千葉「長命泉 大吟醸」香りの抑制が利きすぎて、酒エキスが浮き上がる | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

中南米方面に旅行に行って参りました。

成田発のアエロメヒコを利用し、その際、空港のプレミアムラウンジを利用しました。

うれしいことに日本酒が置いてあり、しばらくの間、日本酒が飲めなくなるので、しっかり頂くことにしました。

2銘柄置いてありましたので、順番にご紹介します。

2本目はこれです。

 

 

長命泉(ちょうめいせん)大吟醸」。

千葉県成田市の滝沢本店さんが醸しているお酒です。

 

滝沢本店は成田空港に最も近い酒蔵で、空港のラウンジで振る舞うにはもっともふさわしい“地酒”です。

成田と羽田にはいろいろなラウンジがあり、どこのラウンジでも日本酒は揃えていても2~3種類なので、空港周辺の酒蔵でなければ、全国的にも知名度のある酒蔵のお酒を用意してほしいものです。

 

 

ところが、いきなり、無名の新潟の酒があったりすると、担当者の人的なコネによる香りがするので、できれば、自重してほしいものです。

 

さて、滝沢本店のこのお酒は空港のラウンジ用に仕立てたラベルらしく、表ラベルは「大吟醸」の漢字以外はすべて英語表記です。

裏ラベルは日本語表記で、45%精米の醸造アルコール添加の大吟醸です。

 

 

上立ち香は抑制の利いた細身の酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの触感を振りまきながら、淡々とした態度で忍び入ってきます。

受け止めて舌の上で転がすと、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の儚いタイプ、旨味はシンプル無垢の印象で、両者はお互い譲り合いながら遠慮がちなハーモニーを奏でます。

流れてくる含み香も華やかさのない地味めのエキスの香り。

後から酸味は皆無、渋味が微量現れて隠し味役に留まります。

味わいはプレーヤー不足で、酒エキスの存在が浮き上がり、そのまま終盤を迎えるのでした。

大吟醸らしくない仕上がりに驚きました。

1本目の「甲子」の方がよほど大吟醸らしい味わいで、その後はラウンジを出るまでずっと「甲子」をいただきました。

 

それでは、次にアエロメヒコの機内でいただいた驚きの日本酒をご紹介します。

 

お酒の情報(24年50銘柄目)

銘柄名「長命泉(ちょうめいせん)大吟醸 2022BY」

酒蔵「滝沢本店(千葉県成田市)」

分類「アル添大吟醸酒」」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「45%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=4200円」

評価「★★★★(7.4点)」