近年、飲み放題設定のある銘酒居酒屋で飲める日本酒のレベルが急ピッチで上昇しています。
どのぐらい飲み放題ができるお酒の質が上がっているかを、いろいろな店を巡り、散発的にご報告していきます。
第53弾は湯島「まりじゅ」さんです。
「まりじゅ」は7品のお任せ料理に、2時間飲み放題がついて5500円(税込み)と、この手の飲み放題としては最安値に並びます。
しかも、食べログには「獺祭などプレミアム日本酒10種」が飲み放題とあったので、期待してお邪魔したのですが、いきなり、「獺祭は在庫切れです」と言われて、「え???」となりました。
しかも、飲める日本酒はどんどん変わるらしく、メニューリストはなく、店の人が銘柄を読み上げるスタイルでした。
文句を言っても仕方がないので、早速いただくことにします。
1本目にいただいたのはこれです。
「水芭蕉(みずばしょう)春酒 純米吟醸 生貯蔵酒」。
群馬県川場村の永井酒造さんが醸しているお酒です。
初々しい甘旨味の舞いが主役で、最後はやや辛口へとシフトして、キレの優れた印象でした。
7.6点。
2本目にいただいたのはこれです。
「鳳陽(ほうよう)はるなごみ 純米原酒」。
宮城県富谷市の内ヶ崎酒造店さんが醸しているお酒です。
小太りの甘旨味が、ややピントの甘い踊りを見せ、最後までゆるりと徘徊する印象でした。
7.5点。
3本目にいただいたのはこれです。
「凪(なぎ)―SpringMisty―うすにごり無濾過生原酒」。
千葉県山武市の寒菊銘醸さんが醸しているお酒です。
適度にサシの入った甘旨味が華やかな含み香に囃されて気持ちよさそうに舞う、早春の風のようでした。
7.7点。
4本目にいただいたのはこれです。
「天寶一(てんぽういち)純米吟醸 生酒 攻め」。
岡山県福山市の天寶一さんが醸しているお酒です。
ゆったりと多彩な旨みを放ち、後半になると、渋味と苦味が強まって、最後は一気に縮退して昇華して行きました。
7.6点。
5本目にいただいたのはこれです。
「浦霞(うらかすみ)純米辛口」。
宮城県塩竈市の佐浦さんが醸しているお酒です。
やや凡庸な印象の甘旨味が、気持ちおっとり、ぼんやりとした舞いを見せ、最後の縮退もスローペースでした。
7.4点。
最後の6本目にいただいた「出雲月山」は写真を撮り忘れてしまいました。
料理はごくごくオーソドックスな物で、酒肴としては問題がありませんでした。
お酒のラインナップはプレミアムと言うにはいまひとつの銘柄しかなく、選ぶのに迷うというところまで行きませんでした。
値段が2.5時間飲み放題で5500円というところを加味しますが、採点は4.2点(★★★)としました。
リピートは難しい印象でした。
総合評価が4.8点以上の秀逸飲み放題居酒屋は以下の通りです。
居酒屋純ちゃん(荒木町)、つくしのこ(池尻大橋)、常笑(中野)、サケラボトーキョー(十条)、鳥酎はなれ(飯田橋)、ナイン(船橋)、GASHUE(仲御徒町)、日がさ雨がさ(四谷三丁目)、MrHappy(神保町)、オールザットジャズ(荒木町)、まき野(高田馬場)