たつりき)神龍錦 純米吟醸」。

 

さて、コロナ禍で休んでいた利き酒会を昨年(2025)から復活させた本田商店ですが、開催期間は1か月以上で、ほぼ毎回定員(40人)の参加者があるので、結局2000人近い飲み手を動員していることになります。

すごい集客力です。

そして、売り上げは400万円弱のはずです。

これだけ人を集めて収入がこれだけ?と感じてしまうのは、参加料が2000円だからです。

 

 

これはもったいないと空太郎は思います。

時間を1時間半から2時間に延ばして、ゆったりと楽しめるようにして、出すお酒のグレードをさらに上げれば、4000円取ってもおかしくないと思います。

これだけのファンを集める力があるのであれば、利き酒会も蔵の収益事業にするべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

 

さて、最後のお酒は2022年に本田商店が自力で育種した山田錦と神力の交配種、神龍錦の60%精米の純米吟醸酒、火入れです。

 

 

上立ち香はまろみを帯びた甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、軽やかにワルツを踊りながら、駆け込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系の湿潤なタイプ、旨味はシンプル無垢で滑らかな印象で、両者は足並みを揃えて、ほんわかとした綿あめの世界を描きます。

 

流れてくる含み香は円やかな砂糖由来の甘い香り。

後から渋味がほんの少し現れて、なんとか隠し味役を担当。

甘旨味は終盤まで穏やかで円やかな世界を描き、終盤になると意外に早く反転縮退して、そのまま昇華していきました。

 

 

「龍力」のお酒は全般的に酸が少なめの綺麗さが強調されていました。

それも人の好みですが。

 

お酒の情報(26年92銘柄目)

銘柄名「龍力(たつりき)神龍錦 純米吟醸 2025BY」

酒蔵「本田商店(兵庫県姫路市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「神龍錦」

酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2420円」

評価「★★★★★(7.55点)」

 

「龍力」を醸す本田商店(兵庫県姫路市)が冬場に実施している「龍力新酒利酒会」に参加してきました。

じっくりといろいろなお酒が飲めましたので、ご報告します。

4本目はこれです。

 

 

「龍力(たつりき)山田穂 特別純米 生原酒」。

 

「龍力新酒利酒会」に参加しての感想です。

実質の利き酒時間は1時間ちょっとでしたが、欲しいだけいくらでも飲めましたし、720mlで5000円前後の大吟醸もあったので、お得感はありました。

特につまみの持ち込み自由は評判で、ほとんどの人がたっぷりとつまみを持参、これが常連客を増やしている理由だと思われました。

ただし、新たな龍力ファンの掘り起こしには繋がっていないのではないでしょうか。

まあ、たぶん、蔵は既存の龍力ファンへの感謝イベントだと割り切っているのかもしれません。

 

 

さて、4本目もレアな酒米を使っていて、説明書きがあるので、ご紹介します。

*******************

山田錦の母 山田穂

兵庫県酒米の代表品種として、名声を博した幻の酒米『安田米』(酒米)で、古くから知られる兵庫県多可町中区。

明治十年頃、この地で酒米の改良に心を砕いていた豪農「山田勢三郎」氏が、自作田の稲穂の中から酒造家好みの稲穂を発見。

その種子を田にまいて試作を繰り返したところ、立派な酒米ができたため、自分の姓をとり『山田穂』と名付けた。

*****************

余り知られていないエピソードです。さすが、山田錦本場の酒蔵です。

 

これもまた、65%精米の特別純米、生原酒です。

 

 

上立ち香はとろりとした厚めの甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄っすらととろみ層を乗せて、厚ぼったい雰囲気で忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのウエットな粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系よりも濃厚なタイプ、旨味も複数のコクが重層化した印象で、両者は足並みを揃えて、重量級の四股を踏みます。

 

流れてくる含み香は濃くて甘いところに柚子を連想させる香りがミックスして。

後から酸味と渋味がほんの少し現れて、隠し味役を担当。甘旨味は終盤まで濃醇な独演会を続け、飲み下した後の余韻も太く長く伸びるのでした。

 

 

米が溶けすぎて味が多すぎた気がします。

それでは、「龍力新酒利酒会」でいただいたお酒、最後の5本目を紹介します。

 

お酒の情報(26年91銘柄目)

銘柄名「龍力(たつりき)山田穂 特別純米 生原酒 2025BY」

酒蔵「本田商店(兵庫県姫路市)」

分類「特別純米酒」「生酒」「原酒」

原料米「山田穂」

酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「18度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「1800ml=3850円」

評価「★★★★★(7.5点)」