千葉「甲子 はなやか 匠の香 純米吟醸」ゴージャスな香りと素朴な甘旨味が可憐な世界を描く | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

中南米方面に旅行に行って参りました。

成田発のアエロメヒコに乗るので、その際、空港のプレミアムラウンジを利用しました。

うれしいことに日本酒が置いてあり、しばらくの間、日本酒が飲めなくなるので、しっかり頂くことにしました。

2銘柄置いてありましたので、順番にご紹介します。

1本目はこれです。

 

 

甲子(きのえね)はなやか 匠の香 純米吟醸」。

千葉県酒々井町の飯沼本家さんが醸しているお酒です。

 

飯沼本家は日本酒に緩やかな追い風が吹いてきたのを受けて、矢継ぎ早にいろいろな手を打っています。

蔵には直営ショップのほか、レストラン、ギャラリー、キャンプ場、自社農園もあり、それらを活用して日本酒の見学だけでなく、ブルーベリー狩りや田植え体験なども用意されています。

一種の日本酒テーマパークを意識しています。

 

 

お酒も基本は大型設備での準大手的な造りが基本ですが、小仕込みの体制もあり、柔軟に多彩なラインナップのお酒を造っています。

今日、いただくお酒も生酒の良さを残すことができる「パストライザー&クーラー」を使って、瓶詰した生酒を短時間で熱処理をしたお酒です。

 

 

上立ち香は芳しく派手めな甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの触感をアピールしながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、ガラス玉様の澄み切った粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系のすっきりとしたタイプ、旨味は素朴で柔らかな印象で、両者は足並みを揃えて、無垢で清らかな舞いを演じます。

流れてくる含み香も派手めのカプロン酸エチルの香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れて、パーフェクトなアクセントを付与します。

甘旨味はゴージャスな香りに囃されて、終盤までチャーミングな世界を描き切るのでした。

 

素晴らしい仕上がりでした。

それでは、プレミアムラウンジでの日本酒、もう1本をいただくことにします。

 

お酒の情報(24年49銘柄目)

銘柄名「甲子(きのえね)はなやか 匠の香 純米吟醸 2022BY」

酒蔵「飯沼本家(千葉県酒々井町)」

分類「純米吟醸酒」」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「58%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=3190円」

評価「★★★★★(7.6点)」