長野県木祖村で美酒を醸す湯川酒造店さんのお酒をまとめて取り寄せて飲み比べをしました。
4本目はこれです。
「十六代九郎右衛門(じゅうろくだいくろうえもん)生もと純米 金紋錦 火入原酒」。
IWCのお話の続きです。
下世話な話になりますが、IWCの出品料は5万円です。
空太郎が違和感を覚えるのは、1つの蔵が出品できるお酒の数に制限はなく、二桁を超える出品をしている蔵がいくつもあることです。
例えば純米酒部門に1つか2つ出している蔵と二桁出している蔵で公平な審査はできるのでしょうか?。
ほかの品評会にはないIWC独自の仕組みで、これは是正すべきだと思います。
噂によれば、蔵単体の出品数の上限がないのに対して、総出品数の上限があり、2023年は申請の遅かった蔵は出品を断られたケースもあると聞きます。
ちなみに湯川酒造店の出品数は4点と常識の範囲内です。
2023年は純米大吟醸が速醸を1本、純米吟醸は生酛を1本、純米は速醸と生酛を各1本で、締めて20万円です。
ちなみに長野県の酒の振興を目的として、長野県が出品料の一部を補助しています。
なにせ長野県には「日本酒・ワイン振興室」という単独の組織があるほどの力の入れようですから。
さて、4本目は長野県産金紋錦65%精米の純米酒、生酛酒母の火入れです。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触を強調して、まっしぐらに滑り込んできます。
受け止めて保持すると、軽快なテンポで膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。
甘味はザラメ糖系のすっきりとしたタイプ、旨味は非常に良質なコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、初々しい舞いを披露します。
後から酸味と渋味が適量現れますが、酸味がとりわけ上質で甘旨味と一緒に馨しいピントのはっきりとした味わいを形作ります。
終盤まで可憐でロマンチックな世界が描かれ、最後は反転縮退して昇華して行きました。
それでは、湯川酒造店さんのお酒、5本目をいただくことにします。
お酒の情報(24年55銘柄目)
生もと純米 金紋錦 火入原酒 2022BY」
酒蔵「湯川酒造店(長野県木祖村)」
分類「純米酒」「生酛酒」
原料米「金紋錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「65%」
アルコール度数「13度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「1800ml=3900円」
評価「★★★★★★(7.8点)」