高知「土佐しらぎく 特別純米 斬辛」オーソドックスな甘旨味が優等生的な舞いを無難に披露する | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

荒木町の人気居酒屋「純ちゃん」にお邪魔しました。

今夜も25種類のお酒をすべていただきましたが、今回はその中から、辛口を標榜しているお酒の報告をします。

 

最後の4本目はこれです。

 

 

土佐しらぎく 特別純米 斬辛」。

高知県芸西村の仙頭酒造場さんが醸しているお酒です。

 

日本酒蔵の多くはラインナップの1つとして辛口酒を造りたがりますが、その際のお酒の表現に目立って多用されるのが、この「斬」という字です。

刀の切れ味の良さを表現するのにぴったりと思う蔵が多く、軽くググっただけでも、春鹿の「鬼斬」、初孫の「魔斬」、信濃錦の「斬九郎」などとぞろぞろと出てきます。

ただし、この文字は辛さというよりはキレ味にも使われており、仙頭酒造場さんのこのお酒は日本酒度はプラス5と大した数字ではありません。

果たして味わいはいかがでしょうか。

 

60%精米の特別純米、生酒です。

 

 

上立ち香はごくスタンダードな薄甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面を砂消しゴムのような感触にして、まっしぐらに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさの硬めの粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はざらつき感のはっきりした印象で、両者は足並みを揃えて、無難な舞いを披露します。

流れてくる含み香もややチクチクとした酒エキスの香り。

後から酸味と渋味が適量現れて、明快なアクセントを付与します。

甘旨味は淡々と優等生的な舞いを演じ、終盤になると反転縮退して昇華して行きました。

 

 

「斬」を付けるほどの辛さの酒ではありませんでした。

 

お酒の情報(24年100銘柄目)

銘柄名「土佐しらぎく 特別純米 斬辛 2022BY」

酒蔵「仙頭酒造場(高知県芸西村)」

分類「特別純米酒」「生酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「+5」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=2900円」

評価「★★★★★(7.5点)」