新潟に用事ででかけました。知人と一杯やることになり、選んだお店が「越後一会 十郎」でした。
ここは新潟の地酒がきっちりそろっていることを自慢にしているお店で、以前来たことがあったので、再訪したわけです。
しかし、メニューをみると、スペック表示がなく、銘柄名だけが羅列されており、いささかためらいながら、お酒を頼んでいきました。
2本目はこれです。
新潟県村上市の宮尾酒造さんが醸しているお酒です。
空太郎が不思議に思うのは、冬場限定で多くの酒蔵が出す「しぼりたて生酒」は、十年一日の如く醸造アルコールをたっぷりと添加した普通酒で、しかも、アルコール度数が20度近いことです。
もちろん、先進地酒蔵の多くは、しぼりたてでも純米酒で15度前後が普通ですが、昔ながらの銘柄では、アル添を死守しています。
以前は造りのシーズンが始まったばかりは、杜氏も半年以上ぶりの酒造りだったので、試験運転の色合いもあってアル添したものと思われますが。
また、アルコール度数が高いとガツンとした味わいになり、それが、「いよいよ新酒のシーズンだな」と左党が喜んだのだと思います。
しかし、そういう飲み手の年齢層も上昇しているはずで、ニーズは縮小しています。
むしろ、日本酒のトレンドは低アルコール度数です。
是非、大手からも、しぼりたて生原酒なのに15度といった商品が登場してきてほしいと願います。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、表面を砂消しゴムのような感触にして、まっしぐらに駆け込んできます。
受け止めて保持すると、荒々しく膨らみ、拡散しながら、やや大振りの粒々を次々と射掛けてきます。
甘味は凹凸の目立つ太めのタイプ、旨味はザラザラ感の強い印象で、両者は足並みを揃えて、周囲にぶつかりながらエネルギッシュに踊り狂います。
流れてくる含み香はチクチクとした刺激の強い香りで派手めに囃します。
味わいは徐々に熱を帯びながら広がり続け、最後に飲み下した後の余韻はちりちりと刺激が残るのでした。
ヘビードリンカーならOKですが、やはり、度数の低い方が多くの人に受け入れられると思われます。
銘柄名「〆張鶴(しめはりつる)しぼりたて 生原酒 2023BY」
酒蔵「宮尾酒造(新潟県村上市)」
分類「普通酒」「生酒」「原酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「60%」
アルコール度数「20度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「1800ml=2630円」
評価「★★★★★(7.5点)」