岩手県を旅してきました。
宮古市の浄土ヶ浜のホテルに泊まり(素泊まり)、夕食には以前から気になっていた「大寿司」にお邪魔しました。
極上の寿司を手頃な料金で堪能させていただきました。
美味しい鮨に合わせたのはもちろん、地元の岩手県のお酒です。
4杯目にいただいたのはこれです。
「浜娘(はまむすめ)純米」。
岩手県大槌町の赤武酒造さんが醸しているお酒です(実際の醸造場所は盛岡市内)。
赤武酒造は2011年の東日本大震災の津波で蔵が全壊。
翌年秋に盛岡市の工業団地に新しい蔵を構え、「浜娘」の自醸を再開しました。
そのタイミングで蔵元の古舘秀峰さんの息子の古舘龍之介さんが蔵に帰ってきて、その酒造りのセンスを見込んだ秀峰さんが酒造りを息子に全面的に任せます。
そして、龍之介さんのお酒として「赤武(AKABU)」をデビューさせました。
その後は、赤武人気が高まり、首都圏では「浜娘」を見ることはなくなりました。
どうやら、大都市圏の特約店流通は「赤武(AKABU)」、岩手県を中心とした問屋流通を「浜娘」にしたようです。
今回、いただくお酒の表貼りにも、大きく「岩手限定蔵出純米酒」と書いてありました。
造りの内容はどちらも同じはずですが、値段は「浜娘」の方が安いです。
ちなみに、日本酒評価サイトの「SAKETIME」によれば、岩手県の評価ランキングで「赤武(AKABU)」が堂々の首位、そして、「浜娘」も6位に食い込んでいます。
空太郎も、現時点で岩手で一番の美酒を醸しているのは赤武酒造だと思います。
さて、いただくお酒は60%精米の純米酒、一回火入れです。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、ヴィヴィッドなムードで滑り込んできます。
受け止めて保持すると、自律的にテンポよく膨らみ、拡散して、適度な大きさの透明感に優れたガラス玉様の粒々を連射してきます。
甘味は非常に良質で純度の高いタイプ、旨味はシンプル無垢の印象で、両者は足並を揃えて、シルキータッチの可憐なハーモニーを奏でます。
甘旨味は終盤まで疲れを見せずに、エモーショナルに舞い続けるのでした。
赤武のお酒と寸分違わない仕上がりでした。大寿司でのお酒飲みはこれでおしまい。翌日、また、盛岡市内でいただいた岩手の地酒をご紹介します。
銘柄名「浜娘(はまむすめ)純米 2023BY」
酒蔵「赤武酒造(岩手県大槌町)醸造場は盛岡市」
分類「純米酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「×」
標準小売価格(税込)「720ml=1430円」
評価「★★★★★★(7.8点)」