自宅の晩酌にお酒を選びました。
これです。
秋田県男鹿市の稲とアガベさんが醸しているお酒です。
本業のクラフトサケ以外に酒粕マヨネーズを商品化し、さらに、蔵の向かいにラーメン店を開くなど、矢継ぎ早に事業展開をしている岡住修兵さんですが、このほど観光庁の補助を受けて、新たに2つの事業を始めます。
1つはジン造り。
旧鉄工所をリノベし、酒粕を使ったジンの蒸留所を作ります。
2024年夏に着工し、年内には工事が完了。
2025年からジン製造が始まる予定です。
さらに、建物内にはバー、ショップ、イベントスペースを用意するようです。
もう1つはホテル。
旧船川港湾労働者会館を改装して「うみまちホテル」を開業させます。
稲とアガベがある男鹿駅周辺には宿泊施設がなく、アガベのレストランで食事をする人も終わると秋田市内まで戻って泊まっているのです。
「これでは男鹿に人を呼び込んでも地域への経済的な波及が限定的。なんとしてでもホテルを作ります」と2022年12月に男鹿を訪れた時、岡住さんは話していました。
客室は14室。
おそらく、2025年春開業と思われます。
宣言通り、「2,3年の間にやるべきことは全部着手します」と岡住さんは話していましたが、その有言実行ぶりには脱帽です。
さて、いただくお酒はアガベのシロップを入れた以外は純米酒と変わらない生酒です。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に厚めにとろみ層を乗せて、おっとりとした態度でゆっくりと忍び入ってきます。
受け止めて保持すると、鷹揚な態度でのろのろと膨らみ、拡散して、粘っこい大きな粒々を次々と射掛けてきます。
甘味は非常に濃醇な水飴様、旨味は多彩で個性的なコクが複雑にミックスした印象で、両者はぐるぐると渦を巻きながら濃霧の世界を描きます。
流れてくる含み香も上立ち香同様、ヨードチンキ由来の薬っぽい香りが大半。
後から酸味と渋味も大量に現れ、終盤まですべての絵の具が入り混じった世界を描くのでした。
90%精米ゆえの味の多さが、いささか重かったです。
銘柄名「稲とアガベ ハツシボリ生酒 2023BY」
酒蔵「稲とアガベ(秋田県男鹿市)」
分類「その他醸造酒=クラフトサケ」「生酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「90%」
アルコール度数「14度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「×」
標準小売価格(税込)「500ml=2500円」
評価「★★★★(7.4点)」