新潟「八海山 越後で候 純米大吟醸 生原酒」均整の取れた甘旨味が静寂の中を舞う | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

八海山(はっかいさん)越後で候 純米大吟醸 しぼりたて生原酒」。

新潟県南魚沼市の八海醸造さんが醸しているお酒です。

 

八海醸造は2018年から米ニューヨークで日本酒を造り始めた「ブルックリンクラ」と業務資本提携(資本参加)を結びました。

これまでは日本酒を造るのみでしたが、蔵を大幅に拡張し、日本酒の生産量を大幅に増やすだけでなく、タップルーム(試飲コーナー)も設置。

さらには、日本酒の魅力をアピール&啓蒙する「サケ・スタディ・センター」も作り、講演会やセミナーなども展開していくそうです。

 

 

「獺祭」を醸す旭酒造は巨額の投資でニューヨーク州に新しい蔵を建てましたが、八海醸造は資本提携という、相対的に安上がりな投資でニューヨークに拠点を設けたと言えるでしょう。

八海醸造は2022年に創業100周年を迎え、新たな事業展開を加速すると宣言、ニューヨークの日本酒だけでなく、米を原料にしたグレーンウイスキーにも進出しています。

その動向に目が離せませんね。

 

さて、今夜いただくのは、「越後で候」シリーズの赤ラベル、45%精米の純米大吟醸、しぼりたて生原酒です。

 

 

上立ち香は伸びやかな甘い香りが適度に。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベな感触を振りまきながら、軽やかに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポよく膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系のラブリーなタイプ、旨味はシンプル無垢で、両者は足並を揃えて、無駄のない均整の取れた舞いを展開します。

流れてくる含み香は抑えめながらもゴージャスな香りでデコレート。

後から酸味と渋味はほんのわずかで、隠し味役に留まります。

甘旨味は終盤までマイペースで生き生きとした世界を描き切るのでした。

 

 

八海山のお酒の中で、これが一番好きです。

 

お酒の情報(24年75銘柄目)

銘柄名「八海山(はっかいさん)越後で候 純米大吟醸 

しぼりたて生原酒 2023BY」

酒蔵「八海醸造(新潟県南魚沼市)」

分類「純米大吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「45%」

アルコール度数「17度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=4580円」

評価「★★★★★★(7.8点)」