長野「アルプス正宗 純米吟醸 生原酒 美山錦」よく煮こんだモツのような甘旨味がとろりと踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

アルプス正宗 純米吟醸 生原酒 美山錦」。

長野県松本市の亀田屋酒造店さんが醸しているお酒です。

 

このお酒は亀田屋酒造店の蔵の直売所に立ち寄った際に購入したものですが、その時、販売所の一角に売られていたのが「御酒印帳(ごしゅいんちょう)」というものでした。

 

 

神社を参拝したことの証としてもらう御朱印を集めることを趣味とする人たちが多くいることに目をつけて、酒蔵を訪れた時にスタンプを押したり、ラベルをもらったりして、訪問記録を残す「御酒印帳(ごしゅいんちょう)」を新事業として2017年から始めたのは紙問屋の柿本商事(京都市南区)です。

帳面は横13㌢×縦19㌢でハードカバー、24ページで1500円。

開くと左がラベルやスタンプを押すスペース、右は罫線が引かれていて、酒蔵の訪問記や飲んだお酒の感想を書くスペースになっています。

 

 

蔵に訪問して、販売しているお酒などを購入するとスタンプやラベルが受け取れる仕組み。

参加している蔵が一覧できる公式ガイドブックもオンラインで販売していて、現在は250蔵余りが、この企画に参加しています。

 

まだ、これからいろいろなお酒を学びたい人に向いた企画です。

ご興味のある方はどうぞ。

空太郎も話のタネに購入し、アルプス正宗のスタンプを押してもらいました。

 

さて、お酒は長野県産美山錦59%精米の純米吟醸、生原酒です。

 

 

上立ち香は生酒らしいフレッシュな麹バナの香りが鼻腔をくすぐります。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に適度にとろみ層を纏って、歯切れ良い動きで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、キビキビとした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢でやや荒々しい印象で、両者は足並を揃えて、鋭角的で鮮明な舞いを披露します。

流れてくる含み香も生酒らしい初々しい甘い香りがヒネ無しでデコレート。

後から酸味と渋味はほんの微量現れるだけ。

甘旨味は心地良さそうに終盤まで伸びやかでナチュラルな世界を描き切るのでした。

 

良質な生原酒のお酒でした。

 

お酒の情報(24年129銘柄目)

銘柄名「アルプス正宗 純米吟醸 生原酒 美山錦 2023BY」

酒蔵「亀田屋酒造店(長野県松本市)」

分類「純米吟醸酒」「生酒」「原酒」

原料米「美山錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「59%」

アルコール度数「17度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=1815円」

評価「★★★★★(7.6点)」