岩手「千両男山 純米」チクチクとした甘旨味がジグザグに駆け回る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

岩手県を旅してきました。宮古市の浄土ヶ浜のホテルに泊まり(素泊まり)、夕食には以前から気になっていた「大寿司」にお邪魔しました。

極上の寿司を手頃な料金で堪能させていただきました。

美味しい鮨に合わせたのはもちろん、地元の岩手県のお酒です。

 

3杯目にいただいたのはこれです。

 

 

千両男山(せんりょうおとこやま)純米」。

岩手県宮古市の菱屋酒造店さんが醸しているお酒です。

 

菱屋酒造店の杜氏は、青森の「田酒」を育てた実力派の辻村勝俊さんが長年、続けていましたが、2019BYをもって完全引退し、代わって辻村さんの下で酒造りを補佐していた腹子慎さんが2020BYから杜氏になっています。

ただし、腹子さんも60代後半で、その次を見定めて、斉藤社長のお子様が他の酒蔵で修行中のようです。

 

 

菱屋酒造店は辻村さんを招いた後、特約店銘柄の「菱屋」に力を入れた時代もありましたが、最近は目にすることが少なく、変革の動きが感じられませんでしたが、今後、若い力で新たな変革に期待したいです。

 

さて、お酒ですが、60%精米の純米、生詰(一回火入れ)酒です。

 

 

上立ち香は酒エキスの香りがチリチリと刺激をしながら。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、淡々とした態度で駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポよく膨らみ、拡散して、適度な大きさの硬度の高い粒々を速射してきます。

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味は棘混じりの凹凸が多い印象で、旨味が主導して神経質そうに駆け回ります。

流れてくる含み香はアルコールの鋭角的な香り。

後から酸味と渋味が少量現れて、甘旨味を囃します。

味わいは終盤までいい意味で活力を落とさず、元気に駆け回る世界でした。

 

それでは、岩手のお酒、4杯目をいただくことにします。

 

お酒の情報(24年114銘柄目)

銘柄名「千両男山(せんりょうおとこやま)純米 2023BY」

酒蔵「菱屋酒造店(岩手県宮古市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16~17度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格(税込)「1800ml=2680円」

評価「★★★★★(7.5点)」