新潟「高千代 純米 +19 無濾過生原酒」引き締まった甘旨味が艶を放ちながら凜々しい世界を描く | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

新潟に用事ででかけました。

知人と一杯やることになり、選んだお店が「越後一会 十郎」でした。

ここは新潟の地酒がきっちりそろっていることを自慢にしているお店で、以前来たことがあったので、再訪したわけです。

しかし、メニューをみると、スペック表示がなく、銘柄名だけが羅列されており、いささかためらいながら、お酒を頼んでいきました。

3本目はこれです。

 

 

高千代(たかちよ)純米 +19 無濾過生原酒」。

新潟県南魚沼市の高千代酒造さんが醸しているお酒です。

 

高千代酒造のお酒は「高千代」「たかちよ」「タカチヨ」「Takachiyo」といろいろありすぎて、「どういう風に使い分けているのか」と嘆く人も多いのです。

そこで、昨年秋に蔵元のフェイスブックでお酒の違いについて、懇切丁寧な説明がありました。

それぞれのお酒のポジショニングも図解で説明しています。

 

 

ま、昔からの「高千代」と「巻機」は香りは中立でややドライ系にあり、残る「たかちよ」は中濃で甘くてフルーティ、「シンタカチヨ」はさらに甘さが濃くてフルーティーです。

いわゆる大都市圏で受ける酒質が平仮名&片仮名&英文字というわけですね。

まあ、そうだろうなあ、と想定の範囲内でした。

 

さて、今夜いただくのは、地元新潟向けの美山錦60%精米の純米酒ですが、日本酒度が思い切り高いプラス19です。

 

 

上立ち香は生酒らしい麹バナの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、まっしぐらに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にグングンと膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味は引き締まったやや粗めの印象で、両者はリズムを合わせて、筋肉質でスレンダーな舞いを披露します。

流れてくる含み香はフレッシュな酒エキスの香りが派手めに囃します。

甘旨味は存在感を強めながら、疲労を見せずに終盤まで駆け回り、最後に飲み下した後の余韻はスパッと短いものでした。

 

 

+19ですが、無濾過生原酒なので、味わいは多彩で飲み応えがあるものでした。

 

お酒の情報(24年71銘柄目)

銘柄名「高千代(たかちよ)純米 +19 無濾過生原酒 2023BY」

酒蔵「高千代酒造(新潟県南魚沼市)」

分類「純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「美山錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=2420円」

評価「★★★★★★(7.8点)」